オルカンとは何?初心者にもわかる仕組みや特徴・人気の理由を徹底解説
新NISAでおすすめの投資信託として「オルカン」がよく取り上げられますが、そもそもオルカンとはどのような投資信託なのか、人気の理由は何なのかについて、よく知らないという人も多いのではないでしょうか。
新NISAで投資をする際は、「オルカン」をはじめとした様々な投資信託の特徴を理解し、自分の考えに合ったものを選ぶことが大切です。
この記事では、オルカンの基本的な特徴からメリットデメリット、人気の理由を詳しく解説します。
オルカンと比較検討できる投資信託も合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
・目次
オルカンとはeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のこと
オルカンとは、正式名称を「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」といい、三菱UFJアセットマネジメントが提供する投資信託(ファンド)のことをいいます。
投資信託とは、運用のプロが投資家から集めたお金を用いてさまざまな商品(株式、債券、金、不動産など)に投資する金融商品です。
また、投資信託は大まかに分けて、以下のように「インデックス型」と「アクティブ型」の2種類に分けられます。
投資信託の種類 |
特徴 |
インデックス型 |
日経平均株価やTOPIXなどの株価指数(インデックス)に連動するように設計されている |
アクティブ型 |
株価指数以上の成績を目指して設計されている |
オルカンは、「MSCI オール・カントリー・ワールド指数(MSCI ACWI)」という指数に連動するように作られているため、「インデックス型投資信託」です。
オルカンは、世界の株式市場を幅広くカバーする指数(MSCI ACWI)に連動するように運用されていることから、「これ1本で世界中に投資できる投資信託」として初心者から上級者まで幅広い人々に支持されています。
オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)はどんな投資信託?基本情報
オルカンと呼ばれる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の基本的な情報は以下のとおりです。
項目 |
内容 |
特徴 |
全世界の株式に投資している。世界経済に連動した運用成績。 |
ベンチマーク(指針とする株価指数) |
MSCI オール・カントリー・ワールド指数(MSCI ACWI) |
投資先 |
23の先進国と、24の新興国の中型・大型株に投資。 ただし、米国株が6割を占める。 |
トータルリターン(年率)※ ※対象期間にどれだけ値上がり・値下がりしたかを示すもの |
1年:23.02% 3年:24.33% 5年:21.32% ※2025年12月16日時点 |
投資リスク |
全世界に分散投資しているため、投資リスクを低減できる。 |
コスト |
信託報酬が0.05775%。運用コストは低め。 |
オルカンの基本情報について、それぞれ詳しく解説します。
オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)の特徴
オルカンは、「オール・カントリー」という名前の通り、世界中にまとめて分散投資できることが特徴です。
オルカンは「これ1本で世界に投資できるファンド」として、長期投資のための投資信託として選ばれることが多くなっています。
全世界株式を対象とした投資信託は、オルカンだけでなく以下のような種類がありますが、オルカンはその中でも純資産総額が大きく、人気が高くなっています。
ファンド名 |
純資産総額 |
オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式) |
8703.44億円 |
楽天・全世界株式インデックスファンド |
7447.13億円 |
SBI・全世界株式インデックスファンド |
3373.57億円 |
(2025年12月9日時点)
オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)のベンチマーク
ベンチマークとは、ファンドが運用指針にする基準のことです。
オルカンは「MSCI オール・カントリー・ワールド指数(MSCI ACWI)」に連動するように設計されており、これ1本で世界中の株式に分散投資できる仕組みになっています。
「MSCI ACWI指数」は、23の先進国と24の新興国の大型株・中型株を対象としており、定期的に変更はあるものの、組入銘柄数は2,500前後です。
また、世界の投資可能株式の約85%をカバーしており、ACWI指数をベンチマークにしている資産は約4.9兆米ドルとなっています。
オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)の国別・業種別投資先と組入上位10銘柄
