家族信託のメリット7選|デメリット・費用・成年後見との違いもわかりやすく解説

・目次


家族信託とは?

家族信託とは、自分の財産の管理や運用を信頼できる家族に任せる仕組みのことをいいます。

正式には「民事信託」と呼ばれ、財産を持つ人(委託者)が、家族(受託者)に財産の管理や運用を依頼し、その利益を受ける人(受益者)を定める制度です。

あらかじめ家族信託の契約を結んでおくことで、認知症などで判断能力が低下した場合でも、家族が代わりに財産管理を行えるのが特徴です。

家族信託は相続対策や老後の安心対策として注目されており、柔軟な資産管理や資産承継をサポートする制度となっています。

家族信託の仕組み

家族信託は、以下のように「委託者」「受託者」「受益者」という三者の関係で成り立っており、この仕組みを理解することが大切です。

 

特徴

委託者

もともと財産を所有している人

受託者

委託者から託された財産を管理・運用する人

受益者

委託者が管理・運用する信託財産から生じる利益(生活費の給付や不動産の家賃収入など)を受け取る権利を持つ人

家族信託において最も一般的なのは、委託者と受益者が同一人物になる「自益信託」という形です。

例えば以下の図のように、親が自分の財産を子どもに託し、その財産から親自身の生活費や介護費用を捻出してもらうケースが挙げられます。

この形であれば、財産権の移転とみなされないため、家族信託を設定する際に贈与税などの税金はかかりません。

信託の対象となる財産(信託財産)は、現金や預貯金、不動産、未上場株式など多岐にわたります。

信託契約が結ばれると、これらの財産は委託者の個人の財産から切り離され、受託者によって独立して管理されるため、将来認知症になっても資産が凍結されるリスクはありません。

これが家族信託の基本的な仕組みです。


家族信託のメリット7選

家族信託には、従来の財産管理や相続対策にはない多くのメリットがあります。

ここでは、家族信託を導入することで得られる具体的なメリットについて、詳しく解説します。

メリット①認知症発症後の口座凍結リスクを回避できる

家族信託の最大のメリットは、認知症発症による「口座凍結リスク」を回避しやすいことです。

通常、銀行などの金融機関は、名義人が認知症になり意思能力を喪失したことを知ると、その口座を凍結します。

口座が凍結されると、たとえ家族であっても預金の引き出しや定期預金の解約ができなくなります。

そのため、本人の生活費や介護費用、不動産の維持費や税金、医療費などの支払いができなくなる可能性があります。

しかし、元気なうちに家族信託契約を結び、財産を「信託財産」として受託者(子どもなど)が管理する信託口座に移しておけば、受託者は契約で定められた目的に従って、自由に預金を引き出し、親のために使うことができます。

これにより、家族は経済的な不安を抱えることなく、親の介護や生活のサポートに専念することが可能になります。

家族信託は、将来の不安に備える実務的な対策として、非常に有効な手段といえます。

メリット②高齢の委託者にかわって収益不動産を管理できる

家族信託は、成年後見制度に比べて、非常に柔軟な財産管理ができることもメリットです。

成年後見制度は本人の財産を「減らさないこと」を目的としているため、積極的な資産運用や生前贈与、不動産の売却などは家庭裁判所の許可が必要です。しかし、それらを申請しても認められないケースが多々あります。

一方、家族信託では、以下のように家族の事情に応じた細かなルールを設定できます。

  • 親が施設に入所する資金が必要になったら、実家を売却してよい
  • 遊休地を活用してアパートを建築し、相続税対策を行う
  • 孫の教育資金として毎年一定額を贈与する

このような内容を契約に盛り込んでおけば、受託者は家庭裁判所の許可を得ることなく、自分自身の判断でこれらの行為を実行できます。

家族の状況や将来のライフプランに合わせて、オーダーメイドの財産管理を実現できるのが家族信託の強みです。

メリット③ 成年後見制度では難しい財産管理を行える

家族信託は、相続発生時の家族の金銭的負担や手続きの煩雑さを軽減するメリットもあります。

相続が発生すると、遺産分割協議が完了するまで預金を引き出すことができなくなるため、葬儀費用や当面の生活費、病院への支払いなどを、残された家族が立て替えるケースが多くあります。

