不動産投資のリスク11選|失敗する人の共通点と回避策を初心者向けに解説
不動産投資は「安定収入が得られる資産運用」として人気がありますが、一方で「危険」「やめとけ」といった声があるのも事実です。実際に、不動産投資には空室・家賃下落・金利上昇など、さまざまなリスクが存在します。これらを正しく理解せずに始めてしまうと、損失につながる可能性もあります。
そこで本記事では、不動産投資の代表的なリスクや失敗事例、初心者向けの回避方法、物件選びのポイントなどを網羅的に紹介します。「これから不動産投資を始めたい」「リスクを知ってから判断したい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
・目次
不動産投資とは
不動産投資とは、マンションやアパート、ビル、商業施設などの不動産を所有し、貸し出すことで入居者から家賃収入を得る投資手法です。また、購入した不動産の価格が上がれば、売却して売却益を得られます。
不動産投資の主な種類
不動産投資の対象となるのは、初心者が挑戦しやすい区分マンションからビル一棟、駐車場などさまざまです。主な不動産投資の種類と特徴を簡単にご紹介します。
区分マンション | マンションの一戸(または複数戸)を所有し、賃貸物件として貸し出す方法。会社員でも比較的手を出しやすいと言われている。 |
マンション・アパート | マンションやアパートを一棟まるごと所有して、家賃収入を得る方法。高額な資金が必要な一方、得られる利益も大きくなる。 |
戸建て | 新築・中古問わず、戸建ての不動産を所有して貸し出す方法。立地によっては需要が多い。 |
ビル一棟 | 事務所や店舗などテナントが入る商業ビルが対象。ハイリスク・ハイリターンのため、初心者向きではない。 |
民泊・シェアハウス | 家や部屋を宿泊施設として貸し出し、宿泊費を得る手法。手間はかかるが、通常の賃料よりも利益を得られる可能性がある。 |
工場・倉庫 | 事業者向けに工場や倉庫を貸し出す方法。利回りが高く、長期的な契約になりやすい傾向がある。 |
トランクルーム | 収納スペースを貸し出す方法。人口が密集している都市部の需要が高い。ランニングコストが低め。 |
駐車場 | 土地を駐車場として貸し出す方法。月極とコインパーキングの2種類がある。初期費用や管理の手間が少ない傾向にある。 |
REIT | 不動産を対象とした投資信託のこと。実際の不動産を所有するわけではない。 |
不動産の種類について詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。それぞれの特徴やメリット・デメリットまで詳しく解説しています。
不動産投資はやめたほうがいいと言われる理由
「不動産投資は危険」「やめとけ」という意見を聞いたことはないでしょうか?なぜこのような意見があるのかというと、投資額が比較的高額で、さらにさまざまなリスクがあるからと考えられます。実際に「不動産投資の9割は失敗する」という話もあるほどです。
しかし、これらの失敗は事前に対策しておけば回避できるものも少なくないとも言われています。重要なのは、デメリットやリスクを正しく理解し、対策しておくことです。過剰に恐れる必要はありませんが、正しく行動する必要があります。
リスクの内容や対策方法は後で解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
不動産投資のメリット
リスクの前に、不動産投資のメリットについて触れておきます。不動産投資には、利益を得られること以外にもメリットがあります。
収益を得られる
主なメリットは当然、収益を得られるということです。収益には、家賃収入である「インカムゲイン」と、売却したときの「キャピタルゲイン」の2種類があります。
- インカムゲイン
貸し出している不動産から得られる家賃収入で、借り手がいる限り、毎月安定した収益を得られます。借り手がいなければ収益は発生しません。また、市場の変化により家賃の金額が下がる恐れもあります。
- キャピタルゲイン
不動産の購入時よりも価格が高いタイミングで売却すると、売却益を得られます。この売却益はキャピタルゲインとも呼ばれます。不動産投資は、毎月インカムゲインを得ながらキャピタルゲインも狙える投資手法です。
ただし、これらの収益は必ずしも発生するわけではありません。借り手がいなければ家賃収入はありませんし、買ったときよりも価格が高くならなければ売却益は得られません。しっかり収益が発生しそうな物件を選ぶことが重要です。
インフレ対策になる
不動産は現物資産のため、インフレ対策に適しています。インフレとは、物価が上昇することでお金の価値が下がる現象です。
たとえば現金で100万円を持っている場合、現時点において100万円の価値があるものを購入できます。しかしインフレが進んで100万円のものが105万円になれば、もはや現金100万円では購入できません。
このように、現金は非常にインフレに弱い資産です。しかし不動産の価格は物価とともに上昇する傾向にあるため、たとえば現在1,000万円の不動産はインフレとともに1,050万円に上昇する可能性があります。つまり、資産の価値は下がりにくいということです。
※市場状況によっては下落することもあります。
インフレの勢いが収まりそうもない昨今では、インフレ対策になる資産を持つことが重要です。不動産投資は、その選択肢のひとつとなるでしょう。
節税になる