オルカンの投資先は全世界の株式ですが、以下のように米国株式が6割以上を占めています。
※三菱UFJアセットマネジメントの情報を基にマネのび作成
これは、「MSCI ACWI」が時価総額加重平均型のため、時価総額が大きい国や企業ほど、指数に占める割合が高くなるからです。
米国株式市場は世界最大の時価総額を誇っており、世界の株式時価総額の約6割前後を米国が占めているため、その結果として「MSCI ACWI」でも米国比率も約6割となっています。
オルカンの上位10銘柄は以下のようになっており、上位はほぼ米国で占められていることがわかります。
銘柄 |
国・地域 |
業種 |
比率 |
エヌビディア |
アメリカ |
情報技術 |
5.3% |
アップル |
アメリカ |
情報技術 |
4.3% |
マイクロソフト |
アメリカ |
情報技術 |
4.0% |
アマゾン |
アメリカ |
一般消費財・サービス |
2.3% |
ブロードコム |
アメリカ |
情報技術 |
1.8% |
アルファベット(クラスA) |
アメリカ |
コミュニケーション・サービス |
1.8% |
メタ |
アメリカ |
コミュニケーション・サービス |
1.5% |
アルファベット(クラスC) |
アメリカ |
コミュニケーション・サービス |
1.5% |
テスラ |
アメリカ |
一般消費財・サービス |
1.4% |
台湾セミコンダクタ |
台湾 |
情報技術 |
1.3% |
またオルカンの組入上位業種をみてみると、情報技術や金融の割合が高くなっています。
※三菱UFJアセットマネジメントの情報を基にマネのび作成
オルカンがベンチマークにしている「MSCI ACWI」は、年4回(四半期ごと)銘柄を見直しています。
構成比が大きく動くことはあまりありませんが、ロシアによるウクライナ侵攻があった際にはロシアを構成から除外するなど、情勢を考慮した対応を行っています。
オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)の平均利回り
オルカンの利回りとは、全世界の株式市場への分散投資として得られる、年間あたりの運用成績のことです。
オルカンの平均利回りは年率5%~8%前後とされることが多く、世界経済成長率と連動した水準といえます。
直近のトータルリターン(対象期間にどれだけ値上がり・値下がりしたかを示している)は上記の表のようになっており、高いパフォーマンスとなっています。
ただし、実績はあくまでも過去のデータに基づく平均値であり、将来同じだけリターンが得られるとは限りません。
株式市場は景気の後退や金利動向、金融危機、地政学リスクなどさまざまな影響を受けるため、短期的にマイナスになる年もあります。
逆に、近年のように世界経済(特に米国市場)が好調な場合は、直近1年のトータルリターンが20%以上となる場合もあります。
オルカンは世界経済の成長を取り込みながら長期で安定した資産形成を目指すファンドであるため、短期的な数字に一喜一憂せず、長期で保有し続けることが大切です。
オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)のリスク
オルカンは世界中の株式に分散投資しているため、投資リスクは比較的抑えられているといえます。
しかし、オルカンは時価総額加重平均型のインデックスファンドのため、投資先の6割は時価総額の高い米国株式に偏っているのが実情です。
そのため、米国市場が下落すると大きなダメージを受けてしまうというリスクがあります。
このようなリスクに対応したい場合は、金や不動産など、株式とは違う動きをする資産への分散投資もひとつの選択肢となります。
金や不動産への投資については、以下の記事も参考にしてください。
オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)の手数料や信託報酬
オルカンの手数料や信託報酬は以下のようになっており、購入時や売却時に発生する費用は不要で、純資産総額に対して年率0.05775%の信託報酬のみかかります。
購入手数料 |
0円(ノーロード) |
信託財産留保額 |
0円 |
信託報酬(年率) |
0.05775% |
インデックスファンドの信託報酬は、一般的に0.1%程度だといわれていることからも、オルカンのコストが低いことがわかります。
特に、「eMAXIS Slim」シリーズは、極力コストを抑えるように設計されているため、他の全世界株式型のインデックスファンドと比較しても、手数料が非常に安く抑えられています。
ファンド名 |
信託報酬 |
オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式) |
0.05775% |
楽天・全世界株式インデックスファンド |
0.132% |
SBI・全世界株式インデックスファンド |
0.0682% |
長期投資のパフォーマンスを最大限に引き上げるためにも、できるだけ信託報酬が安い種類を選ぶと良いでしょう。
