住宅ローンの借り換えはいつがベスト?タイミング・条件・注意点を徹底解説
長らく低金利が続いていた日本ですが、最近になって金利が上昇する傾向が続いています。それに伴い、住宅ローンの金利を不安に思ったり、借り換えを検討したりしている人も少なくないのではないでしょうか。そこでこの記事では、住宅ローンの借り換えを検討するべきタイミングや注意点などを詳しくご紹介していきます。住宅ローンについて悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
・目次
住宅ローンの借り換えとは
住宅ローンの借り換えとは、現在契約している住宅ローンとは別の銀行で、新たな住宅ローンを借りることです。新たな住宅ローンで借りたお金で、従来の住宅ローンを一括返済します。
住宅ローンの条件は金融機関によって異なります。そのため、借り換えをすることで金利の条件が良くなるといったメリットもありますが、必ずしも良い点ばかりではありません。まずは住宅ローン借り換えのメリットとデメリットを確認しておきましょう。
メリット
住宅ローンを借り換えると、今までよりも金利の条件が良くなり、月々の返済額や総返済額を減らせる可能性があります。
<住宅ローン借り換えのメリット>
- 返済額を減らせる
- 金利タイプを変更できる
- 団体信用保険の条件を変更できる
金利が低くなれば返済額は低くなりますし、今まで変動金利タイプだった住宅ローンを固定金利に変更することもできます。住宅ローンを借りるときに加入が求められる団体信用保険にもさまざまな種類があるので、より充実した内容に変更できる可能性もあるでしょう。
しかし、住宅ローンの借り換えを行なえば、必ずしも上記のメリットがあるわけではありません。より良くなる可能性もありますが、デメリットも存在します。
デメリット
住宅ローンを借り換えるには、一定の手間と時間がかかります。そもそも住宅ローンを借りるには、たくさんの書類を準備したり審査を受けたりする必要がありますが、借り換えをするということは、もう一度同じ手間がかかるということです。
一度住宅ローンを借りられたからといって、ほかの銀行でも同じように借りられるとは限りません。前回ローンを組んだときとは条件が異なっているケースも考えられますし、銀行によって審査基準は異なります。
また無事借り換えができたとしても、期待したほどの効果がない場合もあります。今までの金利よりも低かったり、金利タイプを変更できたりしても、必ずしも大きなメリットになるとは限りません。
そのほか、他行で新しく住宅ローンを借り換える必要があるので、諸費用が発生します。諸費用は数十万円かかるため、慎重な判断が必要です。
このように住宅ローンの借り換えをする場合は、効果を期待できるか、大きなデメリットはないかを見極める必要があります。
住宅ローンの借り換えはいつがベスト?おすすめのタイミング
住宅ローンを借り換える時期に明確な規定はありませんが、おすすめできるタイミングがあります。
固定金利特約期間が終わるタイミング
住宅ローンの金利には、固定金利と変動金利があるのはご存じのことでしょう。固定金利には、「全期間固定(フラット35等)」のものと「一定期間の金利が固定」になるものがあります。
一定期間の金利が固定になるタイプとは、基本的に変動金利の住宅ローンに「固定金利特約」を付けるということです。たとえば5年や10年などの一定期間は最初に定めた固定金利で、固定金利特約終了後は原則変動金利に戻ります。固定金利特約が終わったあとに、再度固定金利特約を付けられることもあります。
