円高・円安で外貨建て(ドル建て)保険はどうなる?影響や買い時・注意点も解説

円高や円安になると外貨建て(ドル建て)保険にどのような影響があるのか、くわしく知りたいという人も多いのではないでしょうか。

外貨建て(ドル建て)保険は高い金利で運用できること、外貨資産を持てるということから、近年人気が高まっている保険商品です。

この記事では、円高・円安といった為替の動きが外貨建て(ドル建て)保険に与える影響についてくわしく解説します。

外貨建て(ドル建て)保険の買い時や、円高・円安の影響をできるだけ抑えられるリスク管理の方法、解約時の注意点も合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

・目次


外貨建て(ドル建て)保険とは?

外貨建て(ドル建て)保険とは、払込保険料や死亡保険金・満期保険金・解約した場合に受け取る解約返戻金などが、すべて外貨建てになっている保険のことをいいます。

外貨建ての保険商品には、米ドル建て・豪ドル建て・ユーロ建てのものが一般的ですが、日本で最も多く販売されているのは「ドル建ての保険商品」です。

外貨建て(ドル建て)保険は、外貨をベースにしているため、円高・円安といった為替の動きに大きく影響されることが特徴です。

外貨建て(ドル建て)保険は円高でどうなる?

外貨建て(ドル建て)保険は、保険料が外貨(ドル)建てです。そのため、円高になると、払込保険料は安くなります。

例えば、保険料が100ドルの場合を考えてみましょう。

1ドル140円のときは、保険料は14,000円になりますが、1ドル130円の円高になると、13,000円となり1,000円安くなります。

ただし、保険金や解約返戻金もドル建てのため、円高になると受け取れるお金は少なくなります。

逆に、円安になると、払込保険料は高くなりますが、保険金や解約返戻金の金額も高くなります。

近年、このような外貨建て(ドル建て)の保険商品が人気ですが、主な理由として以下の2点が挙げられます。

 ● 金利が高い外貨で運用するため、積み立てているお金が増えやすい
 ● 円の価値が不安定なため、円資産と外貨資産の両方を持ちたいと考える人が増えている

ただし、外貨建て(ドル建て)保険は、円高・円安など為替の変動によっては、積み立てたお金が元本割れする可能性があるため注意が必要です。

外貨建て(ドル建て)保険は円建ての保険に比べると高いリターンを期待できますが、為替リスクがあることを、よく理解しておくことが大切です。


外貨建て(ドル建て)保険は主に3種類

外貨建て保険にはさまざまな種類がありますが、主なものは外貨建て(ドル建て)終身保険・外貨建て(ドル建て)個人年金保険・外貨建て(ドル建て)養老保険の3つです。それぞれくわしくみていきましょう。

外貨建て(ドル建て)終身保険

外貨建て保険にはさまざまな通貨建ての商品がありますが、最も人気があるのは「ドル建て終身保険」です。ドル建て終身保険とは、終身保険のうち、保険料や保険金がドル建てのものをいいます。

それでは、「終身保険」とはどのような仕組みの保険なのでしょうか。

「終身保険」とは、死亡したり、所定の高度障害状態などになったりした際に、死亡もしくは高度障害保険金が受け取れる、掛け捨てではない保険です。

終身保険では、まず10年・15年等、契約時に定めた払込期間中、継続して保険料を払い込みます。

そして、払込期間が終わると、毎月の保険料は不要になり、なおかつ死亡・高度障害の保証は一生涯続く仕組みです。

ドル建て終身保険とは、このような終身保険のうち、保険料や保険金が「ドル建てのもの」をいいます。

外貨建て(ドル建て)終身保険の仕組み

ドル建て終身保険の例として、以下の設計の保険を見てみましょう。

 ドル建て終身保険

 

 死亡保険金

 30,000ドル

 毎月の保険料

 150ドル

 保険料の払込期間

 10年


このような設計の場合、150ドルを10年間払い込めば、死亡保障は一生涯有効になります。

また、終身保険は掛け捨てではなく、保険料を積み立てていくタイプの保険です。

月々払い込んだ保険料の一部は毎月積み立てにまわっているため、解約した場合は「解約返戻金」を受け取れます。

解約返戻金の額は、解約するタイミングによって異なります。

払込期間が満了する前に解約すると、ドルベースで元本割れするケースがほとんどのため、注意が必要です。

逆に、払込期間が終わっても終身保険を持ち続けた場合、積み立てているお金がどんどん増えていきます。

外貨建て(ドル建て)の終身保険の場合は、保険会社がドル基準の高い金利で運用してくれているため、円建ての保険で運用するよりも、(ドルベースで)より還元率が高くなるという特徴があります。

