CFDとは?特徴やメリットデメリット・リスクをおさえる取引方法を解説
・目次
CFDとは?
CFDとは、「Contract For Difference(差金決済取引)」の略称で、株式や株価指数、金、原油などの価格変動を利用して利益を狙う金融商品です。
この取引の特徴は、株式や金、原油などを実際に保有することなく、売買によって生じた「価格の差額」だけをやり取りするという点にあります。
例えば、100万円分の金を購入する場合、通常の現物取引であれば100万円支払って金地金を受け取ります。
一方、CFDでは証拠金を預けて銘柄を売買します。そして、将来決済した際の差額(利益または損失)のみが口座に反映されるという仕組みです。
CFD取引では現物を持たないため、保管や受け渡しの手間がなく効率的に取引できること、証拠金を用いて取引を行うこと、レバレッジをかけられることなど、FXや先物とよく似た特性を持っています。
CFDはデリバティブ(金融派生商品)の一種に分類されます。これは、日経平均株価や原油価格といった「原資産」の値動きを基にして作られた商品であることを意味しています。
CFD取引の仕組み
CFD取引(差金決済取引)の主な特徴は、以下の3点です。
- 売買で発生した差金のみを決済する
- 証拠金を預け入れる
- レバレッジをかけられる
CFD取引の具体的な流れを、日経平均株価を例に考えてみます。
まず口座に証拠金を預け入れます。その後、現在の日経平均株価が60,000円の時に「買い」の注文を出し、61,000円になった際に「売り(決済)」を出したとします。
この時には、手元に1,000円の利益が残ります。
逆に、59,000円の時に決済すれば1,000円の損失となります。
ここで重要なのは、実際に株や商品を保有していない点です。あくまでも「価格の変動」に対して投資しているため、資産の受け渡しは発生しません。
また、CFDと現物取引との決定的な違いとして、取引に必要な資金の量も挙げられます。
現物株であれば株価全額の資金が必要ですが、CFDでは「証拠金」と呼ばれる担保を預けるだけで、証拠金以上の額の取引が可能になります。これを「レバレッジ」といいます。
ただし、この仕組みは利益だけでなく損失も同様に拡大させてしまう性質があるため、仕組みを正しく理解し、リスク管理を徹底することが重要です。
CFD取引の3つの特徴
CFDの特徴を理解して取引することで、市場が上昇基調・下降基調どちらであっても収益を得られる可能性があります。
ここでは、3つの主な特徴について解説します。
①上昇・下落どちらの局面でも利益を狙える
通常の投資では「安く買って、高くなったら売る」という方法で利益を出しますが、CFDの場合は「高く売って、安く買い戻す」という逆方向の取引ができます。
このように、CFDは「買い」だけでなく「売り」からも取引を開始できるため、バブル崩壊やリーマンショックのように、相場が大きく下落する局面でも利益を得られる可能性があります。
また、保有している現物株の下落が心配なときに、同じ銘柄のCFDで売りポジションを持つことで、現物の損失をCFDの利益で相殺する「ヘッジ」という手法も活用できます。
このように、市場の上げ下げに一喜一憂せず、どのような場面でも利益につなげていけることがCFD取引の大きな特徴となっています。
②レバレッジで資金効率を高められる
CFDでは、証拠金を担保として、その数倍の金額を取引できる「レバレッジ」を利用できることも特徴のひとつです。
レバレッジとは「てこの原理」を意味します。例えば、レバレッジ10倍であれば、10万円の証拠金で100万円分の取引が可能です。
レバレッジを利用すると、少ない資金でも本格的な資産運用を始められます。
また、資金効率を高めながら投資することで、複数の銘柄に投資したり、短期間で効率的に利益を狙える可能性があります。
ただし、レバレッジをかけた取引では、相場が予想と逆に動いた場合、大きな損失が出るリスクがあるため注意が必要です。
初心者の間はレバレッジを低めに設定し、自分が許容できるリスクの範囲内で取引を行うようにしましょう。
③世界の多様な資産に1つの口座で投資できる
CFDは投資対象が幅広いことも大きな特徴です。