この固定金利特約が付いている場合に注意したいのが、特約終了後の金利優遇は小さいことが多いということです。住宅ローンの実際の金利は、店頭金利(基準金利)から、優遇金利を引いた率になります。たとえば、店頭金利が2.9%で金利優遇が2%の場合、実際の金利は、0.9%です。
固定金利特約が終了した後は、金利優遇を低く設定している銀行が多いため、実際の金利が高くなることがあります。先ほどの例で言えば、固定金利特約終了後の金利優遇は「0.9%」と低く設定され、実際の金利は2.0%になるといった具合です。
しかも、固定金利特約が終了するタイミングが金利上昇局面だった場合、店頭金利も上がっている可能性が高いため、実際の金利はもっと高くなる恐れがあります。
このように、固定金利特約が終了すると金利が大きく変動するため、住宅ローンの借り換えを検討してみてもよいかもしれません。
好条件の住宅ローンを見つけたとき
既存の住宅ローンよりも金利が低いといった、好条件の住宅ローンを見つけたときも借り換えのタイミングです。
最初に住宅ローンを借りたときから数年も経てば、状況が変わってより条件が良い住宅ローンが出てくるかもしれません。また、キャンペーンを行っているときに借り換えできれば、お得な金利になることもあります。
ただし、既存の住宅ローンよりも少し金利が下がる程度では、あまり大きな効果は期待できないかもしれません。借り換えで効果が出やすい条件については、のちほど詳しくご紹介します。
金利タイプを変更したいとき
金利タイプを変更したいときも、借り換えを検討してもよいかもしれません。2026年1月現在、日本の金利は長年続いた低金利を脱却して上昇傾向にあります。住宅ローンを固定金利で借りている人は金利の変動がありませんが、変動金利の場合は今後の金利上昇を心配している人も多いのではないでしょうか。
ただし、焦って借り換えるのはおすすめできません。変動金利が上昇しているのと同じように、固定金利も上がっているからです。2026年1月現在においても、固定金利よりも変動金利のほうが低い状態が続いているため、安易に変更すると逆に総返済額が増える可能性もあります。
たとえば、全期間固定金利である「フラット35」の金利も上がっています。取り扱う金融機関によってフラット35の金利は若干異なりますが、2026年1月現在、借り換え向けフラット35の金利水準はおおむね2%前後です。
今後、現在借りている住宅ローンの変動金利が上がったとしても、固定金利の金利ほどは上がらないという可能性もあります。もちろん、現在固定金利に変更したほうが有利になるケースもあるので一概には言えません。しかし安易に実行するのではなく、シミュレーションなども利用してしっかり検討してから、借り換えを行いましょう。
転職・独立を検討しているとき
転職や独立を検討しているなら、その前に借り換えを行いましょう。住宅ローンを借り換える際には、問題なく返済できそうか審査が行われますが、審査基準の一つに勤務年数がある場合が多いからです。
そのほか収入も重要な要素のため、転職したり年収が下がったりすると、審査では不利になります。住宅ローンの借り換えと同じようなタイミングで転職を検討しているなら、転職前に行うことをおすすめします。
借り換えで効果が出やすい条件とは?
住宅ローン借り換えの効果を期待するには、「金利差」「ローン残高」「残りの返済期間」が、一定の条件を満たしていることが必要です。具体的にはどのような条件なのか、ご紹介していきます。
金利差はどれくらい必要?