不動産の収益は、ほかの収益と「損益通算」が可能です。たとえば副業で不動産投資を行った場合、不動産の購入費を考慮すると収益がマイナスになることがあります。このマイナス分は本業で得る給与所得から差し引くことができます。これが損益通算です。
所得税や住民税の額は所得に応じて変化するため、所得が少なくなれば納める税金の額も少なくなります。不動産の購入費は減価償却費として数年にわたって消化されるため、この間は損益通算することで税金を抑えられる可能性があるでしょう。
保険の代わりになる
不動産の購入にローンを利用する場合、「団体信用生命保険(団信)」に加入することがほとんどです。この保険は、ローン契約者が死亡したり高度障害になったりした場合に、ローンを帳消しにしてくれます。
不動産投資を行っている契約者が亡くなった場合、遺された遺族はローンの支払いをすることなく不動産と毎月の家賃収入を得られるため、保険代わりとして活用することも可能です。
相続対策になる
不動産は、現金や預金よりも相続税評価額を低く抑えられます。1億円の現金や預金はそのまま1億円の評価になりますが、実勢価格で1億円の不動産の評価額は、1億円より低くなります。
土地の場合は実勢価格の80%程度、建物は60~70%程度と言われており、また賃貸物件の場合はさらに評価額が下がります。
そのため、現金ではなく不動産で資産を持っておくと、相続税を少なくすることが可能です。そしてその不動産を貸し出していると、さらに相続税の減額につながります。
このように不動産投資にはさまざまなメリットがあります。また目的に応じて適した不動産も異なるため、まずは不動産投資の目的を明確にしておきましょう。
不動産投資のメリットについてもっと詳しく知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。
不動産投資のリスク11選|初心者が知るべき危険性と対策方法
続いて、不動産投資のリスクを詳しくご紹介していきます。リスクに対する対処法も併せて確認していきましょう。
空室リスク
不動産投資の大きなリスクは、空室になることです。借り手がいなければ収益は発生しません。収益がなければ、ローンの返済や管理費などの経費は自分のお金から支払うことになります。
空室の期間が長ければ長いほど経費の負担が大きくなり、赤字経営になる恐れが高くなります。できるだけ空室にならないようにするには、物件選びが重要です。そのほか、空室リスクへの対策は以下の方法を参考にしてみてください。
【対策方法】
- 賃貸需要が高い立地を選ぶ
- 地域のニーズに合った物件を選ぶ
- 入居者獲得に強い管理会社を選ぶ
- サブリース(家賃保証)を利用する
物件の選び方についてはのちほど詳しくご紹介しますが、需要がある物件を見極めることが大切です。また、積極的に行動してくれる管理会社を選ぶ必要もあります。空室リスクを軽減するにはサブリース契約を結ぶという方法もありますが、契約の内容はしっかり確認しましょう。
家賃下落リスク
家賃は、不動産の状態や家賃相場によって変動することがあります。不動産の築年数が長くなれば老朽化が進み、需要も低下します。地域の人口が減って賃貸需要が減少することも考えられるでしょう。
需要の低下による空室を避けるためには、家賃を下げるという対処が必要になるかもしれません。できるだけ家賃の下落を避けるためには、以下の対処方法が有効です。
【対策方法】
- 需要が落ちにくい立地を選ぶ
- リフォームやリノベーションを行って価値を担保する
- 建物の管理をしっかり行う管理会社を選ぶ
家賃が下がる原因は、端的にいうと需要が下がるためです。下がる原因は建物の老朽化や需要の低下なので、そもそも需要が落ちにくい立地を選ぶことをおすすめします。またリフォームやリノベーションを行って建物の価値を高めるのもよいでしょう。そのほか、老朽化を遅らせるために補修などの管理を管理会社がこまめに行っているかも確認ポイントです。
家賃滞納リスク
家賃を滞納されるのもリスクのひとつです。空室リスクと同様、収益が入ってこないためコストが膨らんでしまいます。また空室よりも厄介なのが、家賃を滞納しているからといってすぐに入居者を退去させられないということです。入居者を退去させるには法的な手続きが必要で、時間もお金もかかります。
新しい入居者を探すには、滞納している借り手を退去させなければならず、ハードルが高いです。このように家賃を滞納されてからでは対処が難しいため、事前の対策が重要になってきます。
【対策方法】
- 家賃の保証会社を利用する
- 入居審査を厳しくする
- 連帯保証人を付けてもらう
- 管理会社と連携して迅速に動く
家賃滞納には、リスクが発生してからではなく事前の対策が重要です。保証会社や連帯保証人を付けたり、入居審査のハードルを上げたりして、できるだけ家賃の滞納が起きないよう対処しておきましょう。
金利上昇リスク
金利上昇リスクとは、不動産投資用ローンの金利が上がることです。ローンには固定金利と変動金利がありますが、変動金利の場合はローンを組んでいる長い期間の中で、金利が上がるかもしれません。金利が上がると返済額も増えるため、利益が圧迫されたり赤字になったりする可能性があり、注意が必要です。
特にここ数年は長い低金利時代を抜けて、金利が上昇する傾向にあります。不動産投資用ローンを借りる場合は、将来的に金利が上がることも考慮し、無理な金額を借りないように注意しましょう。
【対策方法】
- 自己資金を増やして借入金額を減らす