1つのCFD口座を開設するだけで、日本や米国の株式指数に加え、金や原油といったコモディティ、世界各国の個別株や債券まで、幅広い市場に投資できます。
通常は、これらに投資しようとすると、証券会社や商品先物会社などの複数の口座を使い分ける必要があります。
しかし、CFDであればそのような手間がかかりません。
例えば、昼間は日経平均株価のCFDを取引し、夜間はNYダウやナスダックなどの株価指数CFDや、エヌビディアやアップルといった米国株式CFDを取引するといったように、ほぼ24時間投資することが可能です。
また、株式市場が不安定な時は金のCFDに投資し、相場の上昇局面では株式のCFDに投資するなど、状況に応じて投資対象を柔軟に選びながら戦略的に投資できる環境が整っていることも大きな魅力です。
中東で争いが起きた際は、原油CFDを買い、株式や株価指数のCFDを売るというやり方も、よく使われる手法のひとつです。
CFDの種類
CFDには大きく分けて「店頭CFD」と「取引所CFD」の2種類があります。
どちらも差金決済取引ですが、取引相手やルール、銘柄数などに違いがあるため詳しく解説します。
①柔軟な取引ができる「店頭CFD」
店頭CFDは、証券会社が提供する取引で、特徴は以下のとおりです。
- 幅広い銘柄に投資できる
- 少額から始められる
- 取引ツールやサービスが充実している
- 比較的スプレッドが狭い傾向がある
店頭CFDでは、株価指数や商品、個別株など幅広い銘柄に対応しており自由度が高く、少額からスタートできることが特徴です。
加えて、取引ツールやサービスも充実しており、初心者でも始めやすい環境が整っています。
店頭CFDでは、価格は証券会社が独自に提示します。
スプレッド(買値と売値の差)が狭く設定されていることが多いため、短期売買を行う人にとってはコスト面のメリットが大きいことが特徴です。
ただし、価格の透明性については証券会社に依存する側面があるため、信頼できる大手証券会社を選ぶことが重要といえます。
②透明性が高い「取引所CFD(くりっく365)」
取引所CFDは、東京金融取引所という公的な機関を介して取引を行う形式で、日本では「くりっく株365」という名前で親しまれています。
取引所CFDの特徴は、以下のとおりです。
- 価格の透明性が高い
- 公的機関が運営しており安心感がある
- 配当相当額を受け取れる
取引所CFDの最大の特徴は「透明性の高さ」と「公平性」です。
価格については、投資家にとって有利な価格が提示される仕組みになっているため、非常にクリーンで公平な環境で取引ができます。
また、取引所CFDでは「配当相当額」を受け取れることも大きなメリットです。
現物株と同様に、権利付最終日に買いポジションをもっていれば、配当金に相当する金額を付与されることから、中長期の保有にも向いています。
ただし、売りポジションを保有している場合は、逆に支払いが発生するため注意が必要です。
一方で、取り扱い銘柄は日経平均株価やNYダウなどの主要な株価指数に限られており、店頭CFDに比べると選択肢が少ないことがデメリットといえます。
CFDの3つのメリット
CFD取引には、従来の現物投資や他の金融商品にはない、現代のライフスタイルに合った多くのメリットがあります。
ここでは、CFDの主な3つのメリットについて解説します。
CFDのメリット①比較的少額から投資ができる
CFDの大きなメリットのひとつが、少額の資金からでも本格的な投資を始められる点です。
一般的に、株式投資では数十万円以上の資金が必要になるケースも多く、初心者にとってはハードルが高くなりがちです。
しかしCFDでは、証拠金を預けることでその数倍の取引ができるため、数万円程度の資金でも取引可能なケースがあります。
「投資を始めたいけれど資金が少ない」という人でも、実際の相場を経験しながらスキルを身に付けられることがメリットです。
ただし、レバレッジを利用すると損失が拡大することもあるため、特に初心者は無理のない範囲で資金管理を徹底しながら行うことが大切です。
ほぼ24時間祝日も取引可能
CFD取引では、銘柄によって異なりますが、ほぼ24時間取引が可能です。
これは、CFDの原資産となる市場が世界中に存在し、どこかの市場が常に動いているためです。
