オルカンとは?人気の理由や将来性、リスク回避の方法まで徹底解説!

新NISAが始まったことで、投資に興味を抱く人も増えています。NISAといえばよく聞かれるのが「オルカンがおすすめ」という意見ではないでしょうか。しかし、オルカンとはどういう商品なのか、なぜ良いとされているのか、実はよくわかっていないという人もいるかもしれません。そこでこの記事では、オルカンの基本的な情報から、人気の理由にデメリット、将来性など詳しくご紹介していきます。

・目次


オルカンとは全世界株式(オール・カントリー)のこと

オルカンの正式名称は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で、インデックス型の投資信託です。

投資信託とは、運用のプロが投資家から集めたお金を用いてさまざまな商品(株式、債券、金、不動産など)に投資する金融商品です。ファンドとも呼ばれる投資信託にはさまざまな種類があり、運用方針によって「インデックス型」「アクティブ型」などに分けられます。

●インデックス型 → 日経平均株価やTOPIXなどの株価指数(インデックス)に連動するように設計されているファンド。

アクティブ型 → 株価指数以上の成績を目指して設計されているファンド。

 

それではオルカンとはどのようなファンドなのか、基本的な情報からご紹介します。

特徴

全世界の株式に投資している。世界経済に連動した運用成績。

ベンチマーク
(指針とする株価指数)

MSCI オール・カントリー・ワールド指数(ACWI)

投資先

23の先進国と、24の新興国の中型・大型株に投資。
ただし、米国株が6割を占める。

平均利回り

長期的にみると6%~10%程度。ただし短期的な下落がある。

リスク

全世界に分散投資しているため、ある程度のリスクを回避。

コスト

信託報酬が0.05775%。運用コストは低め。

※2025年5月現在の状況
※参考:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)投資信託説明書|三菱UFJアセットマネジメント株式会社

特徴

オルカンとは、その名の通り全世界の企業が発行する株式に投資している投資信託で、運用会社は三菱UFJアセットマネジメント株式会社です。オルカンに投資するということは、全世界の優良企業に分散投資していることになり、動向は世界経済に連動しています。

全世界を対象とした投資信託はほかにも多くありますが、オルカンはその中でも特に人気が高いです。ファンドの規模を示す純資産総額は約5兆9千億と、投資信託の中でもトップクラスと言えます。 

※2025年5月時点
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 投資信託なら三菱UFJアセットマネジメント

ベンチマーク

ベンチマークとは、ファンドが運用指針にする基準のことです。オルカンは「MSCI オール・カントリー・ワールド指数(ACWI)」というインデックスをベンチマークにしています。

MSCI ACWIは、23の先進国と24の新興国の大型株・中型株を対象としており、銘柄数は2,687です。世界の投資可能株式の約85%をカバーしており、約4.9兆米ドルの資産がACWI指数をベンチマークにしています。

※2024年10月現在
MSCI オール・カントリー・ワールド指数 (ACWI) - MSCI

投資先

投資先は全世界の株式ですが、約6割は米国株式が占めます。これは、MSCI ACWIが時価総額加重平均型のため、時価総額が高い米国企業の割合が高くなるからです。

※三菱UFJアセットマネジメントの情報を基にマネのび作成

引用:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

上位10銘柄は以下の通りです(2025年3月31日現在)。上位はほぼ米国で占められています。

銘柄

国・地域

業種

比率

アップル

米国

情報技術

4.2%

エヌビディア

米国

情報技術

3.5%

マイクロソフト

米国

情報技術

3.5%

アマゾン・ドットコム

米国

一般消費財・サービス

2.4%

メタ・プラットフォームズ
(クラスA株)

米国

コミュニケーション
・サービス

1.6%

アルファベットA

米国

コミュニケーション
・サービス

1.4%

テスラ

米国

一般消費財・サービス

1.0%

ブロードコム

米国

情報技術

1.0%

タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング

台湾

情報技術

0.9%

バークシャーハザウェイB

米国

金融

0.9%

 

また業種別にみてみると、情報技術や金融の割合が高いです。

※三菱UFJアセットマネジメントの情報を基にマネのび作成

引用:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

オルカンがベンチマークにしているMSCI ACWIは、四半世紀ごとに銘柄を見直しています。構成比が大きく動くことはあまりありませんが、ロシアによるウクライナ侵攻があった際にはロシアを構成から除外するなど、情勢を考慮した対応を行っています。