オルカンのメリット5選!理解しておきたい人気の理由
オルカンにはさまざまな魅力がありますが、ここでは5つのメリットに絞り、さらにわかりやすく解説します。
オルカンのメリット①世界50カ国以上に分散投資できる
オルカンの大きなメリットの一つが、「全世界に分散投資ができる」という点です。
分散投資はリスクを抑える運用の基本で、分散すればするほど投資リスクが低くなるという特徴があります。
オルカンは世界中の株式に分散投資しているため、成長を続ける米国企業の恩恵を受けつつも、より安全に運用していきたい人に最適な選択肢といえます。
また、オルカンと同じく人気がある投資信託として「S&P500」が挙げられますが、こちらは米国主要企業の株式のみを対象としています。
オルカンは、さまざまな国に分散投資しているため、特定国への依存リスクは低いファンドといえます。
オルカンのメリット②運用コスト(信託報酬)が業界最低水準
オルカンのメリットとして、運用コスト(信託報酬)が非常に安いことも挙げられます。
オルカンでは、購入時手数料・売却時手数料がどちらも不要で、信託報酬も純資産総額に対して0.05775%と業界最低水準です。
長期投資では、信託報酬のわずかな差が最終的なリターンに大きな影響を及ぼします。
例えば、信託報酬の差が0.1%ほどであったとしても、20年・30年という長期投資においては、数十万円以上の差が生じることもあります。
オルカンは、毎年差し引かれるコスト(信託報酬)が最も安く設定されているため、全世界型の投資信託の中でも、リターンを最大化できる商品であるといえます。
オルカンのメリット③新興国にも投資が可能
オルカンは、今後大きな成長が期待されている新興国にも投資できることもメリットです。
オルカン全体における先進国の割合は89.7%、新興国は10.3%となっています。
また、組み入れられている新興国や地域は以下のようになっており、ヨーロッパからアジア・中東まで幅広い国々に投資していることがわかります。
※「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」投資信託説明書(交付目論見書)を基にマネのび作成(2025年3月時点)
このように、個人での投資が難しい国々に分散投資できることも、オルカンの大きなメリットです。
オルカンのメリット④銘柄選びが不要で初心者に最適
オルカンは世界中の約2,500銘柄に分散投資しているため、銘柄選びの手間がかからないこともメリットです。
また、オルカンのベンチマークである「MSCI ACWI」は、以下のような条件を満たす、信頼性が高い企業に投資しています。
- 外国人投資規制が厳しすぎない
- 株式の売買を自由に行える
- 資本移動の制限がない
- 時価総額が一定以上ある
- 浮動株比率が十分に高い
- 流動性が十分にある
- 財務や上場形態が条件を満たしている
「MSCI ACWI」は年4回「新規採用」「除外」「構成比率の変更」などの定期的な見直しを行っているため、その時代を代表するような銘柄に自動的に分散投資できることが大きなメリットといえます。
オルカンのメリット⑤新NISAと相性が良く長期投資に向いている
新NISAとは、非課税保有限度額の範囲内で保有している金融商品の売却益や分配金・配当金が、恒久的に非課税となる制度です。
オルカンは、この新NISAの「つみたて投資枠」「成長投資枠」どちらも利用できるため、「つみたて投資枠で毎月積立しつつ、価格が安くなったタイミングで成長投資枠を利用してまとまった資金を投入する」というような、柔軟な投資が可能です。
オルカンは信託報酬が安く長期投資に向いていること、新NISAの2つの投資枠を活用して柔軟に投資できることがメリットといえます。
新NISAについては、以下の記事も参考にしてください。
オルカンのデメリットは?理解しておきたい5つのポイント
オルカンにはさまざまなメリットがある人気の投資信託ですが、一方でいくつかデメリットもあります。
ここでは、オルカンのデメリットや注意点について詳しく解説します。
オルカンのデメリット①米国への依存が高い
オルカンは全世界に分散投資しているものの、すべての国に均等に投資しているわけではなく、米国株式が約6割以上となっています。
このように、オルカンは米国株の割合が高いため、実質的に米国株の値動きに大きく左右されるところがデメリットといえます。
オルカンのデメリット②短期の値動きが大きい場合がある
オルカンは比較的値動きが大きい「株式」に投資しているため、債券や金、不動産などと比べると値動きが大きいことがデメリットといえます。
たとえば世界的な金融危機が起きた「リーマンショック」のときは世界同時株安となり、世界市場の株価が50%近くも下落したため、多くの投資家が多大な損失を出しました。
しかし、その後「S&P500」も「全世界株式指数(MSCI ACWI)」も10年ほどで回復し、高値を更新しています。
このように、世界同時株安や米国市場の暴落などが発生した場合でも、長期投資で保有し続けていればプラスのリターンになる可能性が高いといえます。