CFD取引では、仕事が終わった後の深夜に米国市場の動きを見ながらNYダウを取引したり、早朝に為替の動きを反映した日経平均株価などを取引したりできます。
自分の生活に合わせて、いつでも世界中のマーケットと繋がれるのはCFDならではの大きな利点といえます。
多くの店頭CFDでは取引手数料が基本無料
証券会社が提供する店頭CFDでは、売買手数料を無料に設定しています。
現物株の取引では、売買のたびに手数料がかかることが一般的ですが、CFD(特に店頭取引)では、このコストを抑えることが可能です。
1日に何度も売買を繰り返すデイトレードの場合も、細かく利益を確定させるスタイルの場合でも、手数料を気にせず積極的に取引を行うことができます。
ただし、手数料そのものは無料でも「スプレッド」という実質的なコストが存在することには注意が必要です。
スプレッドとは、提示されている「買い値」と「売り値」の差のことで、これが実質的な手数料となっていますが、現物取引よりも安く抑えられることが一般的です。
取引に関するコストを抑えて、運用効率を上げたい投資家にとっては、CFDはメリットが大きい取引方法といえます。
CFDのデメリット
CFD取引は非常に便利な投資手法ですが、デメリットや注意点を正しく理解せずに取引を始めると、予想外のコストやリスクに直面する可能性があるため注意が必要です。
ここでは、CFD取引の3つのデメリットについて解説します。
レバレッジにより損失が大きくなりやすい
CFDはレバレッジをかけられることが特徴ですが、これはメリットと同時に大きなリスクとも言えます。
レバレッジをかけた取引では、少ない資金で大きな取引ができる反面、価格が予想と逆に動いた場合は損失が大きく拡大してしまいます。
特に、急激な相場の変動で「ロスカット」が発動されると、強制的にポジションが決済されたり、証拠金以上の損失が発生して追加で資金を入金する「追証」が必要になったりする場合があります。
特に初心者は「少額で大きく稼げる」という点に魅力を感じてレバレッジを高くかけてしまい、リスクが高い取引をする傾向があります。
ロスカットのリスクを避けるためには、レバレッジを低く設定し、余裕を持った資金管理を行いながら取引するようにしましょう。
スプレッドや調整額などのコストがかかる
CFDは手数料無料のケースが多いものの、実際には様々なコストが発生します。
代表的なものがスプレッド(買値と売値の差)で、これが実質的な取引コストとなります。
例えば、日経平均株価CFDの価格が以下のように表示されているとします。
- 買値:60,005円
- 売値:60,000円
スプレッドは5円です。
この状態で買い注文を出すと、60,005円で購入することになります。
しかし、これをすぐに売ると60,000円となり、最初から5円の含み損でのスタートとなるため、取引開始時点で不利な条件を背負うことになります。
スプレッドが大きければ大きいほど、投資する側には不利な状態となるため注意が必要です。
また、相場が不安定な時は、通常の場合よりもスプレッドが拡大する場合もあり、予想外のコスト増につながる可能性があります。
さらに、ポジションを翌日以降に持ち越した場合は「金利調整額」や「配当相当額」といった支払いまたは受け取りが発生します。
CFDで取引を行う際は、事前にコストの仕組みをよく理解しておくようにしましょう。
相場変動が激しく初心者には難しいことがある
CFDで扱う銘柄は、株価指数や原油、金、米国株などさまざまな種類があります。
日経平均株価などの株価指数はなじみがありますが、原油や金などは初心者にとっては予測が難しく、想定とは逆の方向に相場が動くと大きな損失に繋がる可能性があります。
また、CFDはほぼ24時間取引できるため、常に相場が動いている状態です。
ポジションを保有している間は常に価格変動の動きを受けることになるため、精神的な負担が大きくなりがちです。
特に、米国の経済指標発表や要人の発言などによって夜間に相場の急変動が起きるケースも多く、リスク管理を怠ると想定外の損失が発生することもあります。
初心者はまず値動きが比較的安定した銘柄から始め、無理のない範囲で経験を積んでいくようにしましょう。
CFDで取引できる主な銘柄は?