平均利回り

オルカンの平均利回りは、6%~10%前後で語られることが多いです。特に近年の運用成績は好調で、直近の5年でみると約20%の利回りで計算されることもあります。

しかし、2025年に入り状況が一変しました。アメリカによる相互関税の影響を受けて全世界的に株価が下落した結果、2025年以降のオルカンの利回りはマイナスになる局面も発生しています。

ただし、これまでも世界情勢を受けて短期的に株価が落ちることはよくありました。今回の影響がどれほど長引くかはわかりませんが、長期的な視野を持ち、焦らずに情勢を見守ることが大切です。

平均利回り6~10%というのは、ベンチマークであるMSCI ACWIの過去20~30年の平均です。その間に下落した時期も当然ありましたが、過去のデータから振り返ってみると世界経済は成長し続けていると言えるでしょう。

リスク

投資のリスクを下げるには分散投資が基本です。オルカンは世界に分散投資をしているので、ある一定のリスク対策をしていると言えます。

しかし、時価総額加重平均型のインデックスファンドのため、投資先の6割は時価総額の高い米国株式に偏っているのが実情です。米国市場が下落すると、ほかの株式でカバーするとはいえ、影響は大きいでしょう。

先ほども触れたように、2025年に入ってからは下落の傾向がみられています。市場が元の状態に回復するまでどれくらいの期間を要するのかは予測が難しいところです。

このような状況の中では、オルカンのように株式に投資しているファンドだけでなく、金や不動産など、株式とは違う動きをする資産にも投資すると、よりリスクを抑えられるでしょう。

手数料

一般的に、投資信託の手数料はアクティブファンドよりもインデックスファンドの方が低い傾向にあります。特に「eMAXIS Slim」シリーズは、極力コストを抑えるように設計されているため、オルカンの手数料は高額ではありません。

購入時や売却時に発生する費用はなく、純資産総額に対して年率0.05775%の信託報酬のみかかります。インデックスファンドの信託報酬は、一般的に0.1%程度だといわれていることからも、オルカンのコストが低いことがわかるでしょう。


オルカンはなぜ人気?メリットとは

オルカンの人気の秘密は、その特徴や基本情報から理解できるかと思いますが、さらにわかりやすくメリットをご紹介していきます。

全世界に分散投資できる

大きなメリットの一つが、「全世界に分散投資ができる」という点です。オルカンと同じく人気がある投資信託「S&P500」は、米国主要企業の株式のみを対象としているのに対し、オルカンは全世界を対象としています。

米国企業への偏りが大きいとはいえ、全世界への投資が大きなリスク回避になることは間違いありません。これがS&P500との大きな違いでもあります。

分散投資はリスクを抑える運用の基本です。成長を続ける米国企業の恩恵を受けつつも、より安全に運用していきたい人には大きなメリットでしょう。

運用コストが安い

オルカンが人気なのは、運用コストが低いことも理由の一つです。すでにご紹介している通り、購入時や売却時にはコストが発生しません。信託報酬も純資産総額に対して0.05775%と業界最安値の水準なので、あまりコストのことを考えずに運用できます。

金融商品の中には、利回りが良くてもコストが高いものも少なくありません。そんな中、好成績な上にコストが低いとなれば、人気の理由もわかるのではないでしょうか。

新興国にも投資が可能

オルカンは先進国だけでなく新興国の株式も対象としているため、これから成長を期待できるインドや中国の株式にも投資できることになります。

2024年9月のデータでは、オルカン全体における先進国の割合は89.4%(23カ国)、新興国は10.6%(24カ国)と発表されています。
https://www.am.mufg.jp/pdf/koumokuromi/253425/253425_20250125.pdf

あまり割合が多くないとはいえ、ハイリスク・ハイリターンになりがちな新興国にも比較的安全に投資できるのはメリットと言えるでしょう。リスクを最小限に抑えつつ、新興国が成長したときの恩恵も逃さず享受できます。

世界経済に連動している

世界経済についてはのちほど詳しくご紹介しますが、成長の度合いはさておき、今後も伸び続けると予想されています。

オルカンは世界経済を反映するMSCI ACWIに連動しているため、世界経済が成長を続ければオルカンも伸び続けると予想できるでしょう。地域を限定せずに世界全体に投資をすることで、世界経済の恩恵を受けられるというわけです。

長期的な投資に向いている

オルカンはコストも安いため、長期的な投資に向いています。短期的に下落することはありますが、過去の実績から成長を期待できるため、じっくり運用していきたい人に向いているでしょう。

投資である以上、ある程度のリスクはつきものですが、長期的に運用することでリスクを抑えられます。運用コストが低く、世界全体に分散投資できるオルカンは、長期的な投資におすすめです。


オルカンのデメリットは何?