- できるときに繰り上げ返済をする
- 無理のない返済計画を立てる
- 借り換えを検討する
できるだけ借入金を減らしたり、繰り上げ返済をしたりすることで、ローンの負担を軽くできます。また、借りるときに楽観的な返済計画を立てるのではなく、現実的に無理のないよう計画することが大切です。
修繕・老朽化リスク
築年数が経てば、老朽化が進んで修繕が必要です。外壁や屋根、給水管、排水管、キッチン、洗面台、浴室、フローリング、ボイラーなど、さまざまな部分を修繕しなければならないでしょう。
集合住宅で修繕積立費を支払っている場合でも、大規模改修の際には追加で費用が発生する可能性がありますし、部屋の内部の修繕費も発生します。思いがけず高額な費用がかかることもあるかもしれません。
【対策方法】
- 修繕費用を積み立てておく(修繕費を考慮した資金計画を立てる)
- 修繕ノウハウがある管理会社に依頼する
修繕費がかかることは、事前にある程度は把握できます。発生した利益から修繕費を着実に積み立てるなど、修繕費を考慮した資金計画を立てましょう。
災害リスク(地震・火災・台風など)
地震や火災、台風など、自然災害によるリスクもあります。災害規模によっては非常に大きな被害が発生することも考えられます。建物が倒壊したり、地盤沈下が発生したりすると、不動産投資を続けられなくなるかもしれません。
しかし、日ごろの備えでリスクを軽減できる可能性もあります。災害は仕方がないと諦めるのではなく、できるだけ事前に対策しておきましょう。
【対策方法】
- 火災保険や地震保険に入る
- 耐震性に優れた物件を選ぶ
- 耐震補強工事を行う
- ハザードマップを確認して、リスクが低い立地を選ぶ
- 複数の不動産を所有する場合は、立地を分散させる
災害はいつどこで発生するかわかりません。だからこそ、万が一のための保険に入っておくことをおすすめします。また、耐震性に優れている物件を選ぶことや補強工事も有効でしょう。予めハザードマップを確認してリスクが高い立地を避ける、複数の不動産を所有する場合は離れた場所を選んでリスクを分散するといった対策も有効です。
不動産価格下落リスク
不動産の価値が下がると、売却益は期待できません。購入時よりも売却時の価格が下がってしまうのが、不動産価格下落リスクです。
参考までに、不動産価格の推移をご紹介します。
2010年代後半~2020年代にかけて不動産の価格は上昇している傾向がありますが、今後の動向はわかりません。また、都市部の不動産は価格が上昇していても、地方の物件によっては下落している場合もあるので注意が必要です。
【対策方法】
- 土地の価値が下がらない物件を選ぶ
- 賃貸需要が変わりにくい物件を選ぶ
不動産の価格が下がりにくい物件とは、つまり需要がある物件です。駅から近い、周辺の環境が良いなど好立地の物件は価格が下がりにくいでしょう。また、賃貸需要がある立地も不動産価格が落ちにくいと言われています。
売却できないリスク
不動産は価格が下落するリスクもあれば、売却できないリスクもあります。入居者が見つからず売却したいと思っても、タイミングよく売れるとは限りません。家賃収入がないまま、コストだけが発生する物件を所有するリスクがあるということです。
【対策方法】
- 需要がある不動産を選ぶ
- きちんと管理をして価値を保つ
- 出口戦略を描いておく
売れないリスクを避けるためには、やはり物件選びが重要です。需要がある不動産の買い手は見つかる可能性が高いので、最初の物件選びを慎重に行いましょう。また、できるだけ不動産の管理をしっかり行い、価値を落とさないことも重要です。
売れない不動産の特徴もご紹介するので、参考にしてみてください。
<売れない不動産の特徴>
- 郊外の物件
- 築年数が古い物件
- 借地権物件
- 再建築不可物件 など
物件の瑕疵リスク
「瑕疵(かし)」とは、不動産物件の欠陥のことです。売却した不動産に瑕疵が見つかった場合、売主が責任を負って賠償しなければなりません。
<責任を負う瑕疵の例>
- 雨漏り
- シロアリ被害
- 土壌汚染
- 配管や電気設備の不具合 など
売却した物件に瑕疵が見つかった場合、売主は賠償金や修繕費を支払う必要があります。売却時に弁償が発生しないよう、注意しなければなりません。
【対策方法】
- 物件状況確認書を確認する
- ホームインスペクションを実施する
- 物件管理をしっかり行う管理会社を選ぶ
物件状況確認書は物件の状態を知らせるための書類です。作成に関して法的な義務はありませんが、売主は買主に物件の情報を告知する義務があるので、たいてい用意されています。ホームインスペクションとは、専門家による住宅診断のことです。専門家に詳しく見てもらうことで、より安心感を得られます。購入するときに瑕疵物件を掴まないためにも、事前に物件の情報をよく確認しましょう。また、不動産の瑕疵を防ぐには、日ごろの適切な管理が大切です。
投資額が高額になるリスク
不動産投資は、株式投資や投資信託などの投資手法と比べると、高額な資金が必要です。購入費だけでなく、以下のような諸費用が発生します。
- 固定資産税、登録免許税、都市計画税、印紙などの税金
- 不動産仲介やローンの手数料
- 火災保険料、地震保険料
- 修繕費
- 管理費 など
【対策方法】
- 資金計画を事前にしっかり立てる
- 専門家に相談する
不動産投資に慣れていない場合、想定していなかった費用が発生することもあるでしょう。そのため、不動産投資に精通した専門家に、事前に資金計画を相談してみてもよいかもしれません。