CFDの大きな魅力のひとつは、1つの口座で世界中の市場に投資できることです。
ここでは、どのような銘柄が取引できるのかを3つのカテゴリーに分け、具体的に解説します。
【株価指数】日経平均株価やNYダウなど
株価指数CFDは、特定の国や地域の株式市場全体の動きを示す指標を対象とした取引です。
代表的な株価指数は以下のとおりです。
株価指数CFDは、個別株のように1企業の業績に左右されるリスクが少なく、国や地域全体の経済状況や政治ニュースなどを元に判断できるため、初心者にとっても取引しやすい銘柄となっています。
特に米国株の指数は世界経済の中心であるため流動性が非常に高く、ほぼ24時間活発に取引できるため多くの人が投資しています。
加えて、日経平均株価のCFDは夜間の米国市場の動きを受けて、翌朝の日本市場がどう動くかを先取りして取引できるため、非常に人気がある銘柄となっています。
世界の株価指数については、以下の記事も参考にしてください。
「オルカン」VS「S&P500」徹底比較!新NISAで選ぶべきはどっち?
【商品】金や原油など
商品CFD(コモディティCFD)は、金などの貴金属や原油などのエネルギー、農産物などの実物資産を対象とした取引です。
代表的な銘柄は、以下のとおりです。
商品(コモディティ)CFDの例 | 農産物CFDの例 |
金 | トウモロコシ |
銀 | 小麦 |
原油 | 大豆 |
天然ガス | コーヒー |
金や銀などの商品(コモディティ)は、有事やインフレに強い傾向があります。
一方、農産物CFDは天候や需給で価格が変動するため、さまざまな情報を把握しながら取引を行うことが大切です。
商品や農産物などのCFDは、株価とは異なる動きをすることが多いため、資産の分散先として効果的といえます。
また、商品CFDは比較的高いレバレッジが設定されている場合があり、株価指数よりも高い資金効率で投資できるケースがあります。
ただし、原油や天然ガスなどは価格変動が非常に大きく、短期間で大きな利益を狙える反面、損失も大きくなる可能性があるため、リスク管理に細心の注意を払いながら投資するようにしましょう。
金や銀などの貴金属投資については、以下の記事も参考にしてください。
【個別株・その他】米国株やETFなど
米国株やETFに投資できるCFDの例[KI1] は、以下のとおりです。
米国株CFDの例 | ETFのCFDの例 |
テスラ | SPDR S&P500 ETF (S&P指数への連動を目指す) |
アップル | Invesco QQQ Trust (NASDAQ100指数に連動) |
コカ・コーラ | Vanguard Total Stock Market ETF (通称VTI:米国市場を丸ごとカバー) |
マイクロソフト | iShares MSCI Emerging Markets ETF (通称EEM:新興国の成長を狙う) |
まずはSPYやQQQなどのETFから始め、慣れてきたら個別株CFDに挑戦するのもひとつの方法です。
CFDとFX・先物・現物株の特徴を比較
CFDと他の代表的な金融商品との比較は、以下のとおりです。
CFDは、FXや先物、現物株の特徴をバランスよく併せ持つ「中間的な投資商品」といえます。
CFDはFXのようにほぼ24時間取引やレバレッジを活用できる一方、株価指数や商品など幅広い資産に投資できることが強みです。
また、先物取引のような限月がないため、柔軟な運用が可能です。
一方で、現物株のような長期保有や配当・優待目的には向きません。
CFDで取引する際は、FXや先物・現物株との特徴の違いをよく理解し、目的に応じて使い分けるようにしましょう。
CFDのリスクを抑えるための対策
CFDで安定して利益を出し続けるためには、利益追求だけでなくリスク管理も重要です。