一方で、「オルカンはやめておけ」という意見もあります。なぜこのような意見があるのか、デメリットもご紹介していきます。

米国への依存が高い

オルカンは全世界に投資しているとはいえ、約6割は米国株式が占めています。時価総額加重平均型であるため仕方がないことではありますが、偏りがあることは否めないでしょう。

米国市場に大きな動きがあれば、その影響は少なくありません。実際、2025年に発生したアメリカの相互関税の影響により大きく急落したことを考えれば、影響力の強さは理解できるのではないでしょうか。

大きく値動きすることもある

オルカンの投資対象である「株式」は、債券や金、不動産などと比べると価格の値動きが激しいです。米国のみならず全世界的に株価が下がる局面であれば、オルカンの急落は避けられません。

たとえば米国経済が大きく混乱した「リーマンショック」のときは、世界市場の株価が50%近くも下落しました。下落した相場が回復するのにも、数年かかっています。

ここ数年は上昇傾向が強く、たとえば値が下がっても短期的なものですぐに回復する傾向にありました。しかし過去のMSCI ACWIのデータを見ても、何度も下落の局面はありますし、今回の相互関税の影響がどれほど続くのかは、まだよくわかりません。

為替の影響を受けやすい

オルカンの中で日本企業が占める割合は5%ほどで、そのほか約95%は外国資本のため、為替の影響を強く受けます。

ここ数年は円安が進んだため、株価の成長に加えて為替差益を得られる状況でした。しかし今後円高が進めば、これまでほどの利益率は望めないかもしれません。

<例>

たとえば、ドルベースで10%の利益率の場合(10ドル→11ドル)

【1ドル140円から150円の円安の場合】
10ドル=1,400円 → 11ドル=1,650円  
250円の利益 → 利益率は約17.8%

【1ドル140円から130円の円高の場合】
10ドル=1,400円 → 11ドル=1,430円 
30円の利益 → 利益率は約2%

普段は円に換算した成績を確認することが多いため、あまり意識しない人も多いですが、違いは明らかです。オルカンは為替の影響を受けやすい商品だといえます。

短期間では大きな利益を見込めない

オルカンは、10年20年、30年と長期的な視野を持てば、世界経済の成長とともに利益を見込める商品です。

ただしタイミングによっては大きく値を下げ、為替の影響も受けやすいため、短期的にみるとあまり利益が増えないこともあります。

たとえば2024年末から2025年にかけて投資を開始した場合、ここ数ヶ月はあまり利益が増えていないどころか、マイナスになっている人もいるかもしれません。時間をかければ、このマイナス分は解消されてプラスに転じる可能性がありますが、この時点で売却した場合は損失が確定します。

このように、短期間で見ると利率が高くないこともあるので、できるだけ早く大きなリターンを得たい場合はあまり適していません。


オルカンの将来性は?今後の見通し

過去の実績を見れば確かに成長を続けているオルカンですが、気になるのは今後の見通しではないでしょうか。特に2025年に入ってからは情勢も変化しているため、不安を覚える人も少なくないかもしれません。動向を明確に予測することは難しいですが、将来性についてデータをもとに考えてみましょう。

世界経済は成長を続けている

IMFが発表した世界経済成長率予測は、2025年1月は3.3%だったものの、2025年4月には2.8%に下方修正されています。特に米国経済の伸び率は2025年が1.8%、2026年が1.7%と低水準です。

これは相互関税の影響による貿易摩擦が大きな要因の一つであり、さらに悪化する可能性もあると示唆されています。ただし、貿易の緊張が解消されれば成長率も改善すると考えられているため、今後の情勢に大きく左右されると言えそうです。