不動産会社・管理会社のリスク
不動産会社や管理会社のリスクとは、不動産投資のパートナーともいえるこれらの会社に関するリスクです。たとえば、物件を紹介する不動産会社は信頼できるか、また実際の運営を行う管理会社に問題はないかなど、慎重に見極める必要があります。
物件を選ぶにあたっては、不動産会社が信用のおける情報を提示しているか、無理な資金計画を提案してこないか、売却を見据えた出口プランを提案しているかなどを確認しましょう。
また、管理会社は入居者募集や家賃の管理、建物の管理など実際の運営に大きく関わります。サービスの質が悪いと、空室リスクや家賃滞納リスクなどほかのリスクにもつながるかもしれません。また、倒産するリスクも考えられます。サービス内容や実績だけでなく、経営状況なども確認しておくと安心です。
【対策方法】
- 複数の会社を比べてみる
- 実績やサービス内容、経営状況を確認する
- 信頼できる担当者を探す
不動産投資にはさまざまなリスクがありますが、事前に対策しておくことで回避できるものも少なくありません。事前の準備が大切なので、過度に恐れずに対処しましょう。
不動産投資の失敗事例|よくあるパターンと原因
続いて、実際に起こった不動産投資の失敗例をご紹介します。同じ過ちをしないよう、なぜ失敗したのか確認してみましょう。
空室リスクを甘くみた
空室リスクを甘くみた失敗は少なくありません。たとえば、以下のような状況です。
- 立地に問題があったのに、利回りだけで判断してしまった
「利回り10%」という高利回りに惹かれ、駅から徒歩25分・築20年のアパートを購入。しかし物件は人口減少エリアに該当しており、需要そのものが減ったことに加え、駅から遠く古い物件というのがネックとなり、購入後2年で半分以上が空室に。
- 競合物件を考慮していなかった
「人気エリアだから問題ないだろう」と思っていたら、競合物件が多すぎて空室になってしまった。
対策をしていても、空室になることはあるでしょう。物件の稼働は、90~95%を目安に予定を立ててみてください。
新築物件を購入して数年後に家賃が下落
家賃の下落は、新築物件を購入したときに発生することが多いです。
- ワンルームマンションの家賃の例
新築時:10万円 → 購入2年後:8万円 → さらに数年後:7万5千円
新築のワンルームマンションを購入して2年ほどは高い家賃を確保できていたものの、次第に家賃を下げなければ入居者が見つからないという状態に。家賃が下がってもローン返済額は変わらず、また新築時には安かった管理費や修繕積立費が年々高くなり、ついに収支はマイナスになってしまったという失敗事例です。
新築時は「新築プレミアム」として家賃を多少高く設定できても、その価格は長続きしないかもしれません。家賃が周辺相場よりも高ければ、入居者は見つからないからです。不動産会社の想定家賃を鵜呑みにしていると、思ったよりも空室が出たり家賃が下がったりするかもしれません。
「新築物件は高い家賃を期待できる」のは最初だけなので、その後の家賃下落は想定しておきましょう。
中古物件の修繕費用が多くかかってしまった
中古物件は、修繕費が思ったよりも高額になることで失敗することがあります。
- 築20年以上の木造アパート(全6室)の一棟買い
購入時は満室で、利回りも11%と非常に高金利で魅力的な物件でした。しかし購入後に屋根の雨漏り・シロアリ被害・給排水管の老朽化などといった問題が発生し、数百万という高額な修繕費が必要に。すぐに修繕費を用意できず対応が遅れた結果、退去者が相次いでしまい、収支は大幅な赤字になってしまいました。
中古物件は新築物件に比べて比較的価格が安く設定されており、高利回りをうたっているものも少なくありません。しかし修繕のリスクは高くなります。ご紹介したケースではホームインスペクションを行っていなかったため、事前にこれらの問題に気づけませんでした。このように利回りの高さだけに注目してしまうと、思わぬリスクに遭遇することがあるので注意しましょう。
諸経費の見通しが甘く収支がマイナスに
「家賃10万円」に対し、「ローン返済額が6万円」という数字だけを見て、問題ないと判断した結果、収支がマイナスになってしまった例をご紹介します。
ローン返済のほか、マンションだったため「管理費1.5万円/月」「修繕積立費1万円/月」が発生します。そのほか固定資産税が年間で12万円(月1万円)、火災保険料が年間1.2万円(月0.1万円)発生するので、月額の収支はわずか0.4万円です。
(家賃収入10万円)-(ローン返済額6万円)-(管理費1.5万円)-(修繕積立費1万円)-(固定資産税1万円)-(火災保険料0.1万円)=0.4万円
さらに入居者が退去すると、原状回復費用が発生します。新たな入居者を募集するには広告費もかかりますし、入居者が決まるまでは家賃収入もありません。
不動産会社から提示される「利回り」は、諸経費やリスクを考慮していない「表面利回り」であることが多いです。キャッシュフローを考えるときは、ローン返済額だけでなくこのような諸経費やリスクに対する資金、修繕費などを考慮しなければなりません。
節税目的のはずがキャッシュフローはマイナスに
「節税になる」と言われて不動産投資を始めたものの、キャッシュフローがマイナスになってしまうケースもあります。