また、遺産分割協議や手続きの遅れにより、家族が一時的に資金不足に陥ることもあります。 特に、不動産が中心の資産構成の場合、現金が不足して相続税の支払いや生活費の確保に苦労することも少なくありません。

しかし、家族信託を利用して現金を信託財産としておけば、委託者が亡くなった後も口座が凍結されることはありません。

家族信託契約において「委託者死亡後の残余財産は〇〇に帰属する」「葬儀費用や未払いの医療費は信託財産から支払う」などと定めておくことで、受託者は速やかに信託口座から必要な資金を引き出し、支払いに充てることができます。

このように、家族信託は遺族の急な出費による経済的負担を大きく軽減できるというメリットがあります。

メリット④障がいがある子どもに財産を残せる

家族信託では、障がいのある子どもに直接財産を渡すのではなく「管理する人」と「利益を受ける人」を分けることで、安心して財産を残せる仕組みになっています。

親(委託者)が元気なうちに、信頼できる家族(受託者)に財産管理を任せておき、親が亡くなった後の受益者を、障がいのある子どもにするように設定することが可能です。

このように、家族信託契約をすることで、親が亡くなった後も、受託者が信託財産を管理しながら、生活費や医療費を障がいがある子どもに継続的に支給できます。

メリット⑤自社株の信託で事業承継対策として利用できる

中小企業の事業承継においては、自社株の管理と承継が大きな課題となりますが、家族信託はこのような問題にも対応できます。

例えば、経営者が認知症になり議決権を行使できなくなると、株主総会が開けず、会社の経営がストップしてしまうリスクがあります。

しかし、家族信託を活用して自社株を信託財産としておくことで、株式の「財産権(配当を受け取る権利など)」は経営者(受益者)に残したまま、「議決権(経営に参加する権利)」だけを後継者に移転させることが可能です。

経営者は会社の利益を得つつ、後継者は議決権を行使して安定した会社経営を継続して行うことができます。

さらに、家族信託を利用すれば、複数の相続人がいる場合でも株式の分散を防ぎ、経営の意思決定を一本化することが可能となります。

このように、家族信託は遺言だけでは対応が難しい「生前からの経営関与」と「円滑な承継」を同時に実現できるため、事業承継対策としてメリットが大きい手段といえます。

メリット⑥倒産隔離機能が使える

家族信託には「倒産隔離機能」と呼ばれる特徴があります。

これは、信託された財産が委託者・受託者の個人財産とは切り離されて管理されるため、万が一委託者・受託者が破産した場合でも、その影響を受けにくいという仕組みです。

例えば、委託者が多額の借金を抱えて破産した場合でも、信託財産は委託者の債権者から差し押さえられることはありません。

同様に、受託者が破産した場合でも、信託財産は受託者の固有財産とは区別されるため、受託者の債権者からの強制執行を免れることができます。

このように、信託財産を委託者および受託者の倒産リスクから切り離し、安全に保全できることは、家族信託の重要な機能の一つです。

ただし、借金を免れる目的で直前に財産を信託したようなケースでは、破産管財人によって信託が取り消される可能性があるため注意が必要です。

また、受託者が分別管理をきちんと行わず、自己資産と混同していた場合にもトラブルになるリスクがあるため、きちんと分別管理をすることが重要といえます。

メリット⑦遺言と同等もしくはそれ以上の機能を持つ

家族信託は、生前の財産管理だけでなく、死後の財産承継についても定めることができるというメリットがあります。

信託契約の中で「委託者が死亡した時は信託を終了し、残った財産(残余財産)を長男に引き継がせる」と定めておくことで、遺言書と同じように財産の承継先を指定することができます。

さらに、家族信託が遺言書よりも優れている点は、「二次相続以降」の指定ができることです。

遺言書では、一般的に「自分の財産を妻に相続させる」ことはできても、「妻が亡くなった後は、その財産を長男に相続させる」と指定することは法的に無効とされています。

しかし、家族信託を利用すれば、「最初の受益者を妻とし、妻が死亡した後の次の受益者を長男とする」といったように、何世代にもわたって財産の承継ルートをコントロールすることが可能になります。