2025年5月現在、世界経済のリスクは高まっていますが、それでも成長率は2025年で2.8%、2026年は3%と予測されています。

参考までに日本の経済成長率を確認してみると、2024年は0.1%、2025年と2026年は0.6%です。世界経済の成長率が低めだとしても、日本経済の成長率よりは高いことがわかります。

<世界経済予測>2025年4月

 

2024年

2025年

2026年

世界

3.3%

2.8%

3.0%

日本

0.1%

0.6%

0.6%

米国

2.8%

1.8%

1.7%

先進国・地域

1.8%

1.4%

1.5%

新興国市場・発展途上国

4.3%

3.7%

3.9%

参考:IMF世界経済見通し 2025年4月

たとえ現在は低成長だったとしても、伸び続けているのは確かです。地域を細分化した成長率を確認すると、全世界的に鈍化しているものの新興国の成長率は先進国を上回っています。

オルカンはリスクを抑えて新興国にも投資できるのが利点なので、その特徴が生かされるとも考えられます。今までほどの成長率は期待できなくとも、あまり不安にならなくてもよいのではないでしょうか。

短期の下落は定期的に起こる

世界経済が成長を続けているとはいえ、常に安定して伸び続けているわけではありません。過去には、2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックなどが起こった際に株価は急落しています。

<MSCI ACWIのチャート>

2024年7~8月にもオルカンは急落しています。1カ月程度で17%も下落しましたが、比較的すぐに回復しました。この急落の要因のひとつは円高だと言われています。

このようにすぐに回復する場合もあれば、回復に数年かかるケースもありますが、短期的な暴落は珍しいことではありません。およそ10年に1度は大きな動きがあると言われています。

しかし長期的に見れば、伸び続けているのがわかるでしょう。もちろん今後の動向も同じだと明言はできませんが、必要以上に怖がることもないかもしれません。


リスクを回避する方法

それほど悲観的になる必要がないとはいえ、やはりリスクが気になるという人も少なくないでしょう。できるだけオルカンのリスクを下げるにはどうしたらいいのか、ご紹介していきます。

ドル・コスト平均法で投資する

ドル・コスト平均法とは、同じ商品を一定額で購入し続ける方法です。たとえばオルカンの商品を毎月1万円ずつ買い足していくと決めると、価格が安いときにはたくさん購入でき、高いときには購入数が少なくなります。

一度にまとめて購入すると、価格が暴落したときに回復を待つしか手段がなくなりますが、ドル・コスト平均法で購入していれば、暴落したときはむしろ安く買えるチャンスです。安く買って高く売るのが投資で利益を得る鉄則なので、価格が回復したときにより大きな利益を得られる可能性があります。

長期的な視野を持つ

何度もご紹介していますが、やはり長期的に運用することがリスク回避には必要です。

過去数年を見れば、短期的にも大きな利益を得られた人もいることでしょう。しかしその中でも2024年8月や2025年の暴落など、予想しなかった動きを見せることがあります。長期的な視野を持てずに売却した場合、大きな損失を被った人もいることでしょう。しかし、そのまま保有していれば価格が回復することは決して珍しいことではありません。

オルカンのようなインデックス型のファンドは、長期保有がリスク回避の鉄則です。できれば10年は保有するつもりで、動向を見守りましょう。

異なる値動きをする商品でリスクをカバー

リスクを下げるには、オルカンとは値動きが異なる商品を保有することも効果的です。たとえば、オルカンは米国株式の影響を強く受けるため、債券や金、不動産など株式とは違う値動きをしたり、安定性が高かったりする商品を保有するとよいでしょう。すると、オルカンが急落した場合でも、ほかの資産でカバーできる可能性があります。

また、米国株式の中でも特にテック株の影響が強いため、テック株とは異なる値動きの株式や投資信託を保有するのもおすすめです。

 

<テック株とは>
テクノロジー(特にITテクノロジー)を活用した事業を行う企業の株のこと。代表的な企業は、Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftなど。

 

たとえば、エネルギーやインフラ関係の企業や生活必需品を扱っている企業などは、社会や生活の基盤を支えているため、不景気にも強いと言われています。また、高配当株や連続増配株も、安定的に業績をキープできているためおすすめです。株の個別銘柄だけでなく、このような企業の株を取り入れている投資信託を保有するのもよいでしょう。


オルカンの買い方・始め方

オルカンは、多くの証券会社や金融機関で購入可能です。すでに取引のある金融機関でも購入できる可能性もありますが、新たに投資に挑戦するなら、証券会社で口座を作るのがおすすめです。