特に、高いレバレッジがかかっている取引では、より慎重に取引を行う必要があります。
ここでは、CFDのリスクを抑えるための3つの対策について解説します。
レバレッジを低く抑える
CFDでは高いレバレッジをかけられるため、限られた資金を効率的に活用しながら投資することが可能です。
しかしレバレッジが高いほど、わずかな価格変動でロスカット(強制決済)されてしまう可能性が高まります。
初心者のうちは、口座に十分な資金を入れたうえで、低いレバレッジで取引することが大切です。
実効レバレッジを低く抑えることで、相場の急激な変動にも耐えることができますし、落ち着いて次の戦略を考える時間も確保できます。
大きく勝つことよりも、まずは負けないことを意識して取引を行い、徐々に慣れていくようにしましょう。
損切り(ストップ注文)を必ず設定する
CFD取引では、損失が出た際に「いつかは価格が戻るだろう」と放置しないことが大切です。
損失を放置しておくと、損失がどんどん拡大し、最終的に資産を失ってしまうことにもなりかねません。
注文を出す際は「いくらになったらあきらめて損切り(決済)する」というラインを決め、注文と同時に「ストップ注文(逆指値注文)」を入れておきましょう。
レバレッジをかけている場合は、機械的に損切りが行われるように設定しておくことで、感情に左右されずに資産を守ることが可能です。
1回の大きな負けで退場しないように、損切りを徹底するようにしましょう。
損切りについては、以下の記事も参考にしてください。
余裕を持った証拠金維持率を維持する
証拠金維持率とは、取引に必要な証拠金に対して、現在の口座残高(評価損益)がどれくらいあるのかを示す指標です。
これが一定の水準(多くの会社では100%や50%)を下回ると、ロスカットが執行されます。
ギリギリの維持率で取引していると、少しの値動きで意図せず強制決済される場合があるため、注意が必要です。
例えば、証拠金が10万円、必要証拠金が8万円という状態で取引している場合、証拠金維持率は以下のとおりです。
- 10万円÷8万円×100=125%
この状態で投資先の価格が下がって含み損が2万円出ると、有効証拠金は8万円となるため、維持率は以下のようになります。
- 8万円÷8万円×100=100%
このように、少しの含み損が出るだけで証拠金維持率が下がり、ロスカット水準の50%~100%に近づいてしまうため注意が必要です。
一方、入金額10万円でポジションを小さくし、必要証拠金が2万円というケースでは、証拠金維持率は以下のようになります。
- 10万円÷2万円×100=500%
ここで含み損が2万円出た場合でも、証拠金維持率は以下のようになるため、余裕がある状態を保てます。
- 8万円÷2万円×100=400%
このように、証拠金に対するポジションを小さくし、維持率が高い取引をすることでロスカットを防ぎやすくなります。
精神的にゆとりを持ちながら取引するためにも、証拠金維持率を高めに維持するようにしましょう。
CFDで初心者がやりがちな3つのミス
CFDは少額から大きな取引ができる魅力的な投資手法ですが、その反面、初心者が陥りやすいミスは以下の3つです。
- レバレッジをかけすぎて資金を大きく失ってしまう
- 損切りができず損失を拡大させてしまう
- 証拠金ギリギリで取引してしまう
特にCFDで初心者が最もやりがちなミスが、過度なレバレッジをかけてしまうことです。
CFDでは、証拠金の数倍の取引が可能です。
そのため、「少額で大きく稼ぎたい」と考えて、最初から高いレバレッジで取引してしまう人が少なくありません。
しかし、レバレッジは利益だけでなく損失も同じ倍率で拡大させるため、予想と反対側に相場が動いた場合、短期間ですべての資金を失ってしまうリスクがあります。