借り換え前と借り換え後の金利差は、「1.0%以上」あることが望ましいです。あまり金利差がない場合、借り換えに必要な諸経費以上の利息軽減効果を期待できません。
ただし、残りのローン残高や返済期間が多く残っている場合は、金利差が0.3%以上あれば効果を期待できることもあります。
ローン借り換えを検討する場合は、金利差の目安は少なくとも0.3%以上、できれば1.0%以上を目安にしてみてください。
借り換えに向いているローン残高
ローンの残高は、1,000万円以上が目安です。残高が少ない場合は利息も少なくなるため、借り換えを行っても期待するほどの利息軽減効果を得られないかもしれません。
場合によっては、借り換えに必要な諸費用の方が多くかかってしまいます。ローン残高が1,000万円以上ない場合は、借り換えをしない方が総支払額を抑えられる可能性があります。
ただし金利差が非常に大きい場合や、残りの返済期間がまだ長く残っている場合はその限りではありません。
残りの返済期間の目安
残りの返済期間の目安は、10年以上です。ほかの条件と同じように、残りの返済期間が短い場合は利息軽減効果が少なくなります。
返済期間が短い中で借り換えを行うと、手続きに必要な諸費用の方が高くつくかもしれません。特に残りの返済期間が5年以下の場合は、逆効果になる可能性が高いです。
できればすべての条件を満たしていることが望ましいですが、そうでなくても借り換えのメリットがある場合もあります。借り換えによって利息軽減効果が諸費用を上回るかどうか、シミュレーションをして確認してみるとよいでしょう。
借り換え時の注意点
住宅ローン借り換えのデメリットについてはすでに簡単にご紹介していますが、さらに詳しく説明していきます。借り換えの際に気を付けたい注意点についてもご紹介するので、事前に確認しておいてください。
手数料や諸費用が発生する
住宅ローンを借り換える場合、新たに他行で手続きを行う必要があるため、新規で住宅ローンを組んだときと同様、手数料や諸費用が発生します。
<住宅ローン借り換えで発生する諸費用の目安>
費用の種類 |
目安 |
事務手数料 |
定率型:借入金額の2.2%程度が目安。 定額型:数万円~数十万円。 |
抵当権抹消費用 |
数万円(司法書士に依頼した場合)。 |
登録免許税 |
数万円。 |
司法書士報酬 |
5万円~10万円程度。 |
印紙税 |
1,000万円超5,000万円以下:2万円 |
団体信用保険料 |
0円~。 |
繰上げ返済手数料 |
0円~数万円。 |
住宅ローン保証料 |
0円~数十万円。 |
諸費用の金額は金融機関や借入金額などによって異なりますが、30万円~80万円程度かかることもあり、決して少ない金額とは言えません。特に事務手数料は金融機関によって大きく異なるため、注意が必要です。
借入金額の額によって事務手数料が異なる場合(定率型)と、借入金額にかかわらず手数料が一定の場合(定額型)があります。借入金額が多い場合は、事務手数料が一定の「定額型」の金融機関を選ぶとよいかもしれません。
そのほか、金融機関によって団信の保険料や住宅ローンの保証料などが発生しない場合もあります。住宅ローンの諸費用は、借り換えメリットに大きく影響するポイントなので、金額はもちろん内訳もしっかり確認しておきましょう。
思ったよりも効果が出ない可能性も
住宅ローンの借り換えでメリットを得るには、「金利差」「ローン残高」「残りの返済期間」の条件を満たす必要があることは既にお伝えした通りです。
しかしこの条件を満たしていたとしても、あまり効果が出ない、もしくは逆効果になることもあります。「諸費用の金額が高い」「もともとの金利が非常に低い」などといった場合、期待したほどの効果は出ないかもしれません。
また、金利タイプを変更することで思わぬデメリットが発生することも考えられます。たとえば金利上昇局面の今、変動金利から固定金利に借り換えをした場合、返済金額が変わらないという安心感がある一方、毎月の返済額や総返済額が増えるというリスクがあります。
「変動金利が上昇したら、結局金利が高くなるので同じでは?」と思うかもしれませんが、借り換えをした場合は「諸費用」が発生します。この諸費用分を考えると、借り換えしない方が結果的に安く済む場合もあるのです。