オルカンに投資する際は短期の値動きに惑わされず、長期で保有するようにしましょう。
オルカンのデメリット③為替の影響を受けやすい
オルカンのデメリットとして、為替の影響を受けやすいことが挙げられます。
オルカンは日本円で購入できる投資信託ですが、実際は米国をはじめとした海外企業の株式に投資しています。
そのため、株価の変動に加えて為替レートの変動も投資信託の基準価額に影響するという特徴があります。
特にオルカンは6割以上を米国株が占めており、米ドル建て資産比率が高くなっているため、株価の変動に加えて「ドル円為替レートの変動」もオルカンの基準価額に大きく影響します。
例えば、為替レートが変動すると、利益率も以下のように大きく変化します。
<例>
ドルベースで10%の利益率の場合(10ドル→11ドル)
【1ドル140円から150円の円安の場合】
10ドル=1,400円 → 11ドル=1,650円
250円の利益 → 利益率は約17.8%
【1ドル140円から130円の円高の場合】
10ドル=1,400円 → 11ドル=1,430円
30円の利益 → 利益率は約2%
普段は円に換算した成績を確認することが多いため、あまり意識しない人も多いですが、為替の影響で利益率が大きく変化しています。
このように、オルカンは為替の影響を受けやすい投資信託といえます。
オルカンのデメリット④短期間で大きなリターンを得にくい
オルカンのデメリットとしてしばしば挙げられるのが、短期間で市場平均を大きく上回るリターンは期待しにくいという点です。
オルカンは「MSCI ACWI」に連動するインデックスファンドであり、世界中の株式市場の値動きをそのまま反映する設計です。
そのため、特定の国や成長産業に集中投資するファンドに比べると、リターンが平均的な水準に落ち着きやすくなります。
分散投資は投資のリスクを抑える方法としては効果的ですが、その一方で、米国株や新興国株など一部の市場が急成長した場合、その恩恵を享受しにくいという側面があります。
特定の国やセクターが急騰するような場面で大きな利益を得たい人は、オルカン以外の選択も検討すると良いでしょう。
オルカンのデメリット⑤日本株の組入比率が低い
オルカンのデメリットとして挙げられるのが、日本株比率が低いという点です。
オルカンは先進国・新興国に幅広く分散投資できるのが特徴です。
しかし、日本の株式市場が世界全体の時価総額に占める割合が少なく、日本株の比率は約5%にとどまっています。
そのため、身近な日本株に投資したい人にとっては「オルカンは物足りない」と感じる可能性があります。
日本株にもしっかり投資したい場合は、オルカンに加えて日経225に連動するインデックス投信を保有すると良いでしょう。
オルカンの将来性は?今後の見通し
オルカンは世界経済に連動する仕組みのため、今後も成長し続けると考えられます。
IMFの世界経済見通しは以下のようになっており、伸び率はそれほど大きくはないものの、世界全体として成長し続ける予測です。
|
2024年 |
2025年 |
2026年 |
世界 |
3.3% |
3.2% |
3.1% |
日本 |
0.1% |
1.1% |
0.6% |
米国 |
2.8% |
2.0% |
2.1% |
先進国・地域 |
1.8% |
1.6% |
1.6% |
新興国市場・発展途上国 |
4.3% |
4.2% |
4.0% |
この予測を見ると、特に「新興国市場・発展途上国」の成長予測が最も高いことがわかります。
オルカンではなく新興国・発展途上国に集中投資する選択肢もありますが、値動きが大きく、場合によっては大きな損失が出てしまうリスクもあります。
一方で、オルカンは、割合は低いものの新興国市場にも分散投資しているため、リスクを抑えつつこれらの市場の伸びも享受できることが大きな魅力です。
ただし、以下のグラフのように、リーマンショックやコロナショックなど、突発的な事態が起こった際は株価が急落しているため、同じような事態が今後起こる可能性もあります。
<MSCI ACWIのチャート>
出典:株式マーケットデータ
世界株指数ACWI(MSCI全世界株指数)の推移とチャート
このような暴落はたびたび起こり、株価がすぐに回復する場合もあれば、回復に何年もかかるケースもあります。しかし、長期で見ればオルカンのパフォーマンスはプラスとなっています。
世界同時株安や暴落などがあっても長期的には世界経済は今後も成長し続けると予想されるため、世界経済の成長に連動して動くオルカンは、長期投資の柱としておすすめといえます。
オルカン投資においてリスクを回避する方法
オルカンは分散投資でリスクが抑えられていることが特徴ですが、よりリスクを下げる方法があります。
ここでは、オルカン投資でリスクを回避する方法について、3つ紹介します。
オルカンのリスク対策①ドル・コスト平均法で投資する
ドル・コスト平均法でオルカンに投資することで、購入価格を平準化でき、投資リスクを減らせるという特徴があります。