例えば、11年目の還元率は102%、13年目は104%というふうに、払込保険料の総額よりも解約返戻金の金額が増えていきます(ドルベース)。

30年、40年と長期にわたって持ち続けると、積立金がドルベースで2倍以上になることもあります。

このように、米ドル建て終身保険の場合は、積み立てているお金は米ドルで運用されること、米ドルの金利は日本の金利よりも大幅に高く、日本円で積み立てる一般的な終身保険に比べて、お金が増えやすいという2つのメリットがあります。

外貨建て(ドル建て)個人年金保険

外貨建て(ドル建て)個人年金保険とは、外貨(ドル)で保険料を払い込み、外貨建て(ドル建て)で老後の資金を計画的に準備できる「個人年金保険」です。

「個人年金保険」では、長年に渡って保険料をコツコツ払い込み、年金原資を積み立てていきます。

そして、65歳や70歳など、契約時に決めた年齢に達したときに、積みあがった年金原資を5年や10年など決められた期間にわたって、年金として受け取る仕組みになっています。

個人年金保険では、万が一被保険者が死亡した際は、払込保険料相当額を遺族が「死亡保険金」として受け取れるため、「生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)」が利用できます。

例えば、老後の資金を預金やNISAなどで積み立てていた場合は、死亡時に受け取るお金には生命保険の非課税枠が使えず、すべて相続財産として課税対象になります。

個人年金保険で積み立てていた場合は、形成していた資産を死亡保険金として受け取れるため、非課税枠を利用できることが大きな魅力です。

また、個人年金保険は、円建て・外貨建て(ドル建て)にかかわらず、個人年金保険料控除を受けられるため、所得税を減らせるというメリットもあります。

外貨建て(ドル建て)個人年金保険の仕組み

ドル建て個人年金保険とは、外貨建て個人年金保険のうち「ドル建てのもの」をいいます。

ドル建て個人年金保険のメリットとしては、

 ● ドル資産を形成できること
 ● 高い金利で運用できて積み立てているお金を増やしやすいこと

の2点が挙げられます。

円建ての個人年金保険は、長引く低金利の影響で積み立てたお金がなかなか増えないことがデメリットといえますが、外貨建て(ドル建て)の場合は、高金利で運用できて資産も増えやすいことから、近年人気が高まっています。

ドル建て個人年金を受け取る際は、ほとんどの場合、以下のようなパターンから選べます。

 ● 契約した通貨建てで年金を受け取る(銀行口座にドルで入金される)
 ● 契約した通貨建ての年金を、円で受け取る(銀行口座には円で入金される)
 ● 年金原資すべてを円に換えたあと、5年もしくは10年にわたって円で年金を受け取る 
 ● 年金を一括して受け取る

ドル建て個人年金保険も、ドル建て終身保険と同じように、円高・円安といった為替の動きによって保険料が変動し、保険金や解約返戻金の額も変わります。

外貨建て(ドル建て)養老保険

外貨建て(ドル建て)養老保険とは、養老保険のうち、保険料や満期保険金、死亡保険金などがドル建てのものをいいます。

養老保険とは、運用期間中に亡くなった場合でも、満期まで生きていても同じ金額を受け取れる保険です。死亡保障と貯蓄機能の両方を備えた保険ともいえます。

終身保険の場合は、払込期間が終わった後にそのまま一生涯の死亡保障を持つことができますし、いずれかのタイミングで解約し、解約返戻金を受け取ることもできます。

それに対して、養老保険は満期が決まっており、満期金を受け取ると保険そのものの契約が終了するため、一生涯の死亡保障を持ちたいという人には不向きな商品ともいえます。

ただし、養老保険によっては、満期保険金を据え置いて、保険会社に引き続き運用してもらえるものもあります。

特に、外貨建て(ドル建て)養老保険は満期後も高い金利で運用できるため、円建ての養老保険よりも効率的に解約返戻金を増やせます。

外貨建て(ドル建て)養老保険も、保険料や満期保険金、死亡保険金がドル建てのため、円高・円安といった為替の動きに影響されるという特徴があります。


そもそも円高・円安とは?