住宅ローンを借り換える場合は、事前にシミュレーションをしっかり行い、メリットがあるかをよく検討しましょう。
住宅ローン控除を受けられない場合がある
住宅ローン控除を受けている場合、借り換えによって控除を受けられなくなる場合があります。借り換えそのものを理由に住宅ローン控除が使えなくなるわけではありませんが、一定の条件を満たさない場合は対象外になることがあるので注意が必要です。
住宅ローン控除を受けるための条件は、以下の通りです。
- 新しい住宅ローンが、当初の住宅ローン返済のためであることが明らかなこと。
- 新しい住宅ローンが、住宅借入金等特別控除の対象要件(償還期間が10年以上など)に当てはまっていること。
住宅ローン控除を受け続けるためには、新しく借りる融資金が従来のローン返済に使われることを証明しなければなりません。ほかの目的に借入金を使用すると、控除を受けられなくなるので注意しましょう。
また住宅ローン控除を受けるには、床面積の大きさや所得といった条件がありますが、借り換えで問題になりそうなのが、「借入期間10年以上」という条件です。借り換えで借入期間が10年未満になると、住宅ローン控除は使えなくなります。
なお、借り換えしたとしても住宅ローン控除の期間が延長されるわけではありません。
手続きに手間や時間がかかる
住宅ローンを借り換えるには、最初に借りたときと同じような手続きが必要です。さまざまな書類を用意する必要があり、非常に手間や時間がかかります。
金利が低くなれば返済額を抑えられる可能性が高くなりますが、その差があまり大きくない場合、借り換えにかかる手間や時間の負担の方が大きいかもしれません。
果たしてその手間をかけてでも借り換えをした方がいいのか、よくシミュレーションしてから実行してください。
審査に通らず借り換えられないことも
たとえ過去に住宅ローン審査に通過したとしても、借り換えになると新たに審査を受けなければなりません。条件が悪くなっていた場合、借り換えできないこともあるので注意しましょう。なぜ審査に通らなくなるのか、要因をご紹介していきます。
<借り換えで住宅ローンの審査に通らない原因>
・収入
収入が下がった場合、住宅ローンの借り換えは難しいかもしれません。住宅ローンを借りるには、「安定した収入」が求められるからです。
最初に住宅ローンを借りたときよりも大幅に収入が下がった場合、再審査に通らず借り換えができない可能性があります。また、借り換えできたとしても、融資金額が希望額を下回る可能性もあります。
・勤続年数
住宅ローンの審査では「勤続年数」を見られることがほとんどです。勤続年数が短かったり、自営業だったりする場合は、収入が不安定なのではと不安視されます。転職したり、独立したりした場合は、住宅ローンの借り換えで審査に通らない可能性があるので注意しましょう。
・健康
健康状態が悪化すると、団体信用保険(団信)への加入が難しいことがあります。団信に加入できないと住宅ローンを借りられない場合が多いため、健康状態の悪化で借り換えできないこともあるでしょう。
・年齢
住宅ローンを借りるには、借入時や返済時の年齢も審査対象となります。そのため、年齢が上がってから長期の住宅ローンを借りようとしても、審査に通らないかもしれません。借り換えで返済期間を長くしようとする場合は、特に注意が必要です。
・ほかのローンを組んでいる
自動車ローンやカードローンなど、住宅ローン以外のローンを組んでいる場合も、審査が通りにくくなります。既存の住宅ローンを組んだあとに、ほかのローンを組んだ人は注意しましょう。
・住宅の担保価値
金融機関は、住宅ローンを融資する際には不動産の抵当権を付けます。万が一返済が滞った場合は、売却して返済費用に充てるためです。物件の価値が下がれば売却しても融資金額を回収できない恐れがあります。そのため、住宅の担保価値が下がると借り換えの審査に通らないかもしれません。
・返済実績
そのほか、既存の住宅ローンを返済中に遅延したことがあるなど、返済実績に問題がある場合も、審査が通らない可能性があります。
そのほか、住宅ローン審査に落ちる理由を詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。
団信の保障内容が変わるリスク
団体信用保険(団信)は、住宅ローンを借りるための条件になっていることが多いです。先ほどご紹介したように、健康状態が悪くなって団信に入れない場合、住宅ローンの借り換え自体が難しくなることもあります。
