REITとは何?
仕組みや種類、メリット・デメリット、不動産投資との違いをわかりやすく解説
投資について調べていると、「REIT」という言葉を目にする人も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、REITとはどのような投資なのかまったく見当がつかないという人や、不動産投資との違いを知りたいという人などに対して、基本的な情報をお伝えしていきます。REITの仕組みやメリット・デメリット、選び方まで解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
・目次
REIT(不動産投資信託)とは?
REIT(リート)とは、不動産投資信託のことです。アメリカ発祥の投資信託で、正式名称は「Real Estate Investment Trust」と言います。投資信託(ファンド)は、投資家から集めた資金を使い、プロのファンドマネージャーが選んだ銘柄に投資し、得た収益を投資家に分配します。つまりREITとは、投資先が不動産の投資信託というわけです。
REITの基本的な仕組み
REITは、「不動産投資法人」という法人の形態をとっており、その不動産投資法人が発行する「投資口」を購入することで、投資ができます。つまり投資口とは、株式会社でいうところの「株式」だと考えるとよいでしょう。投資口は、通常の証券会社で購入可能です。
不動産投資法人は、不動産の取得や保有を目的とする法人ですが、自ら運用することは法律で禁止されています。そのため、実際の資産運用は「資産運用会社」に必ず委託する仕組みになっています。
<REITにかかわる会社の役割>
不動産投資法人 |
投資家から投資金、金融機関から融資などを得る。 不動産に投資。 投資不動産から賃貸収入等を受け取り、投資家に分配金を支払う。 |
資産運用会社 |
投資先の不動産を選定、賃貸条件の設定など。 リバランスや不動産の賃貸戦略、売却戦略など。 不動産の修繕計画の立案、実行など。 ※ファンドマネージャー的な立ち位置。 |
資産保管会社 |
保有している不動産の資産管理。 |
事務受託会社 |
会計や納税などの事務を担当。 |
不動産管理会社 |
建物の管理や、賃料請求、賃貸借契約などを行う。 |
不動産投資法人は、収益の90%超を分配金として投資家に支払うことで、その分を損金として扱える制度があります。これにより、法人税が実質的に課税されない仕組みになっています。そのため、株式よりも分配金(株式でいう配当金)を比較的高く設定することが可能です。
REITと不動産投資の違い
REITとは不動産投資の一種ですが、現物の不動産に直接投資するのとは、以下のような違いがあります。
|
REIT |
不動産投資 |
投資対象 |
オフィスビルや商業施設、ホテル、マンションなど |
アパートやマンションなど、主に居住用の不動産 |
必要資金 |
少額から可能 |
高額な資金が必要 |
分散投資 |
容易 |
難しい |
流動性 |
高い ※いつでも売買可能 |
低い |
不動産所有権 |
なし |
あり |
物件の管理 |
自動的に専門会社に委託できる |
自分で管理、もしくは管理会社に委託 |
利益 |
分配金や売却益 |
賃貸収入や売却益 |
REITの場合、所有しているのは投資口であり、現物不動産の所有権はありません。これが大きな違いです。不動産を購入する必要がないので、少額から不動産投資ができます。
投資口は、通常の株式などと同様、市場で好きなときに売買できるので、流動性も高いです。自分で管理する必要もないため、手間も最小限ですむでしょう。
ただし、通常の不動産とは違い、毎月定期的に家賃収入が入ってくるわけではありません。通常、年1~2回の分配金と、不動産売却の際に売却益を得られることもあります。
多額の資金を必要とせず管理の手間もないため、「あまり投資に慣れていない」「多額の資金はない」ものの、不動産に投資したいという人に向いています。
一方、現物の不動産投資の場合は、毎月の家賃収入や不動産資産を手に入れるというメリットがあります。そのほか相続税や税金対策などにも利用できるので、このような対策に興味がある人は通常の不動産投資も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
不動産投資の種類については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
REITにはどんな種類がある?
REITにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。REIT投資を始める前に、これらの違いについて理解しておきましょう。
J-REITと海外REITの違い
日本国内のREITのことを「J-REIT」と言います。日本以外の国のREIT が「海外REIT」です。特に発祥の地である米国のREITは歴史も長く、世界REIT全体の時価総額約2/3を占めます。
国・地域別REIT時価総額
|
国 |
時価総額 |
銘柄数 |
1 |
米国 |
1,698,521 |
204 |
2 |
日本 |
149,781 |
60 |
3 |
オーストラリア |
122,355 |
46 |
4 |
英国 |
109,144 |
96 |
5 |
シンガポール |
97,460 |
38 |
6 |
カナダ |
63,482 |
44 |
7 |
フランス |
56,077 |
23 |
8 |
メキシコ |
36,872 |
18 |
9 |
ブラジル |
36,188 |
483 |
10 |
香港 |
34,222 |
11 |
(注)単位:億円、2023年3月末時点
J-REITの時価総額は世界的にみると第2位ではありますが、米国の規模と比べると、1/10以下の規模です。そのほか、J-REITと海外REITの違いを簡単にまとめます。
|
J-REIT |
海外REIT |
メリット |
・情報を得やすい
|
・さまざまな国のREITに投資できる ・分散投資の効果が高め ・J-REITより利回りが高め |
デメリット |
・分散投資の範囲が限定的 ・海外REITより利回りが低め |
・個別銘柄を購入しにくい ・情報を入手しにくい ・カントリーリスクがある |
海外REITは日本よりも利回りが高い傾向にありますが、情報を入手しにくく、カントリーリスクもあります。また、個別の海外REIT銘柄を購入するのは難しく、保有するためには海外REITを組み込んだ投資信託やETFを購入するケースが多いです。
また、海外REITはJ-REITと制度も異なります。J-REITの場合は、各種の業務を外部へ委託しなければなりませんが、海外REITの場合はそのような決まりはありません。特に米国REITは、不動産投資法人が運用を行うことが主流です。
そのほか、J-REITは開発事業などの活動に制限があり、主に不動産の賃貸収益が中心となるため、比較的安定した収益を期待できます。一方、海外REIT、特に米国REITは開発や幅広い事業が可能で、ハイリスク・ハイリターンの銘柄も多いのが特徴です。利回りの良さは魅力的ですが、そのようなデメリットも覚えておきましょう。
<主な海外REITの特徴>
国・地域 |
|
特徴 |
米国 |
US-REIT |
世界最大規模を誇り、流動性も高いです。比較的情報を得やすいので、アメリカ経済や金利動向を参考に銘柄を選択し、分散投資するとよいでしょう。 |
オーストラリア |
A-REIT |
米国に次いでREITの歴史が長く、透明性や流動性にも問題ありません。不動産市場も堅調なので、安定性が高く収益性にも期待できます。 |
シンガポール |
S-REIT |
安定した政治や経済情勢と高い透明性が特徴です。比較的規模が小さいため、市場動向を把握しやすいですが、流動性がやや低いという懸念もあります。 |
ヨーロッパ(欧州) |
英国 UK-REIT |
欧州の中では最も成熟しており、透明性が高い市場です。 |
フランス |
商業不動産に強みがあり、欧州REITの中でも利回りが高めの傾向があります。 |
|
ドイツ G-REIT |
住宅REITが中心で、長期的に安定した利益を期待できます。 |
|
グローバル(全世界) |
― |
世界中の不動産に分散投資しているREIT。比較的高い配当やリスクの軽減を期待でき、インフレにも強いといわれています。ただし為替リスクやカントリーリスク、手数料などには十分注意しましょう。 |
オフィス・住宅・商業施設など投資対象の違い
REITの投資対象は、主に以下の不動産です。それぞれどのような特徴があるのか、代表的な物件について簡単にご紹介していきます。
・オフィスビル
都市部に多く、市場規模が大きな投資対象です。条件が良いオフィスビルの場合は、高い収益を期待できるでしょう。ただし、オフィスの需要や賃貸条件は景気の影響を受けやすく、賃貸借契約の期間も短い傾向があるため、安定性は高くありません。
・商業施設
都市や郊外にある、ショッピングセンター等の商業施設です。都市型はテナントの売上に賃料が連動する「変動賃料」の割合が多く、景気に左右されやすい特徴があります。郊外型の場合は、テナントが長期契約することが多いため、比較的安定した収益を期待できます。
・物流施設
倉庫といった物流施設は需要が高く、テナントの入れ替えが少ないという特徴があります。一度契約すると稼働や賃料は比較的安定していますが、契約終了後に次のテナントを見つけにくいのがデメリットです。
・ホテル
郊外型の商業施設と同じく、テナントの営業成績によって賃料が変わる「変動賃料」の割合が高く、景気や観光産業の動向に左右されやすいといえます。安定性よりも収益性が高い投資対象です。
・住宅
主にマンションといった個人が居住する住宅は、一般的に景気の影響を受けにくいです。安定的な収益を期待できると言われています。ただしローリスク・ローリターンの傾向があるため、大きな収益は期待できません。
・ヘルスケア