円高は、外貨建て(ドル建て)保険にさまざまな影響を与えますが、そもそも円高・円安とは、どのようなことをいうのでしょうか。

円高・円安とは、外国の通貨に対して日本円の価値が高いのか低いのかを表す言葉です。

外国の通貨に比べて、日本円の価値が上がると「円高」、下がった場合は「円安」といいます。

例えば、1ドル140円から1ドル130円になった場合、1ドルを得るための日本円が10円分少なくて済む=日本円の価値が上がったということで「円高」となります。

逆に、1ドル140円から150円になった場合は、1ドルを得るために10円多くの日本円が必要になった=日本円の価値が下がったということで「円安」という言い方をします。

日本円の価値は日々変動しています。一般的には、前日の為替レートと比較して「円高」か「円安」か、ということを判断しています。

また、中長期的にみて「半年前に比べて円安になった」というような言い方もします。


円高が外貨建て(ドル建て)保険に与える影響

円高が外貨建て(ドル建て)保険に与える影響としては、以下の3点があります。

 ● 円高で払込保険料が安くなる
 ● 円高で受け取る保険金が目減りする
 ● 円高で解約返戻金が目減りする

それぞれくわしく解説します。

円高で払込保険料が安くなる

外貨建て(ドル建て)保険では、円高になると払込保険料が安くなります。

例として、毎月の保険料が150ドルの場合を考えてみましょう。

以下のように、円高になると円で払い込む保険料の金額は安くなります。逆に、円安になると保険料は高くなります。

 為替レート

 円で払い込む保険料

 1ドル150円の場合

 150ドル×150円=22,500円

 1ドル160円の場合(円安)

 150ドル×160円=24,000円

 1ドル140円の場合(円高)

 150ドル×140円=21,000円


このように、外貨建て(ドル建て)保険では、毎月の保険料が一定にならず、円高・円安といった為替の動きで変動するという特徴があります。

特に、円安になると保険料が高くなり、家計を圧迫する可能性があるので注意が必要です。

一般的には、国の通貨は比較的安定した動きをすると考えられており、2021年頃までは短期間で急激な円安・円高が進むことはほとんどありませんでした。

しかし、近年は為替の急激な動きが目立ってきています。例えば、2022年から2024年7月にかけて、115円台から161円台まで一気に円安が進みました。

その後は一転して、2024年7月中旬か9月にかけて161円台から140円台まで急激な円高になっています。

このように、近年は為替の変動幅が大きくなっているため、新たに外貨建て(ドル建て)保険を検討する際は、慎重に検討することが大切です。

契約時の為替レートから前後30円ほどの動きをシミュレーションし、無理なく支払えるような保険料を設定するようにしましょう。

円高で受け取る保険金は目減りする

外貨建て(ドル建て)保険では、死亡保険金や高度障害保険金、満期金、解約返戻金などがすべて外貨建て(ドル建て)のため、円高になると評価額は減ってしまうというデメリットがあります。

例として、死亡保険金が30,000ドルのケースをみてみましょう。

 為替レート

 日本円で受け取る際の保険金額

 1ドル150円の場合

 30,000ドル×150円=4,500,000円

 1ドル160円の場合(円安)

 30,000ドル×160円=4,800,000円

 1ドル140円の場合(円高)

 30,000ドル×140円=4,200,000円


この保険の場合、10円円高になると、受け取る金額が30万円減ってしまうことがわかります。

外貨建て(ドル建て)保険は、死亡保険金や高度障害保険金、解約返戻金は大きな額になることが多いため、円高・円安で変動する金額も大きくなります。

円高で解約返戻金は目減りする

保険を解約した際に受け取るお金を「解約返戻金」といいます。外貨建て(ドル建て)保険では、解約返戻金も外貨建て(ドル建て)のため、円高になると目減りします。

円高が進んでいる場合は、日本円で受け取れる額が減ってしまうため、できれば円安のタイミングで解約するようにしましょう。


外貨建て(ドル建て)保険は円高・円安どっちがお得?