この場合、所得税や住民税は安くなるかもしれませんが、常に収支がマイナスになってしまえばあまり意味がありません。また、不動産投資をしていた会社員が海外赴任になってしまい、節税メリットがなくなったという例もあります。日本の会社からの給与が「国外源泉所得」となった場合、不動産所得との損益通算はできないので注意しましょう。
不動産投資で節税できるという側面はありますが、あくまでも副次的なメリットです。まずは物件そのものが収益を生めるかどうかを重視しましょう。
サブリース契約でのトラブル
サブリース契約は、契約時の家賃から下落するというトラブルが多いです。
- 「家賃90%を保証」という内容だったものの、その後に家賃が下落してトラブルに
サブリース契約には「経済情勢の変化などにより賃料の見直しができる」といった賃料見直し条項が付いていることが少なくありません。この条項に基づき、契約時より保証される家賃収入が低くなるというトラブルが多く見受けられます。
サブリース契約は、免責期間(家賃が保証されない期間)がある場合もあります。そのほか、オーナーに不利な条件が付いていることもあるため、契約内容は事前によく確認しましょう。
不動産投資で失敗しない物件の選び方
不動産投資のリスクを避けるには、物件選びが重要であることは理解されたかと思います。ではどのような物件を選ぶべきなのか、選び方のポイントをご紹介していきます。
投資目的や資金を明確にする
不動産投資を行うなら、まずは目的を明確にしましょう。月数万円の副収入を得たいのか、将来に向けて資産を作りたいのか、目的によって選ぶべき物件は異なります。
また、投資に費やせる資金によっても物件は変わってくるでしょう。融資を受けられるといっても、高額すぎるローンを組むと破綻する可能性が高くなります。ご紹介した通り、不動産投資を行う場合、物件の購入費だけでなく維持費にもコストが発生します。空室リスクや家賃下落リスクなどにも備えなければなりません。
不動産会社に「大丈夫」と言われても、自分でしっかりキャッシュフローを考えてみましょう。無理な投資は失敗する傾向にあります。不動産投資を行うなら、まず初めに目的と資金を明確にしてから該当する物件を選んでいきましょう。
立地を重視する
不動産投資を行うにあたって、物件の立地は非常に重要です。あとから改善することが難しい条件なので、慎重に選びましょう。人気がある立地であれば、多少築年数が古くても空室リスクを抑えられますし、売却もしやすいです。
<好ましい立地条件の例>
- 駅から徒歩7分以内(できれば5分以内。遠くても10分以内)
- 周辺環境が良い(コンビニやスーパー、飲食店、商業施設、病院、学校などが近くにある)
- 人口が増加している(少なくとも減少していない)
このほか、開発予定がある場所は好立地と考えられます。
表面利回りではなく実質利回りを確認する
利回りは表面利回りではなく実質利回りを確認し、実際の利益率がどれくらいになるか確認しましょう。
- 表面利回り:年間の家賃収入を物件価格で割って算出する利回り。
- 実質利回り::購入時や運用中のコストも加味した利回り。実際の収益に近い。
- 想定利回り:常に満室の状態を想定した利回り。
不動産会社から提示される利回りは、表面利回りか想定利回りであることが多いです。そのため、実際の収益に近い目安となる実質利回りは必ず確認しておきましょう。
表面利回りと実質利回りについてもっと詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
物件の状態や修繕履歴、管理状況などを確認する
物件自体の状態や状況もしっかり確認しましょう。わかりやすいのは築年数です。そのほか確認しておくべきポイントをご紹介していきます。
- 築年数
- 部屋の設備
- 建物の外壁、屋根、配管などの状態
- 共用部(エントランス、エレベーター、廊下、ゴミ置き場など)の状態
- 修繕履歴や修繕計画
- 入居者の状況(空室率含む)
- トラブルの有無(家賃滞納、入居者間のトラブル、クレームなど)
共用部は清潔に保たれているか、修繕は適切に行われているかといった点も重要なポイントです。住民のマナーが良いか、トラブルが起こっていないかなども確認しておくとよいでしょう。
賃貸需要や周辺の相場を確認する
物件があるエリアの賃貸需要や周辺の相場もチェックポイントです。駅近くの物件であれば単身者用のマンションに、住宅地であればファミリー層に適した戸建てに人気がある傾向にあります。
立地によって求められる不動産の種類は異なります。その地域の需要に合っていなければ、なかなか入居者が決まらないかもしれません。どのような物件に需要があるのか、必ず確認しておきましょう。
その際に、周辺の家賃相場も確認しておいてください。あまりに家賃相場とかけ離れていると空室リスクが高くなります。
収支シミュレーションや出口戦略を考える
実際の収支や、売却するときのシミュレーションも立てておきましょう。支出には、月々発生するローン返済費や管理費、修繕積立費だけでなく、さまざまなリスクに対応するためのコストも想定することをおすすめします。
<キャッシュフローの目安>
- 実質利回り:新築物件5%~(最低ライン3%)、中古物件6%~(最低ライン4%)
- 返済比率:家賃収入の50%以下
- 空室率:5~10%程度
- 修繕費:家賃収入の5~10%程度(物件の状態による)
ご紹介したものはあくまでも目安です。特に修繕費は物件によって大きく異なるポイントなので、対象となる物件に応じて適切な割合を考えてみてください。
不動産投資に失敗しないためのポイント