高齢者向けのシニア住宅や老人ホームなどが対象です。景気に左右されにくく、ニーズが高いため高利回りも期待できます。ただし、保険や介護などの政策の影響を受けやすく、不安定な面もあります。
投資対象となる不動産によって、収益や特徴は異なります。収益性が低い物件であれば、大きな分配金は期待できません。収益性と安定性、どちらを重視するのかによっても、投資対象とするべき物件は変わってくるので、ぜひ覚えておいてください。
単一用途特化型・複数用途型・地域特化型の違い
投資する対象物件は、一つとは限りません。複数の物件に投資するREITもあります。それらの違いについてもご紹介していきます。
・単一用途特化型
ひとつの用途に限定して投資するのが、単一用途特化型です。上記でご紹介した不動産の種類のうち、どれか1種類のみに投資します。専門的な運営が可能になり、値動きが予測しやすく、大きな収益も期待できます。ただし、リスクの分散が難しいのが難点です。
・複数用途型
複数用途型では、用途が異なる複数の不動産に投資します。さらに2種類の用途であれば「複合型」、3種類以上の場合は「総合型」と分類されます。複数用途型はリスクを分散できるというメリットがありますが、リターンの期待値が下がるため、大きな収益は期待できないかもしれません。
・地域特化型
不動産の用途ではなく、地域に限定して投資するのが地域特化型です。地域を限定することでコストを抑え、効率的に運用します。投資対象になるのは、地方都市の不動産が多いです。
「REITファンド」と「REIT ETF」の特徴
そのほか知っておきたいのが、「REITファンド」と「REIT ETF」です。
・REITファンド
個別のREIT銘柄ではなく、REITを対象とした投資信託のこと。複数のREITを所有できるため、リスクの分散が可能です。購入手数料のほか、信託報酬が発生します。証券会社のほか、郵便局や銀行などの金融機関でも取り扱っている場合があります。
・REIT ETF
「ETF」とは上場している投資信託のことです。つまりREIT ETFとは上場している投資信託(ファンド)のことで、売買手数料のほか信託報酬も発生します。ファンドよりも信託報酬は比較的安い傾向にあり、株式と同じように価格を確認しながら売買のタイミングを計ることが可能です。
REITファンドとREIT ETFのメリットは、複数のREITに投資できることです。東証REIT指数という、日経平均株価のREIT版のような指数に連動するREITファンド(REIT ETF)に投資すれば、ひとつで国内のJ-REITほぼすべてに投資しているのと同じ効果を期待できます。
個別銘柄のREITを選ぶ自信がない場合は、このような方法があることも覚えておいてください。特に初心者にはおすすめです。
また、海外REITは個別銘柄を購入するのが難しいため、REITファンドやREIT ETFで投資するとよいでしょう。ただし、この場合は購入を希望している銘柄以外にも、複数の銘柄が組み合わさっているので、事前に中身をよく確認してみてください。
REIT投資のメリット
REITには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか、わかりやすくご紹介していきます。
管理や運営をプロに任せられる
現物の不動産に投資しようとすると、単に購入するだけでなく、不動産の建物管理や賃貸管理などが必要です。しかしREITであれば、そのような管理や運営の手間をかけることなく、不動産に投資できます。
少額から投資できる
現物の不動産を購入するには、多額の資金が必要です。手元に資金がない場合はローンを組むことも可能ですが、資金面での負担が多いことには変わりありません。しかしREITであれば、個別銘柄なら数万円から、REITファンドの場合は数百円から投資できる場合もあります。
手軽に不動産投資ができるのは、REITの大きなメリットでしょう。
比較的利回りが高い
J-REITの場合、法人税が課されないためには、収益の90%以上を分配金に回す必要があります。つまり、収益の大部分が分配金になるため、利回りが比較的高くなりやすいです。REITの平均利回りは、3%~5%と言われており、高配当だといえるでしょう。
分散投資でリスクを軽減
分散投資はリスクを下げるうえで基本的な手段ですが、不動産投資の場合、複数の物件を持つことは難しいです。しかしREITであれば少額から投資できるため、複数の銘柄を所有して分散投資ができます。またそもそもREITファンドであれば、自動的に分散投資と同じ効果を期待できるでしょう。
流動性が高く換金しやすい
現物の不動産を売買しようとすると、ある程度の時間がかかります。しかしREITであれば、株式と同じように市場で自由に売買が可能です。すぐに換金が可能な、流動性の高い資産といえるでしょう。
インフレに強い
不動産の価値や賃料は、物価に連動する傾向にあります。そのため、REITを含めた不動産投資は、インフレリスクに強いといわれています。インフレ時には、分配金が上がる可能性もありますし、売却した場合は高い収益率を期待できるでしょう。
※ただし、デフレ時や金利上昇局面には不利になることもあります。
REIT投資のデメリットと注意点
一方、REITのデメリットとはどのようなものか、こちらもご紹介していきます。
元本保証はなく、景気や不動産市場の影響を受ける
REITには元本保証がなく、景気や不動産市場の動向によって価格が変動します。賃料が下がって収益が少なくなれば、分配金も少なくなります。必ずしも安定した利益を得られるわけではありません。