しかし見落としがちなのが保障内容の変更です。団信には、死亡・高度障害保障しか付いていないものから疾病保障やがん保障が付いているものまで、内容はさまざまです。死亡・高度障害保障しか付いていないものよりも、特定の疾病やがんになれば住宅ローンが免除される内容のほうが手厚い保障と言えます。
借り換えで入った団信の保障内容が、今までのものよりも手薄になることもあるので、事前に必ず確認しましょう。逆に、借り換えを機に団信の内容を厚くできる可能性もあります。
そのほか、「繰り上げ手数料が発生する」といった条件が追加され、利便性が低くなることもあります。住宅ローンの借り換えを検討する際は、金利だけでなく諸条件にも目を向けてみてください。
借り換え効果をシミュレーションで比較
住宅ローンを借り換えると、実際にどれくらいの効果があるのか例を使ってご紹介していきます。
ローン残高3,000万円の場合
まずは、「ローンの残高が3,000万円・残りの返済期間が30年」と、ローンを組んで数年程度の例をご紹介します。借り換え前の金利条件を①と②の2種用意したので、見比べてみてください。
※三井住友銀行のシミュレーション結果を利用
<借り換え前の状況>
|
条件① |
条件② |
借り入れ希望額 |
3,000万円 |
3,000万円 |
金利 |
2.5% |
1.5% |
返済期間 |
30年 |
30年 |
※元利均等返済、ボーナス払いなし
<借り換え後の条件>
- 借り入れ希望額 3,000万円
- 金利 1.025%
- 返済期間 30年
※元利均等返済、ボーナス払いなし
<借り換え効果>
|
条件① |
条件② |
諸費用を含めた増減額 |
-6,892,000円 |
-1,492,000円 |
借り換え前の総返済額 |
42,672,960円 |
37,272,960円 |
借り換え後の総返済額 |
34,860,960円 |
34,860,960円 |
諸費用合計 |
920,000円 |
920,000円 |
条件①の場合、金利差は約1.5%。条件②の場合は、約0.5%の金利差です。上記を見ると、借り換え前と借り換え後の金利差があればあるほど、効果が大きくなります。ただし条件②のようにあまり金利差がない場合でも、ローン残高が多く返済期間も長く残っている場合は、借り換え効果を期待できるでしょう。
ローン残高1,000万円の場合
続いて、ローン残高があまりない場合のシミュレーションです。借り換え前の条件が変わると、シミュレーション結果も大きく変わります。ローン残高が1,000万円、残りの返済期間が10年の場合を想定してみました。
<借り換え前の状況>
|
条件① |
条件② |
借り入れ希望額 |
1,000万円 |
1,000万円 |
金利 |
2.5% |
1.5% |
返済期間 |
10年 |
10年 |
※元利均等返済、ボーナス払いなし
<借り換え後の条件>
- 借り入れ希望額 1,000万円
- 金利 1.025%
- 返済期間 10年
※元利均等返済、ボーナス払いなし
<借り換え効果>
|
条件① |
条件② |
諸費用を含めた増減額 |
-396,840円 |
+140,520円 |
借り換え前の総返済額 |
11,312,280円 |
10,774,920円 |
借り換え後の総返済額 |
10,525,440円 |
10,525,440円 |
諸費用合計 |
390,000円 |
390,000円 |
金利差の条件は先ほどと全く同じです。しかし今回は、条件②のように残債や返済期間が短くて金利差があまりない場合、たとえ返済額が少なくなっても諸費用分を含めると、負担がアップしてしまいました。
条件①のように金利差があれば効果を見込めますが、40万円ほどの軽減なので、手間や時間がかかることを考えると躊躇する人もいるかもしれません。
なお、金利や諸費用は金融機関によって異なります。ご自身のシミュレーションを行うときは、借り換えを検討している金融機関が提供しているツールを利用してください。
住宅ローン借り換えのステップ
住宅ローンを借り換えるときは、以下のようなステップで進みます。
1. 借り換え先を選ぶ
2. 仮審査
3. 本審査
4. 現在借り入れ中の金融機関に連絡