外貨建て(ドル建て)保険では円高・円安とどっちがお得なのでしょうか。保険に加入する場合と、解約する場合の2つのケースについて解説します。

外貨建て(ドル建て)保険に加入する場合

外貨建て(ドル建て)保険に加入する場合、保険料の払込方法としては、

 ● 「月払い」「半年払い」「年払い」というような「平準払い」
 ● 払込保険料全額を前払いでまとめて預ける「前期前納」

があります。払込方法によって、円高・円安で影響を受ける割合が変わります。

平準払いの場合

毎月保険料を納める「月払い」の場合は、10年以上の年月をかけて、円高の月も、円安の月も、継続してコツコツ保険料を払い込むため、払込保険料の平均為替レートは平均化していきます。

そのため、円高・円安の影響を受けにくく、どちらがお得とも言えません。

月払いの場合は、円高・円安を意識せず、継続して保険料を払い込むことを意識しましょう。

半年払いや年払いの場合は、年間の保険料をまとめて払い込むため、円高のタイミングのほうがお得と言えます。

ただし、保険料の払込時期は決まっており、円高のタイミングに合わせて払込時期を調整することはできません。

前期前納の場合

前期前納とは、払込保険料の総額を、一度にまとめて保険会社に預けておく方法のことをいいます。保険会社は、預かった保険料のから、毎年1年分を充当していく仕組みです。

前期前納では、払込期間中の保険料をまとめて支払うため、保険料の総額が100万円以上になることも多くなっており、円高・円安で大きな差が出やすくなっています。

外貨建て(ドル建て)保険の前期前納では、20,000ドル、30000ドルといった高額な保険料をまとめて払い込むケースが多いため、少ない円でたくさんドルを買える「円高」のほうがお得です。

外貨建て(ドル建て)保険の前期延納を考えている場合は、円高はチャンスと覚えておきましょう。

外貨建て(ドル建て)保険を解約する場合

外貨建て(ドル建て)保険を解約する場合は、円安のタイミングのほうが受け取る日本円は多くなります。

解約して受け取る解約返戻金はドル建てのため、以下のように円安のほうが、より多くのお金を受け取れる仕組みです。

 解約返戻金が30,000ドルの場合

 日本円で受け取る際の保険金額

 1ドル150円の場合

 30,000ドル×150円=4,500,000円

 1ドル160円の場合(円安)

 30,000ドル×160円=4,800,000円

 1ドル140円の場合(円高)

 30,000ドル×140円=4,200,000円


外貨建て(ドル建て)保険を解約する場合は、円安のタイミングがお得ということを覚えておきましょう。


外貨建て(ドル建て)保険で円高・円安の影響を減らす方法 

外貨建て(ドル建て)保険で円高・円安の影響を少しでも減らすには、どうすれば良いのでしょうか。

ここでは、外貨建て(ドル建て)保険を検討する際におさえるべきポイントについて、2つ紹介します。

無理のない保険料をシミュレーションする

外貨建て(ドル建て)保険は、自分の希望に合った保障金額や保険料を設定できます。

例えば、希望する死亡保障の金額と払込期間を決めると、自動で保険料が算出されます。

逆に、毎月の保険料と払込期間をまず設定し、それに合った死亡保障額を算出するという方法もあります。

どちらの方法でも問題ありませんが、外貨建て(ドル建て)保険を検討する際は「無理なく支払える保険料にする」ということが大切です。

例えば、毎月の保険料が150ドルの保険を、1ドル140円のときに検討している場合は、以下のようなシミュレーションを行う必要があります。

 1ドルあたりの為替レート

 払込保険料(日本円)

 170円

 150ドル×170円=25,500円

 160円

 150ドル×160円=24,000円

 150円

 150ドル×150円=22,500円

 140円

 150ドル×140円=21,000円

 130円

 150ドル×130円=19,500円

 120円

 150ドル×120円=18,000円

 110円

 150ドル×110円=16,500円


仮に、140円から170円まで40円円安になると、1ドル140円の時に比べ、払込保険料が4,500円上がります。

このように、円安になった場合でも、無理なく支払える保険料かどうかを、しっかり検討しましょう。

また、毎月のドルベースの保険料が大きくなればなるほど、変動幅も大きくなり、負担も増加してしまうため注意が必要です。

例えば、毎月の保険料が400ドルのケースでは、シミュレーションは以下のようになります。

 1ドルあたりの為替レート

 払込保険料(日本円)