不動産投資は事前に対策をしておくことで、失敗するかどうかが大きく左右されます。物件選びだけでなく、どのようなポイントに注意すべきかご紹介していきます。
複数の物件を比較する
不動産投資は、物件選びが非常に重要です。「不動産会社に紹介された物件だけ」ではなく、複数の物件を比較して選びましょう。
いくつもの物件を比較してみると、良い点や悪い点がわかるようになります。条件が良いように見えた物件も、ほかの物件と比べてみるとリスクが見えてくるかもしれません。焦って投資物件を決めることがないよう、注意しましょう。
管理会社を見極める
信頼できる管理会社を見つけることも重要です。会社によってサポート内容や管理体制は異なります。実績とともに、サポート内容はしっかり確認しましょう。
また担当者との相性もあります。トラブルにすぐに対応してくれる、まめに連絡をくれる、不利な情報でも隠さず教えてくれるなど、信頼できる人物か判断しましょう。
管理会社と良い関係を築くことが、不動産投資の成否に大きく影響します。複数の管理会社を比較して判断してみてください。
リスク対策を施しておく
不動産投資のリスクは、事前の対策で回避できるものも少なくありません。天災など事前の対応が難しい場合もありますが、今回ご紹介した内容をもとに、できるだけ事前にリスク対策をしておきましょう。
不動産に限らず投資にはリスクがつきものです。リスクにどう対処するかで結果は大きく異なるため、過度に恐れず適切な対応を心がけましょう。
無理のないローンを組む
不動産ローンは、「借りられる額」ではなく「返せる額」の範囲で借りましょう。しっかりキャッシュフローを考えたうえで、返済に困らない金額に設定するべきです。家賃下落や金利上昇リスクにも耐えられるよう、ギリギリの額ではなく余裕を持って計画してください。
特に頭金なしの「フルローン」はリスクが高いです。最悪の場合、売却しても残債が残ってしまい、負債を背負う可能性もあります。無理な融資は組まないよう、注意しましょう。
不動産投資や税金、経費の知識を付ける
不動産投資をするには、知識が不可欠です。不動産会社や管理会社が協力してくれるとはいえ、最終的に責任を負うのは投資家本人なので、必要最低限の知識は付けておきましょう。
また、物件を購入してもそれで終わりではありません。不動産に関する税金は改正されることも多いため、継続的な学習が必要です。また、正しく税金を納めるためには経理の知識も必要でしょう。自分でやるのが難しい場合は、専門家に頼ることも考えてみてください。
ただし、何がわかっていないのか、何を判断しなければならないのかを理解していなければ、専門家に頼ることもできません。必ず自分でも最低限の知識を付けて不動産投資を行いましょう。
不動産投資が向いている人・向いていない人
不動産投資はどのようなタイプの人に向いているのか、またやめた方がいいのはどのようなタイプなのか、目安をご紹介していきます。
不動産投資に向いている人
不動産投資に向いているのは、以下のような特徴を持つタイプです。
- 長期的な視野で投資できる人
- コツコツ資産形成したい人
- 将来的な資産を形成したい人
- リスクも理解したうえで冷静に対処ができる人
- 数字を管理できる人
- 勉強することが苦ではない人
- 行動力がある人
- 自己資金がある人
不動産投資はすぐに大きく稼げる投資手法ではありません。そのため、長期的にコツコツ資産形成をしたい人に向いています。また物件選びから始まり、事前のリスク管理やキャッシュフローの計画など、物件購入前から運用中もさまざまな問題に対処しなければならないため、行動力や対応力が求められます。
ある程度は管理会社に任せられるものの、自分でも積極的に学ぶ姿勢が求められるでしょう。キャッシュフローの管理は重要なため、数字に強い人も向いています。また、資金がなければフルローンになってしまいリスクが高くなるため、ある程度の自己資金を持っている人が好ましいです。
不動産投資に向いていない人
一方、あまり不動産投資に向いていないのは、以下のようなタイプが考えられます。
- 短期間で稼ぎたい人
- 手間をかけたくない人
- 勉強したくない人
- 数字管理が苦手な人
- 貯金がほとんどない人
- ローンを組むことに強い不安がある人
- 流動性が低い資産を持つことが不安な人
株やFXなど短期間で収入を得られる可能性があるものと違い、不動産は短期的な投資には向いていません。手間や時間がかかる上にある程度の知識が必要なため、あまり手間をかけたくない人や勉強したくない人にはおすすめしません。
また、お金の管理が苦手な人はキャッシュフローの管理が甘くなりがちで、リスクが高くなる可能性があります。貯金があまりないのに、フルローンで始めるのもおすすめできません。
最後に、大金を借りることに抵抗がある人や、すぐに売却できないかもしれない高額な資産を持つことに不安がある人はやめておいたほうが無難でしょう。
不動産投資は長期的に安定した収入を得られ、売却益も期待できるというメリットがあるため、長期的にコツコツ投資できる人には向いていると考えられます。しかし手間や時間、知識を必要とするため、自分で積極的に行動したり勉強したりするのが難しい人には向いていないかもしれません。できるだけ手間をかけずに不動産投資をしたい場合は、「REIT」という不動産を対象とした投資信託を検討してみてはいかがでしょうか。
不動産投資によくあるFAQ
最後に不動産投資によくある質問をご紹介していきます。
ワンルーム投資は危険って本当?