5. 借り換え先の金融機関と契約
6. 抵当権の設定
7. 融資実行
それぞれ詳しくご紹介していきます。
借り換え先を選ぶ
まずは新たに借り換える金融機関を選びましょう。住宅ローンの借り換え先は、複数比べることをおすすめします。簡単な質問に答えるだけで、おすすめの住宅ローンを紹介してくれるサイトもあるので、一度チェックしてみてもよいかもしれません。
金融機関によって金利はもちろん、諸費用や条件などが異なります。まずは金利を目安にしても問題ありませんが、そのほかの条件もしっかり確認しましょう。
多くの金融機関でシミュレーションを提供しているので、実際に試してみてください。変動金利か固定金利かによっても大きく結果は変わります。特に変動金利の場合は、将来的な変動はどれくらいあるのか予測を立てながらシミュレーションするとよいでしょう。
シミュレーションの結果、どれくらい借り換え効果があるのか、手間や時間をかけてもやる価値はあるのか考えなくてはなりません。効果を期待できる場合、次のステップに進んでみてください。
仮審査の申し込み
借り換え先を絞ったら、仮審査の申し込みに進みます。仮審査であれば複数の金融機関に申込が可能なので、2~3箇所申し込んで一番条件が良いところを探してもよいでしょう。
ほとんどの金融機関で、Web上での仮審査が可能です。審査期間の目安は1週間程度ですが、もう少しかかる場合もあるので時間に余裕をもって行いましょう。
仮審査で必要になるのは、たとえば以下の書類です。
- 収入に関する書類(源泉徴収票等)
- 借り入れ物件の情報
- 借り入れ中のローンに関する書類(返済予定表、残高証明書など)
そのほか、金融機関によって必要な書類は異なります。
本審査の申し込み
仮審査に通ったら、本審査に申し込みをします。本審査は一つの金融機関にしか申し込めないので、複数の仮審査が通った場合は、一番良い条件の金融機関を選びましょう。
本審査もネットで完結できる金融機関もあり、審査にかかる期間はおよそ2週間程度です。本審査に必要な書類は以下のような書類で、仮審査よりも厳しくチェックされます。
- 本人確認書類
- 収入に関する書類
- 借り入れ中のローンに関する書類
- 返済履歴がわかる書類
仮審査と本審査のどちらで書類が求められるかは金融機関によって異なります。仮審査の必要書類はなく、本審査で提出が求められることもあるため、手続きを進める金融機関の情報を確認してください。
なお、仮審査に通っても本審査に通らないこともあります。
現在借り入れ中の金融機関に連絡
本審査に通ったら、現在借り入れしている金融機関に連絡をします。「借り換えのため、全額繰り上げ返済をしたい」と伝えるとよいでしょう。
ただし、全額繰り上げ返済を行うには手数料が発生することもあります。繰り上げ返済にかかる費用など、条件について確認しておいてください。
実際に返済するのは、融資実行日になります。まずは、借り換えの意思を伝えておきましょう。
借り換え先の金融機関と契約
借り換え先の金融機関と契約を進めます。ネット上で完結できる場合もありますが、対面式の金融機関は直接出向く必要があるかもしれません。そのほか、郵送で手続きが完了する場合もあります。
契約をする前に、融資額や金利、返済方法などに間違いがないかしっかり確認しましょう。契約書の控えは大切に保管しておいてください。
司法書士による抵当権の設定
金融機関との契約が済んだら、従来の金融機関による抵当権の抹消と、新たな金融機関による抵当権の設定を行います。
通常、借り換え先の金融機関の司法書士が行ってくれるので、自分で司法書士を探す必要はありません。ただし、司法書士による本人確認があります。
融資実行
融資の実行日に、借り換え先の金融機関から従来の金融機関の返済口座に資金が振り込みされ、全額繰り上げ返済が完了します。
繰り上げ返済が完了すると、従来の金融機関から抵当権を抹消するための書類が発行されます。直接借り入れ者本人に渡されることもあれば、司法書士に渡してくれることもあるので、抵当権抹消のための書類はどうなるのか、事前に確認しておきましょう。もし直接受け取った場合は、できるだけ早く司法書士に渡してください。
住宅ローンの借り換えに関するQ&A
最後に、住宅ローンを借り換えるときに多い疑問に対してお答えしていきます。
変動金利と固定金利、どちらがいいの?