このように家族信託を活用することにより、先祖代々の土地の分散や流出を防ぐなど、より確実な資産承継を実現できます。

また、家族信託は生前から効力を発揮するため、遺言のように死亡後を待つ必要がなく、すぐに財産管理に反映される点も特徴です。

これにより、認知症対策と相続対策を同時に行うことが可能です。

家族信託は、遺言の機能を補完・拡張する制度として非常に有効な選択肢といえます。


家族信託の4つのデメリット

家族信託には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。

導入を検討する際には、これらのデメリットを正しく理解し、事前に対策をしておくことが大切です。

デメリット①一定の費用がかかる

家族信託を利用する際には、初期費用として一定のコストがかかることがデメリットです。

家族信託は専門的な知識が必要で、司法書士や弁護士などに契約書作成などを依頼することになるため、数十万円程度の報酬がかかることが一般的です。

この費用は信託財産の評価額によって変動し、信託財産によっては百万円以上かかる場合もあります。

また、不動産を信託する場合には、所有権移転登記や信託登記が必要となり、登録免許税などの費用も発生します。

さらに、金融機関で信託口座を開設する際の手数料や、場合によっては毎年管理費用がかかることもあります。

このように、家族信託では一定の費用がかかるため、費用対効果を十分に検討することが重要です。

デメリット②受託者は信託財産に関する責任を負う

家族信託では、財産の管理を任される受託者(多くの場合、子ども)に大きな責任が課される点に注意が必要です。

受託者は、信託契約に基づいて財産を適切に管理・運用する義務を負います。

そのため、不動産の管理を怠って価値を下げてしまった場合や、不適切な運用によって損失を出した場合には、受益者から責任を問われる可能性があるため注意が必要です。

また、信託財産と自分自身の固有財産を明確に分けて管理する「分別管理」を行う義務があり、専用の信託口座の開設や、毎年の帳簿作成、領収書の保管などが必要になります。

このように、受託者となる家族には事務的・精神的な負担がかかるため、引き受ける前にその責任の重さを理解し、納得しておくことが大切です。

デメリット③親族間の不公平感を生むことがある

家族信託は、特定の家族(例えば長男など)を受託者として、財産の管理の権限を集中させる仕組みです。

そのため、次男や長女など他の親族との間で不公平感や不信感の原因になることがあります。

このような親族間のトラブルを防ぐためには、家族信託の契約を結ぶ前に、必ず家族全員で話し合いの場を持つことが不可欠です。

「なぜ家族信託が必要なのか」「誰が受託者になるのか」「どのような目的で財産を管理するのか」を親から直接説明し、全員の理解と合意を得ておくことが重要となります。

必要に応じて、他の親族を「信託監督人」に指定し、受託者の業務をチェックする仕組みを設けることもトラブル防止対策となります。

デメリット④相続税の節税にはならない

家族信託を検討する際によくある誤解の一つが、「家族信託をすれば相続税が安くなる」というものです。

結論から言うと、家族信託そのものに直接的な相続税の節税効果はありません。

家族信託はあくまで「財産の管理・処分の権限」を移転する仕組みであり、「財産の価値(利益)」は受益者に帰属しています。

そのため、親が亡くなった際には、信託財産は親の相続財産として計算され、通常通り相続税の課税対象となります。

ただし、家族信託では受託者が親の生前にアパートを建築したり、計画的な生前贈与を行ったりすることが可能になるため、「間接的」に相続税対策を実行できる環境を整えられるというメリットはあります。