対策としては、実行レバレッジを2~3倍程度に抑えて、退場しないことを優先した取引を行うようにしましょう。
CFD取引がおすすめの人
CFD取引がおすすめの人は、以下のとおりです。
- 少額から本格的な投資を始めたい人
- 夜間や祝日に取引したい人
- 下落相場でも収益チャンスを逃したくない人
- 1つの口座で多様な資産を管理したい人
CFDは少額の資金で日経平均株価や米国株、金などの大きな市場に投資したい人には最適です。
また、銘柄によっては夜間や祝日にも取引できるため、世界中の投資チャンスを狙うことができます。
加えて、1つの口座でさまざまな資産に投資できるため、口座を一つにして効率的に管理したい人にも向いています。
逆に、数年単位でほったらかしにする長期投資や、株主優待を目的とする人には、CFD投資が向いていないこともあります。
投資目的に応じてCFDで取引するかどうかを決めるようにしましょう。
CFD取引の始め方や手順
CFD取引の始め方は以下のようになっており、オンライン完結の証券会社を選べば、最短で即日から取引を開始できる場合もあります(審査状況による)。
- 証券会社を選ぶ
- 口座開設を申し込む
- IDなどが発行される
- 証拠金を入金して取引を開始する
まずはCFDの取り扱い銘柄数やツールの使いやすさ、信頼性などを基準に証券会社を選びます。
次に、公式サイトから口座開設の申し込みを行い、氏名や住所、投資経験などを入力し、本人確認を行います。
口座が開設されたら、証拠金を入金します。入金が口座に反映されたら、すぐに取引を開始できます。
CFDでよくある質問
CFDでよくある質問について解説します。
CFD取引の税金や確定申告はどうなりますか?
CFD取引で得た利益は、「先物取引に係る雑所得等」として、一律20.315%(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)の申告分離課税の対象となります。
分離課税なので、給与所得など他の所得とは分けて計算されるため、多くの利益を得た場合でも所得税や住民税が上がることはありません。
また、CFD取引で損失が発生した場合、先物・オプション取引やFX(外国為替証拠金取引)と損益通算できます。
株式取引や投資信託とは損益通算できないため注意しましょう。
CFDの取引に期限はありますか?
銘柄によって異なります。日経平均株価やNYダウなどの株価指数CFDの多くは、期限のない「無期限」タイプが主流のため、長期保有も可能です。
一方、原油や天然ガスなどの商品CFDでは、先物の期限に合わせた「限月(げんげつ)」が設定されている場合があります。
期限がある銘柄は、満期が来ると自動的に決済されるため、期限の有無について事前に確認するようにしましょう。
まとめ
CFD(差金決済取引)は、株式や株価指数、金や原油などの幅広い資産に対して、少ない資金で効率的に投資できる金融商品です。
レバレッジを活用することで、資金効率を高められますが、相場が想定と逆に動いた場合は損失も大きくなりやすいため、リスク管理が非常に重要となります。
特に高いレバレッジをかけた取引はリスクが高いため、損切りを徹底し、余裕を持った資金管理を行うことが重要です。
CFDは正しく活用すれば、柔軟性が高い投資手法です。まずは少額から始め、ルールを守った取引を継続して行いながら経験を積んでいくようにしましょう。
伊藤久実
伊藤FP事務所代表。ファイナンシャルプランナー(AFP)兼ライター。
大学卒業後、証券会社・保険コンサルタントを経て事務所代表兼フリーライターとして活動を始める。家計の見直しから税金・保険・資産運用まで、人生の役に立つ記事を幅広く執筆している。