住宅ローンを組むときの大きな悩みの一つが、「変動金利」と「固定金利」のどちらにするかではないでしょうか。
変動金利と固定金利、それぞれにメリットとデメリットがあるため、どちらが良いとは一概に言えません。しかしどちらを選ぶか迷った場合は、以下を参考にしてみてください。
変動金利がおすすめの人 |
固定金利がおすすめの人 |
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変動金利は固定金利と比べて金利が低いというメリットがありますが、将来的には金利が上昇し、利息負担が増える可能性があります。
ローン返済期間が短い場合や繰り上げ返済を予定しているなど、比較的短期間でローンを完済するつもりの人は変動金利に向いているかもしれません。短期間であれば、金利上昇リスクを抑えられる可能性が高いです。また繰り上げ返済を行って元金を減らすことで、利息負担を軽減できます。
将来的に収入が増える予定があれば、金利が上昇したときの利息負担にも耐えられるでしょう。そのほか、金利動向に敏感で経済情勢を判断できる場合、その時々の状況を判断して借り換えや繰り上げ返済を行うといった行動がとれるため、変動金利でも良いかもしれません。
一方固定金利に向いている人は、毎月の収支を安定させたい人です。ローン返済額が変わらないため、先々の予定も立てやすいでしょう。将来的な返済額の上昇に大きな不安を感じる人は、固定金利の方が向いているかもしれません。
変動金利と固定金利に関しては、以下の記事も参考にしてみてください。
同じ銀行で借り換えは可能?
原則として、同じ銀行で借り換えすることはできません。なぜなら、既存顧客に金利を下げるメリットが金融機関にはないからです。
ただし、現在借りている銀行で「フラット35」を提供している場合は、借り換え可能な場合もあります。フラット35に変更することで利点を感じられるのであれば、同じ銀行内での変更を検討してもよいでしょう。フラット35から最新のフラット35に借り換えできる場合もあります。
例)フラット35を契約しており、より金利が有利な「フラット20」への借り換え等。
また、原則として同じ銀行で借り換えはできませんが、金利タイプを変更したり、金利交渉ができたりする場合もあります。
変動金利タイプから固定期間選択型に変更、または固定金利特約期間の終了後に変動金利に変更することは多くの金融機関で可能です。ただし、固定金利特約期間内に変更することはできません。
また、金利の引き下げ交渉に応じてくれる可能性もあります。より金利が低い他社のローンを引き合いに、「借り換えを検討している」と交渉すると、金利を引き下げてくれるかもしれません。事前に借り換え候補先で仮審査を受け、その結果をもとに交渉を行いましょう。ただし、必ずしも交渉に応じてもらえるわけではないので、過度に期待しないほうが良いかもしれません。
借り換え手続きにはどれくらいの期間が必要?
借り換えにかかる期間は、およそ1カ月から1カ月半程度です。住宅ローン契約の条件に問題がなく、書類も不備なく準備して司法書士との面談などもスムーズに行えば、1カ月程度で借り換えできるでしょう。
あとから条件を変更したり、書類に不備があったりする場合は時間がかかることもあるので、事前にしっかり計画を立て、必要書類を準備しておいてください。
借り換えは事前準備が肝だと言えます。少なくとも、借り換え希望の1カ月半くらい前から準備を始めることをおすすめします。
借り換えで失敗するのはなぜ?