「ワンルーム投資はやめとけ」という話を聞いた人もいるのではないでしょうか。確かにワンルーム投資は比較的手軽に始められる一方、思うように利益を得られなかったという失敗談も少なくありません。なぜワンルーム投資は失敗しやすいのか、考えられる要因をまとめました。
- 新築ワンルームを購入(家賃下落リスクが高い)
- 入居者の流動性が高い(空室リスクが高い)
- 「おすすめ」された物件をそのまま購入
- フルローンで購入
- 表面利回りで判断
- キャッシュフローの見通しが甘い
ワンルーム投資では、新築物件を薦められることも少なくありません。しかし新築物件は「新築プレミアム価格」で高額なことが多いです。購入した直後から物件の価値は下がり、また最初は高い家賃を期待できても数年後には下落することが多いため、赤字に陥りやすいと言われています。
また1部屋しか所有していないため、空室が出た場合の収入はゼロです。収入がなくてもローンや管理費などの支払いはあるため、自己資金から捻出するしかありません。またワンルームは単身者や学生が多く、比較的短期間で住み替えを行う傾向にあります。そのためワンルームは空室リスクが高いと言われています。
そのほか、不動産会社から言われたまま自分で詳しく調べずに購入する、修繕費などを考慮しておらずキャッシュフローの見通しが甘いなど、不動産投資の初心者がやってしまいがちなミスが多いです。「フルローンで問題ない」「確実に儲かる」「節税になる」などといった甘い勧誘文句に誘われて、知識がないまま始めてしまった人が失敗している傾向にあります。
ワンルーム投資は初期費用が抑えられる一方、収益を狙いにくいとも言われています。ただし、「賃貸需要がある立地」「十分な自己資金」「状態の良い中古物件」などの要件が揃えば期待通りの成果を得られるかもしれません。リスクを十分に理解したうえで、検討してみてください。
投資用物件に住宅ローンは利用できる?
結論からいうと、投資用物件に住宅ローンは使えません。悪質な不動産会社で、「自分で住むことにして住宅ローンを借りましょう」と言われたという話も聞きますが、これは絶対にやってはいけません。融資の目的を偽ると、発覚したときに一括返済を迫られるリスクがあります。
不動産投資用の物件を購入する場合は、必ず「不動産投資ローン」を利用しましょう。
- 住宅ローン:自分が住む住居のためのローン。金利が低め。借入可能額は年収の5~8倍程度。
- 不動産投資ローン:不動産投資用の物件を購入するためのローン。金利が高め。借入可能額は物件の価値次第で、年収の10~20倍になることも。
不動産投資ローンは、家賃収入をもとに返済されるため、借入可能額は物件次第です。住宅ローンよりも高額を借りることが可能ですが、金利は高めに設定されます。
フルローンはやっぱり危険?
フルローンで不動産投資を始めることは可能ですが、あまりおすすめできません。理由は以下の通りです。
- 返済額が多くなり、キャッシュフローが悪化する
- 自己資金を入れたときよりも金利が高くなる
- 金利上昇リスクの影響が大きい
フルローンで借りると、当然ながら月々の返済額が多くなります。家賃収入で賄えると考えがちですが、空室や家賃下落で思うような収益が入ってこなかったり、思ったより修繕費がかかったりすると、赤字に転落してしまうリスクが高いです。また、自己資金を入れた場合と比べると、高めの金利に設定されることがあります。金利が上昇した場合も、返済が厳しくなるため注意が必要です。
ただし、以下の条件に当てはまる場合はフルローンでもリスクを抑えられるかもしれません。
- 年収が高い
- 潤沢な資金を持っている
- 共同担保にできる不動産を持っている
つまり、キャッシュフローが悪化しても補える収入や資金、担保がある人です。そうでない場合、フルローンはリスクが高くなりがちなので慎重に検討しましょう。
新築と中古はどちらがいい?