家族信託と成年後見制度との違いを比較

家族信託と成年後見制度は、どちらも財産を管理するための制度ですが、以下のようにさまざまな違いがあります。 

特徴

家族信託

成年後見制度

柔軟性

高い

低い

資産運用

可能

原則不可

開始時期

元気なうち

判断能力低下後

費用

初期費用のみ

毎月支払う報酬あり

ここでは、家族信託と成年後見制度の特徴を、比較しながら解説します。

家族信託と成年後見制度の違い①制度の柔軟性

家族信託と成年後見制度の最も大きな違いは「柔軟性」です。

成年後見制度は、本人の財産を保護・維持することが最大の目的のため、財産の積極的な運用や処分は厳しく制限されるという特徴があります。

例えば、相続税対策のためのアパート建築や生前贈与、親の介護扶養捻出のための実家の売却は原則として認められません。

一方、家族信託の場合は、契約によって管理内容を自由に定めることが可能です。あらかじめ契約に定めておけば、受託者は不動産の売却や組み替え、積極的な資産運用を柔軟に行うことができます。 

②開始時期の違い

制度の開始時期も、家族信託と成年後見制度では違いがあります。

成年後見制度では、本人の判断能力が低下した後に、家庭裁判所に申し立てることで開始されます。

一方、家族信託は本人が元気で判断能力があるうちに契約を結んでスタートします。

家族信託は、将来のリスクに対する「事前の備え」としての性質が強いといえます。

③費用の違い

成年後見制度と家族信託では、かかる費用も異なります。

成年後見制度では、弁護士や司法書士などの専門家が後見人に選任された場合、本人が亡くなるまで毎月数万円の後見人報酬を支払い続ける必要があります。

一方、家族信託では、初期費用(専門家へのコンサルティング費用や公正証書作成費用など)はかかりますが、家族が受託者となるため、その後継続してかかるコストは原則として発生しません。

継続的なコストがかからないことが、家族信託の魅力といえます。

④身上監護権の有無

成年後見制度のみが持つ権利として、身上監護権(介護施設との契約などの権限)が挙げられます。

 「身上監護権」とは、介護施設への入所契約や医療・介護サービスの利用契約など、本人の生活に関わる契約を代理する権限を指します。

成年後見制度では、家庭裁判所によって選任された後見人にこの身上監護権が認められており、介護施設との契約などを本人に代わって行うことができます。

一方で家族信託では、受託者が持つのはあくまで「財産管理・運用の権限」に限られるため、介護契約や身の回りの法律行為を代理する権限は原則として認められていません。

生活面の契約までカバーしたい場合は、家族信託と成年後見制度の併用を検討することが大切です。

⑤取消権の有無

取消権とは、判断能力が低下した本人が不利な契約をしてしまった場合、その契約を後から取り消すことができる権限です。

例えば悪徳商法による高額な商品購入などが挙げられます。

成年後見制度では、後見人に取消権が付与されているため、本人が結んでしまった不利益な契約を法的に無効にすることが可能です。

一方、家族信託にはこの取消権はありません。

受託者はあくまで信託財産の管理者であり、本人が信託外で行った契約を取り消す権限は持たないため、悪徳商法への対策としては家族信託だけでは不十分といえます。

このように、成年後見制度は「本人の生活全般を守る制度」であり、身上監護権や取消権といった強い法的保護が備わっています。

一方で家族信託は「財産管理と承継に特化した仕組み」であり、柔軟な資産運用や承継設計には優れていますが、生活面や契約トラブルへの対応力は限定的です。

家族信託で財産管理を行いながら、必要に応じて成年後見制度を併用するという方法も可能なため、状況に応じて2つの制度を利用することが大切といえます。


家族信託の手続き方法

家族信託をスムーズに行うための手順は、以下のとおりです。

  1. 家族信託の目的や内容を家族で話し合う
  2. 信託契約書の案文を作成する
  3. 信託契約書を公正証書で作成する
  4. 家族信託専用の口座(信託口座)を開設する
  5. 信託不動産の信託登記を行う
  6. 信託財産の管理・運用を始める

家族信託を検討する際に、最初に行うべきことは「家族会議」です。一部の家族だけで勝手に進めると大きなトラブルに発展する可能性があるため、話し合って全員の合意を得る必要があります。