 170円

 400ドル×170円=68,000円

 160円

 400ドル×160円=64,000円

 150円

 400ドル×150円=60,000円

 140円

 400ドル×140円=56,000円

 130円

 400ドル×130円=52,000円


1ドル140円から170円まで円安が進むと、毎月の保険料が12,000円もアップする計算です。

学資保険として、外貨建て(ドル建て)終身保険に加入する人も多くなっていますが、毎月のドルベースの保険料が高ければ高いほど、円安になった際の負担も大きくなることを覚えておきましょう。

解約返戻金や保険金が外貨受け取りできるものにする

外貨建て(ドル建て)保険では、円高になると、受け取る解約返戻金や死亡保険金が少なくなるというデメリットがあります。

しかし、解約返戻金や保険金を外貨のままで受け取れる保険の場合は、円に換えず、外貨のまま受け取ることが可能です。

外貨受け取り可能なケースでは、まずは外貨で受け取って円に換えずに保有し、将来円安になったタイミングで円に交換するという方法を取ることができます。

保険金や解約返戻金が、自動的に円に換えられる場合はドルを円に換えるタイミングを調整できません。

しかし、外貨受け取りが可能なものであれば、将来円安になるまでドルのまま保有することも可能です。

外貨建て(ドル建て)保険に加入する際は、外貨受け取りができるものを検討すると良いでしょう。

保険料の払込期間を長くする

外貨建て(ドル建て)保険において、円高・円安といった為替の影響を受けにくくするために、ドルベースの保険料を低く抑えるという方法もあります。

例えば、同じ死亡保障の終身保険でも、以下のように保険料の払込期間が長くなればなるほど、毎月の保険料が低く抑えられるという特徴があります。

 

 毎月の保険料(ドルベース)の例

 払込期間10年

 150ドル

 払込期間15年

 130ドル

 払込期間20年

 105ドル


同じ保障の場合は、払込期間を長くすると保険料が低くなり、円高・円安の影響を受けにくくなることを覚えておきましょう。


円高時に外貨建て(ドル建て)保険を解約する際の注意点

円高のタイミングで外貨建て(ドル建て)保険を解約する場合、円安の時よりも受け取る日本円が減ってしまうというデメリットがあります。

しかし、資金が必要である等、さまざまな理由で円高時に解約せざるを得ない場合もあるでしょう。

ここでは、円高時に外貨建て(ドル建て)保険を解約する際の注意点を解説します。

受取額のシミュレーションをする

外貨建て(ドル建て)保険を解約する際は、まずはどれくらいの日本円を受け取れるのかを事前に計算しましょう。

自分で計算しづらい場合は、保険会社のコールセンターに問い合わせると、前日の為替レートを目安にした額を伝えてくれます。

契約して10年以内に解約する場合は、解約控除という手数料がかかる可能性があるため、解約時にかかる手数料も合わせて確認することが大切です。

また、実際の解約時に適用される為替レートは、ほとんどの場合、解約申し込み書類を保険会社が受理した日の為替レートになるため、書類記入日と時差が生じます。

今後円安が進みそうな場合は、解約時期を少しでも遅らせたほうが有利な場合がありますが、逆により一層円高が進みそうな場合は、できるだけ早く解約書類を投函するようにしましょう。

ドル(外貨)での受け取り・据え置きができるか確認する

円高時に外貨建て(ドル建て)保険を解約する場合は、受け取る日本円が少なくなってしまうというデメリットがあります。

ドル(外貨)で受け取れる場合は、ドル(外貨)で解約返戻金を受け取って円に換えず、次に円安になったタイミングで円に換えるというのもひとつの選択肢です。

円高の際に解約する場合は、まずはドル(外貨)での受け取りが可能か、保険会社に問い合わせるようにしましょう。


まとめ

円高になると、外貨建て(ドル建て)保険の保険料は安くなるというメリットがありますが、逆に保険金や満期金、解約返戻金は減ってしまうというデメリットもあります。

解約返戻金に関しては、ドル建てで元本より増えていた場合でも、円高に大きく振れた場合、は円換算で元本割れしていたというケースもあるため、注意が必要です。

外貨建て(ドル建て)保険は、円高・円安といった為替の動きに、大きく影響されるため、為替変動リスクをよく理解するようにしましょう。