新築物件と中古物件、それぞれにメリットとデメリットがあります。
・新築のメリットとデメリット
メリット | デメリット |
・入居者が見つかりやすい ・建物や設備が魅力的 ・修繕リスクが少ない ・初期トラブルが少ない ・耐震性・断熱性に優れている ・融資が通りやすい | ・新築プレミアムで価格が割高 ・購入直後に資産価値が下落 ・利回りが比較的低い ・家賃下落リスクが高い |
<新築物件に向いている人>
- なるべく手間をかけたくない人
- 空室リスクを軽減したい人
- 有利な条件で融資を受けたい人
- 長期的に安定して運用したい人
- 相続や資産形成を考えている人
・中古のメリットとデメリット
メリット | デメリット |
・新築より価格が安い ・利回りが比較的高め ・実際の入居率・収支を把握しやすい ・資産価値が安定している ・家賃の変動が少ない | ・修繕リスクが高い ・リフォームが必要になることがある ・管理状態が悪い場合がある ・築年数が古いと融資が通りにくい
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<中古物件に向いている人>
- 利回りを重視している人
- 複数物件を所有したい人
- リフォームなどで資産価値を高めたい人
それぞれにメリットやデメリットがあるので、どちらの方が向いているかご自身で確認してみてください。
サブリース(家賃保証)は安全?
サブリース契約とは、家賃を保証してくれるサービスのことです。サブリース会社が物件を借り上げ、第三者に貸し出す仕組みとなっており、物件所有者であるオーナーと実際の入居者が直接やり取りすることはありません。空室リスクを減らせる手段ではありますが、注意しなければならない点もあります。
<サブリースのデメリット>
・相場より家賃が低め
サブリース契約の場合、一般的な家賃相場から10~20%ほど低い家賃が設定されることが多いです。家賃収入は保証されるものの、サブリース会社の手数料が発生するため手元に残る利益は少なくなります。
・家賃下落リスクがある
サブリース契約の家賃は、契約期間の間ずっと保証されるものではありません。経年劣化や周辺の家賃相場の変動に伴い、保証される家賃の額が下がることもあります。
・免責期間が定められていることがある
サブリース契約には、多くの場合「免責期間=家賃を保証しない期間」があります。免責期間に定めはありませんが、「入居者退去時1~3カ月程度」が多いようです。
・オーナー側からの契約解除が難しい
サブリース会社はオーナーから物件を借りる形になるため、借地借家法に基づき、入居者としての権利が保証されます。つまり、オーナーから退去(契約解除)を申し出るには、正当な理由や6カ月以上の期間が必要になるため、契約解除が困難です。
・売却が難しくなる
サブリース契約が付いている物件は、オーナーの自由度が下がったり家賃の額が下がったりするため、売却が難しい傾向にあります。
・サブリース会社のリスクがある
サブリース会社の経営が傾いたり倒産したりした場合は、家賃収入が途絶える可能性があります。また、悪徳な業者の場合、高額な物件を紹介してきたり融資で不正を行なったりすることもあるようなので、注意しましょう。
・契約を解除されることがある
オーナーから契約を解除することは難しいですが、サブリース会社からは正当な理由がなくても契約解除が可能です。「賃料の値下げに応じない」「収益が少ない」「物件の管理が困難」などの理由で解除されることがあります。
・入居者の選定に関われない
サブリース契約を結ぶと、オーナーと契約しているのはサブリース会社になるため、実際の入居者の選定に関わることはできません。入居者の情報を伝えてくれない会社もあるので、注意しましょう。
家賃を保証してくれるサブリース契約は、一見何のリスクもないように見えるかもしれません。しかし、投資である以上リスクは必ず発生します。サブリース契約を結ぶときは、メリットだけでなくデメリットもしっかり伝えてくれる業者を選びましょう。
株式投資や投資信託よりも有利?
株式投資や投資信託との大きな違いは、「不動産」という現物資産を保有するという点です。それぞれの投資方法にメリットやデメリットがあるので、一概にどれが良いとは言えません。
それぞれの主なメリットとデメリットを簡単にまとめました。
| メリット | デメリット |
不動産投資 | ・安定した収入を毎月得られる ・保険の代わりになる ・節税できることがある | ・さまざまなリスクへの対処が必要 ・初期費用やコストが比較的高い
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株式投資 | ・大きな利益を期待できる ・株主優待を得られる ・有名企業に投資できる | ・大きな損失を被るリスクがある ・情報収集をする手間がかかる |
投資信託 | ・少額から分散投資ができる ・運用をプロに任せられる ・比較的リスクが低い | ・種類が多くて選びづらい ・短期投資には向かない |
そのほか、株式投資や投資信託についてもっと詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
不動産投資には空室リスクや家賃下落リスクなど、さまざまなリスクが存在します。しかしそれらのリスクは事前に入念に準備することで、軽減することが可能です。そのためには、不動産の立地条件や周辺状況、需要の有無などをしっかり確認しておく必要があります。
うまく運用できれば安定収益につながり、売却益も期待できます。しかし不動産会社に言われるがまま、知識や準備が足りない状態で始めてしまうと損失を被ることも少なくありません。
不動産投資を行う場合は、メリットだけでなくリスクもしっかり考慮しましょう。本記事を参考に、できるだけリスクが低い運用を心がけてみてください。