ドル・コスト平均法とは、同じ商品を一定額で購入し続ける方法です。
たとえばオルカンの商品を毎月1万円ずつ買い足していくと決めると、価格が安いときにはたくさん購入でき、高いときには購入数が少なくなります。
一度にまとめて購入すると、価格が暴落したときに回復を待つしか手段がなくなりますが、ドル・コスト平均法で購入していれば、暴落したときはむしろ安く買えるチャンスです。
安く買って高く売るのが投資で利益を得る鉄則なので、価格が回復したときにより大きな利益を得られる可能性が高くなります。
オルカンのリスク対策②長期的な視野を持つ
オルカンに投資する際は、できるだけ長期的な視野を持つことが大切です。
世界経済は今後も成長し続けると考えられますが、一時的な暴落も起こり得ます。
そのような場合、そのまま保有していれば価格が回復するケースが多くありますが、短期的な視野で投資をしていると暴落の際に売却してしまい、大きな損失が出ることもあります。
オルカンのようなインデックス型のファンドは、長期保有がリスク回避の鉄則です。できれば10年以上保有するつもりで、動向を見守りましょう。
オルカンのリスク対策③異なる値動きをする商品を組み入れる
オルカンの投資リスクを下げるには、オルカンとは値動きが異なる商品を保有することも効果的です。
たとえば、債券や金、不動産など株式とは違う値動きをする商品を保有するとよいでしょう。
このようにさまざまな金融商品に分散投資しておくと、オルカンが急落した場合にほかの資産でカバーできる可能性があります。
また、米国株式は特にテック株の影響が強いため、テック株とは異なる値動きの株式や投資信託を保有するのもおすすめです。
<テック株とは>
テクノロジー(特にITテクノロジー)を活用した事業を行う企業の株のこと。代表的な企業は、Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftなど。
たとえば、エネルギーやインフラ関係の企業や生活必需品を扱っている企業などは、社会や生活の基盤を支えているため、不景気にも強いと言われています。
また、高配当株や連続増配株も、安定的に業績をキープできているためおすすめです。株の個別銘柄だけでなく、このような企業の株を取り入れている投資信託を保有するのもよいでしょう。
新NISAでオルカンに投資すべき?向いている人の特徴
これまで説明してきたように、オルカンにはさまざまなメリットがある、長期投資に適した投資信託のひとつです。
しかし、実際に新NISAで投資を始める場合、オルカンに投資すべきかどうか迷う人も多いでしょう。
オルカン投資に向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 長期投資を前提に資産形成を考えている人
- 投資に多くの時間や手間を掛けたくない人
- 投資初心者の人
- リスク分散を重視したい人
- 低コストを重視する人
- 投資判断に自信がない人
- 世界経済の成長を信じている人
オルカンは信託報酬が低く、長期投資に適した投資信託です。
また、約6割を米国株式に投資しつつ世界中の株式にも分散投資しているため、これ1本で「ほったらかし投資」が可能です。
コストを抑えつつ世界経済の成長を取り込みたい人や、分散投資で投資リスクを抑えたい人はオルカンがおすすめです。
オルカンと併せて検討したいおすすめ投資信託3選
オルカンと呼ばれる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、これ1本で世界中の株式に幅広く投資できる人気ファンドです。
しかし、投資スタイルや考え方によっては、オルカン以外の投資信託を選んだり、オルカンと他の種類の投資信託をプラスする方法もあります。
ここでは、オルカン以外のおすすめの投資信託を3つ紹介します。
1.eMAXIS Slim S&P500
S&P500と呼ばれる「eMAXIS Slim S&P500」は、米国を代表する指数「S&P500」への連動を目指すファンドです。
S&P500は米国の主要な企業500社で構成されており、米国株式市場の成長を幅広く取り込める投資信託として高い支持を集めています。
この投資信託の特徴は以下のとおりです。
項目 |
内容 |
ベンチマーク(指針とする株価指数) |
S&P500 |
投資先 |
米国企業500社 |
トータルリターン(年率) |
1年:19.24% 3年:26.23% 5年:24.56% ※2025年12月16日時点 |
投資リスク |
米国市場の動きに左右される |
信託報酬 |
0.0814% |
S&P500はアップルやマイクロソフト、エヌビディア、アマゾンなど、世界的に高い競争力を持つ企業が多く含まれています。
また、情報技術を中心にヘルスケアや金融など複数のセクターに分散投資されていることも特徴です。
米国市場の成長を最も効率的に取り込みたい場合は、世界中に分散投資しているオルカンではなく、米国市場に集中投資している「S&P500」がおすすめです。