特に景気の影響を受けやすい不動産に投資しているREITの場合は、注意が必要です。分散投資を心掛けるなど、できるだけリスクに備えましょう。
そのほか、REITは株式などと同じように、市場で自由に売買が可能です。そのため、需要によって価格が下がることもあります。
災害リスクと不動産価値の下落リスク
REITで投資している不動産が、地震や台風、火災や水害などの災害に見舞われた場合、物件の価値が下がるリスクがあります。またこのような災害が起こった場合、修繕費用が増加するうえ、稼働率が下がる可能性が高いです。
災害リスクに備えるにも、投資する不動産の立地条件や災害履歴、耐震性能などを事前にしっかり確認しておきましょう。また、保険の内容や適用範囲も、よく確認が必要です。
運用する投資法人の破綻リスク
REITを運営する不動産投資法人が、経営破綻をするリスクも考えられます。もし不動産投資法人が倒産したり、上場を廃止したりした場合、REITの価値が下がってしまいます。希望する価格での取引が、難しくなるかもしれません。
税制上のデメリット(配当控除が使えない)
REITの分配金は株式の配当金と似ていますが、税制上は「配当等に類する分配金」として扱われます。そのため、株式の配当で使える「配当控除」の対象外となっています。
配当金は法人税を支払ったあとの利益から分配されているため、これに所得税が発生すると、利益から二重に税金が課されることになります。そのような事態を避けるための措置が、配当控除です。
しかしREITの場合は事実上、法人税が免除されているため、この措置を受けられません。配当控除の対象にすると、法人税と所得税の二重優遇となるためです。
REITを選ぶポイント
REITの仕組みやメリット、デメリットを理解し、より興味を持った人も少なくないのではないでしょうか。実際にREITへの投資をする場合、どのような点に注意して選べばいいのかをご紹介していきます。
REITの種類はどうするか
REITには、さまざまな種類があることはすでにご紹介した通りです。REIT投資をする場合、まずはどの種類のREITにするか考えなければなりません。
<種類を選ぶポイント>
- 個別REIT or REITファンドor REIT ETF
- J-REIT or海外REIT
- 対象不動産の種類
- インデックス型orアクティブ型
個別REITにするか、REITファンド、もしくはREIT ETFにするかは大きな違いになります。これは、株式投資にするか投資信託にするかの選択に似ています。
個別銘柄を選ぶ知識がある場合は個別REIT、あまり選ぶ自信がない人や初心者には、REITファンドかREIT ETFがおすすめです。先ほどもご紹介しましたが、東証REIT指数に連動する投資信託にすると、すべてのJ-REITに投資するのとほぼ同じような効果を期待できます。
そのほか、国内のJ-REITにするのか、それとも海外REITにするのかも選考ポイントです。海外REITを選ぶ場合、どこの国にするのかも考えましょう。J-REITに比べるとリスクが高い商品もあるので、注意が必要です。
投資対象の不動産については本記事で特徴をご紹介しているので、どのタイプの物件がご自身の投資スタイルに合っているのか、ぜひ参考にしてみてください。
また、インデックス型なのかアクティブ型なのかも選ぶポイントになるかもしれません。インデックス型とは、指標に連動する動きをするタイプで、アクティブ型とは指標以上の成績を目指すタイプです。
利回りや分配金をチェック
利回りや分配金がどれくらいになるのかも、確認しておきたいポイントです。REITにおける利回りは、1年間で受け取った分配金を投資額で割れば計算できます。
REITの平均利回りは3%~5%と言われており、株式よりも高くなる傾向があります。特に海外REITなど、もっと利回りがよい商品もありますが、リスクも相応に高くなる場合も少なくありません。利回り以外の情報もよく確認してから選択してみてください。
手数料やコストを確認
金融機関や保有するREITの種類によって、発生するコストは異なります。売買手数料がかかるのか、またそのほかにかかるコストはあるのかも確認しておきましょう。REITファンドやREIT ETFであれば、信託報酬が発生します。
またREITの価格が割安かどうかは、「NAV倍率」を確認すればわかります。NAV倍率とは、REITの1口あたりの価格が1口当たりの純資産の何倍かを表す指標です。低いほど割安で、1倍以上の場合は割高と判断されます。
格付けや時価総額で安全性を見極める
収益やコストを確認したあとは、安全性にも気を配りましょう。格付けや時価総額などを確認するのがおすすめです。
格付けは、財務状況や運用状況を評価したもので、「AAA」が最高評価、「D」はデフォルトが疑われる最低評価です。格付けが高いほど安全性が高く、特にAA以上の銘柄は日銀の買い入れ対象となるため、信用度が高いといえるでしょう。
時価総額が高い銘柄は、流動性が高く安定している傾向があります。必ずしも安全とは言えませんが、リスクはあまり高くないと考えられます。そのほか、過去の運用実績や不景気時に実施された施策なども確認できると、さらに安心できるかもしれません。
REITに関するよくあるQ&A
最後に、REITに関するよくある質問をご紹介していきます。気になる質問があれば、回答を確認してみてください。
REITの始め方は?