実は、借り換えで「失敗した」と感じる人は少なくありません。なぜそう感じるのか、要因をご紹介していきます。
・想定していた金利より高い
住宅ローンの金利は、最終的に融資実行日や契約日に決定されることが多いです。そのため、シミュレーションで想定していた金利と実際に提示される金利に差が出ることは少なくありません。
昨今の金利上昇局面では、ひと月違うだけで金利が大幅に上がることも考えられます。特に金利の最終決定が「融資実行日」である場合、シミュレーションや審査をした時点からある程度の期間が空くため、注意が必要です。
金利差が少なくなると、借り換えによるメリットは少なくなります。特に残りの返済額や返済期間が短い場合、利息軽減額よりも諸費用の方が大きくなるリスクもあるため、注意しましょう。
・想定以上に諸費用がかかった
諸費用が想定していたよりも高くなってしまった、という失敗例も多いです。見積もりにすべての諸費用が含まれておらず、想定額の費用が発生したという報告もあります。
特に借り換え前の住宅ローンを繰り上げ返済する際の手数料や書類発行料など、想定していなかったコストが発生することがあるので、注意が必要です。見積もりにすべての費用が含まれているか、シミュレーション時にはもちろん、契約する前にもしっかり確認しましょう。
・団信の保障内容が薄くなる
住宅ローンを借り換えると、団体信用生命保険も変更されます。保障内容が大幅に変更されることもあるので、注意が必要です。特に従来の団信にがんや三大疾病保障が付いているなど、手厚い内容だった場合、新しい住宅ローンの団信の保障内容もしっかり確認しておきましょう。
保障内容を手厚くしたくても、健康状態に不安があれば難しいケースもあります。場合によっては団信への加入自体ができなくなり、住宅ローンの借り換えができないこともあります。健康状態に問題がある場合は、借り換えを見送ったほうがよいかもしれません。
・総支払額が増えた
住宅ローンの借り換えをして、たとえ月々の返済額が少なくなったとしても、総支払額が増えてしまったという失敗も多いです。総支払額が増える要因は、主に以下が考えられます。
- 諸費用を考慮していなかった
- 返済期間を延長
- 金利タイプを変更
諸費用を考慮しないと、月々の返済額が減っても、総支払額が増える可能性があります。特に残りのローン残高や返済期間が少ない場合は、利息軽減分よりも諸費用のほうが高くつく可能性があるので注意しましょう。
返済期間を延長するのも注意が必要です。返済期間が長くなればなるほど、利息負担が大きくなります。また、安易に金利タイプを変更すると、思っていたよりも総支払額が増えてしまうかもしれません。
・借り換えタイミングを間違えた
住宅ローンは借り換えのタイミングによっては、あまりメリットがないことも少なくありません。たとえ総支払額が多少減ったとしても、手間や時間がかかることを考えると、それほどのメリットではなかったと感じる人もいます。
・金利タイプの変更
変動金利の場合、先々の金利上昇の不安から、固定金利への変更を検討している人もいるでしょう。しかし実際に変更してみると、月々の返済額が思っていたよりも上がってしまい、後悔するかもしれません。金利タイプの変更は、慎重に行いましょう。
まとめ
現在の金利上昇局面で、住宅ローンの借り換えを検討している人は少なくないかもしれません。しかし住宅ローンの借り換えは、支払額を抑えられる可能性があるものの、状況によってはメリットがあまりない場合もあります。
借り換え前と借り換え後の金利差が1.0%以上あり、1,000万円以上のローン残高、10年以上の返済期間がある人は、借り換えを検討してみてもよいかもしれません。
一方、ローン残高や返済期間が短い、金利差があまりない、健康に不安があるなどの場合は慎重に判断することをおすすめします。金利タイプの変更も慎重に行いましょう。
住宅ローンの借り換えはメリットもあればデメリットもあります。借り換えで失敗や後悔をしないためにも、ぜひ本記事でご紹介した内容を参考にしてみてください。