家族間での合意が得られたら、その内容を法的な文書である「信託契約書」の形にしていきます。

家族信託の実務に精通した司法書士や弁護士などの専門家に相談し、家族の状況に合わせた契約書案を作成してもらうことが大切です。

信託契約書の案文が固まったら、それを公証役場に持って行き「公正証書」として作成します。

信託契約が成立したら、信託口座を開設します。口座名義は「委託者〇〇 受託者△△ 信託口」といった形式になり、法的に委託者・受託者の固有財産とは切り離された口座として扱われます。

信託財産の中に実家やアパートなどの不動産が含まれている場合は、法務局で「信託登記」および「所有権移転登記」の手続きを行うことで、受託者はその不動産を適法に管理・売却できるようになります。

信託財産の管理・運用を始める 契約書の作成、口座の開設、不動産の登記といった一連の手続きが完了すると、受託者による信託財産の管理・運用がスタートします。

受託者は責任を持って長期的な管理業務を行うことが大切です。


家族信託が向いている人

家族信託はメリットが多い制度ですが、すべての人に必要とは限りません。自分に向いているかどうかを確認することが重要です。

家族信託を検討すべき人は、以下のとおりです。

  • 認知症による資産凍結を防ぎたい人
  • 不動産を複数所有している人
  • 円滑に相続をしたい人
  • 障がいがある子どもがいる人(親なき後対策)
  • 事業承継を考えている経営者

家族信託は、すべての人に必要なわけではなく、家族構成や資産状況によって向き・不向きがあります。

自分や家族の将来を見据え、本当に必要かどうかを見極めたうえで検討するようにしましょう。


家族信託についてよくある質問

家族信託について、よくある質問を紹介します。

家族信託と成年後見制度のどちらがおすすめですか?

家族信託と成年後見制度のどちらがおすすめかは、家族の状況や目的によって異なります。

将来の認知症による資産凍結を防ぎ、柔軟な財産管理を行いたい場合は、自由度が高い「家族信託」がおすすめです。

一方、すでに本人の判断能力が低下してしまっている場合や、身寄りがなく財産管理を任せる家族がいない場合は「成年後見制度」しか選択肢がなくなります。

また、介護施設との入所契約などの手続きをしたい場合も、成年後見制度を選びましょう。

状況によっては、家族信託と成年後見制度を併用する場合もあるため、家族でよく相談して決めることが大切です。

家族信託を自分で行うことはできますか?

家族信託の契約書は、将来のあらゆるリスクを想定して作成する必要があり、高度な法律知識と税務知識が求められます。

法律上、家族信託の手続きを自分たちだけで行うことは可能ですが、リスクが高く注意が必要です。

取り返しのつかない失敗を防ぐためにも、家族信託に精通した司法書士や弁護士などに依頼すると安心です。

家族信託は亡くなったらどうなりますか?

家族信託は、委託者(親など)が亡くなった時点でどうするかを、あらかじめ信託契約の中で自由に定めておくことができます。

一般的には、委託者の死亡を「信託の終了事由」として設定し、残った財産を誰に引き継がせるかを指定しておきます。

これにより、遺言書と同じようにスムーズな財産承継ができます。

また、委託者が亡くなった後も信託を終了させず、次の受益者(例えば配偶者や障害のある子どもなど)を指定して、受託者による財産管理を継続させることも可能です。

このように、亡くなった後の財産の行方や管理方法についても、家族の希望に合わせて柔軟に設計できます。


まとめ

家族信託は、認知症による資産凍結リスクを回避し、本人の希望に沿った財産管理と資産承継を実現できる制度です。

成年後見制度にはない自由度の高さがあり、家族が抱える様々な問題を解決する手段として注目されています。

一方で、初期費用や受託者となる家族への負担、親族間トラブルのリスクもあるため、特徴をよく理解し、家族と相談しながら進めることが大切です。

親などの委託者が元気なうちに家族全員でしっかりと話し合い、経験豊富な専門家のサポートを受けながら進めるようにしましょう。


関連記事


伊藤久実 

伊藤FP事務所代表。ファイナンシャルプランナー(AFP)兼ライター。
大学卒業後、証券会社・保険コンサルタントを経て事務所代表兼フリーライターとして活動を始める。家計の見直しから税金・保険・資産運用まで、人生の役に立つ記事を幅広く執筆している。