この「eMAXIS Slim S&P500」も新NISAの「成長投資枠」「つみたて投資枠」の両方に対応しているため、長期投資に適しています。
オルカンとS&P500の比較については、以下の記事も参考にしてください。
2.eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)
「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)」は、日本や新興国を除く先進国に投資するインデックスファンドで、特徴は以下のとおりです。
項目 |
内容 |
ベンチマーク(指針とする株価指数) |
MSCIコクサイ・インデックス |
投資先 |
22カ国・地域 |
トータルリターン(年率) |
1年:21.3% 3年:25% 5年:22.87% ※2025年12月16日時点 |
投資リスク |
米国株の比率が高い |
信託報酬 |
0.09889% |
この「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)」は信託報酬が低く、新NISAの「つみたて投資枠」「成長投資枠」両方を利用できるため、長期投資に適していることが強みです。
投資先の国や地域は以下のとおりです。
「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(日本除く)」は米国株の比率が高くなっているものの(2025年11月28日の時点で75.8%)、欧州諸国やカナダ・オセアニアにも投資されており、これ1本で先進国株式全体への分散投資が可能となっています。
すでに日本株に投資している人や、日本株比率を抑えたいという人には「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(日本除く)」は魅力的な選択肢といえます。
3.eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」は、日本を代表する株価指数である「日経平均株価(日経225)」への連動を目指すインデックスファンドです。
主な特徴は以下のとおりです。
項目 |
内容 |
ベンチマーク(指針とする株価指数) |
日経平均225 |
投資先 |
東京証券取引所プライム市場に上場する225社 |
トータルリターン(年率)
|
1年:33.84% 3年:23.73% 5年:15.7% |
投資リスク |
世界経済の成長を取り込めない 株価水準の高い銘柄の影響を受けやすい |
信託報酬 |
0.143% |
日経平均は、日本の代表的な企業の値動きを反映するため、以下のような人に向いています。
- 日本株全体の成長を幅広く取り込みたい人
- 情報収集しやすい日本株に投資したい人
- 海外株よりも日本株中心で運用したい人
「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」は信託報酬も低く、新NISAの「つみたて投資枠」「成長投資枠」の両方を利用できます。
ただし、日経平均は株価水準の高い銘柄の影響を受けやすいという特徴があります。
東証の時価総額上位の銘柄は、以下のとおりです。
日本の株式市場全体に幅広く分散したい場合は、「日経225」ではなく「TOPIX」に連動する「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」を検討すると良いでしょう。
オルカンについてのよくあるQ&A
ここでは、オルカンについてのよくあるQ&Aを紹介します。
オルカン1本で大丈夫?
オルカン1本で大丈夫かどうかは、考え方や投資スタイルによります。
世界経済の成長に投資したい人、投資初心者や銘柄選びに手間をかけたくない人にはオルカンがおすすめです。
より分散したい人は、オルカンに加えて他の種類の投資信託や金投資なども検討しましょう。
オルカンと「S&P500」どっちに投資すべき?
「S&P500」はオルカンと並んで人気の投資信託で、米国の優良企業500社の株式を対象としています。
「S&P500は米国株のみに集中投資」「オルカンは世界中の株式に分散投資」という違いがあります。
できるだけリスクを抑えたいという人は、投資地域を分散しているオルカンがおすすめです。一方、米国市場の成長をしっかり取り込みたい人は「S&P500」が向いています。
オルカンとS&P500の比較については、以下の記事も参考にしてください。
まとめ
オルカンとは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の略称で、先進国から新興国まで世界中の株式に、幅広く分散投資できるインデックスファンドです。
信託報酬が低水準に抑えられていること、新NISAの「つみたて投資枠」「成長投資枠」どちらでも利用できること、これ1本でほったらかし投資ができることから多くの人に選ばれています。
世界経済は今後も成長し続けると予想されますが、短期的な価格の変動や為替の影響は避けられないため、長期的な視野を持って投資するようにしましょう。