個別銘柄のREITやREIT ETFを購入できるのは、証券会社です。REITファンドであれば、銀行や郵便局で取り扱っていることもあるので、確認してみてください。
REITの始め方について、基本的な流れは以下の通りです。
- 証券会社を選んで口座を開設する
- 口座に入金する
- 銘柄を選んで購入する
証券会社には、店舗を構えた対面タイプとネット証券があります。直接アドバイスを受けたいなら対面式、手数料を安く抑えたいならネット証券がおすすめです。アドバイスに力を入れているネット証券もあるので、一度調べてみてはいかがでしょうか。
REITはいくらから投資できる?
REITファンドであれば、100円程度から投資が可能なものもあります。REIT ETFは1,000円から、個別のREITであれば数万円からという場合が多いです。
REITの種類 |
購入場所 |
最低購入金額 |
個別銘柄 |
証券会社 |
数万円~ |
REIT ETF |
証券会社 |
1,000円~ |
REITファンド |
証券会社・銀行など |
100円~ |
種類やファンド、証券会社などによって最低金額やコストも異なります。上記の表は目安としてとらえておいてください。
初心者でも失敗しない?リスク管理のコツ
REITは投資の一種で元金保障はされないので、絶対に失敗しないという保障はありません。ただし、リスクを下げることは可能です。
たとえば複数のREITを保有したり、REITファンドを購入したりすれば、分散投資となりリスクを下げられます。また、収益性よりも安定性のある不動産やファンドを選べば、リスクを最小限に抑えられるでしょう。
特に大切なのは、自分が理解できない仕組みのファンドには手を出さないということです。利回りは高いけど、リスクが相応に高いとなれば、損失を被る可能性もあります。どのような不動産に投資しているのか、利回りの高さやリスクの程度はどうなのか、必ず事前に確認しましょう。
また、「一度に高額を投資しない」「余剰資金で投資する」なども、投資のリスクを抑えるための鉄則です。
REITはNISAやiDeCoで購入できる?
NISAやiDeCoは、どちらも税制上の優遇制度です。通常、投資で得た利益には20.315%の税金が発生しますが、NISAやiDeCoで運用している場合は非課税になります。
REITはNISAやiDeCoでも購入することが可能なので、できるだけ利用したい制度です。ただし金融機関によって、NISAやiDeCoで購入できる商品は異なります。REITを取り扱っていない金融機関で口座を開設した場合は購入できなくなるため、注意してください。
また、希望する銘柄やREITファンドがある場合は、口座開設を予定している金融機関で取り扱いがあるか、必ず事前に確認しましょう。
まとめ
REITは不動産投資信託のことで、個別銘柄だけでなくREITファンドやREIT ETFなどの種類があります。投資先の不動産はオフィスビルや商業施設、住宅などさまざまで、複数の不動産に投資するものや海外のREITなどもあり、選択肢は豊富です。
REITは少額で始めることができ、比較的利回りが高いというメリットもありますが、必ずしも収益が安定しているわけではありません。またREITの種類によって特徴が異なるので、事前によく理解して購入することが大切です。特に海外REITの場合は、日本のJ-REITとは仕組みが違う場合もあるので、注意してください。
個別銘柄を選ぶ自信がない人や初心者は、REITファンドやREIT ETFを選ぶと、自動的に分散投資の効果を期待できるのでおすすめです。まずはどのような種類があるのか、調べてみてはいかがでしょうか。