証券会社を選ぶ

まずは、オルカンの取り扱いがある証券会社で口座を作りましょう。大手の対面式証券会社や銀行などでは、オルカンを取り扱っていない場合もあるので、事前に確認が必要です。

大手のネット証券であれば、オルカンをはじめとした人気の投資信託を取り扱っていることがほとんどで、手数料も安いのでおすすめです。証券会社によってはポイントが付くなど、独自のサービスもあるので、使いやすいところを探しましょう。

大手のネット証券について、簡単にご紹介していきます。

SBI証券

総合力が高く、口座数もトップ。取扱商品が多く手数料も安い。PayPayポイントやVポイントなど各種ポイントあり。

楽天証券

楽天ポイントが付くため、楽天ユーザーにおすすめ。取扱商品の数も多い。サイトが使いやすいと評判。

松井証券

手数料が業界最安値水準で、電話サポートもあるので初心者にもおすすめ。独自のサービスが豊富。

マネックス証券 

豊富な情報と手厚いサポートが特徴で、米国株の取り扱いが多い。dポイントが貯まる。

三菱UFJeスマート証券(旧:auカブコム証券)

Pontaポイントで株投資が可能。ツールが使いやすく、三菱UFJフィナンシャルグループゆえの安心感がある。

NISA口座を開設する

NISAとは、投資で得た利益が非課税になる制度です。利用するには、証券会社や銀行などで専用の口座を作らなければなりません。

証券会社で口座を作ったら、一般口座とは別にNISA口座も作っておきましょう。NISA口座には、一度に投資できる成長投資枠と毎月積み立てる積み立て投資枠があります。オルカンはどちらの枠でも購入可能です。

NISA口座ではなく一般口座でもオルカンは購入できますが、発生した利益に20.315%の税金がかかります。同じ運用をするなら、利益が非課税になるNISA口座を利用するとよいでしょう。


よくあるQ&A

最後に、オルカンに投資するうえでよくある疑問にお答えしていきます。ぜひ参考にしてみてください。

オルカン1本で大丈夫?

オルカン1本で大丈夫かどうかは、考え方や投資スタイルによります。オルカンは自分でバランスを考えることなく世界に分散投資でき、リバランスも必要ないため、とてもシンプルです。投資初心者やあまり手間をかけたくない場合には、非常に適していると考えられます。

ただし、オルカンにもリスクはつきものです。また近年の成績は非常に好調でしたが、今後の成長は多少鈍化することも考えられます。そのことに不安を覚えるなら、リスクヘッジのためにもほかの金融商品を組み合わせてみてもいいかもしれません。

「S&P500」とどちらが良い?

オルカンと並んで人気が高い投資信託といえば、「S&P500」です。こちらは米国の優良企業500社の株式を対象としている投資信託で、利回りの高さに定評があります。

オルカンとどちらが良いとは一概には言えませんが、以下にご紹介する違いを確認して、あなたが良いと思う方を選んでみてはいかがでしょうか。

<オルカンの特徴>
・全世界に分散して投資できる
・世界経済の恩恵を受けられる

<S&P500の特徴>
・米国経済の恩恵を受けられる
・利回りが高め

特にここ数年のS&P500は非常に利回りが高く、収益を得られやすいと人気です。ただし米国経済の影響をダイレクトに受けるため、今後も米国経済は伸び続けると期待する人に向いています。

オルカンは米国企業株の恩恵を受けつつ、全世界に投資をしている分、リスクを分散していると言えます。できるだけリスクを抑えたいという人に向いているでしょう。

オルカンとS&P500については、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
「オルカン」VS「S&P500」徹底比較!新NISAで選ぶべきはどっち?

オルカンとS&P500の両方を買えばいい?

オルカンとS&P500はどちらも人気のため、両方買えばいいのでは?と思う人も少なくないかもしれません。

どちらも購入するのが悪いわけではありませんが、リスク回避という点からみるとあまりおすすめできません。なぜなら、どちらも同じような値動きをする投資信託だからです。

S&P500はもちろん、オルカンも米国企業株が6割を占めるため、米国経済の影響を大きく受けます。急落したときのリスクを下げたいなら、両方買うのは得策ではないでしょう。

金や不動産、債券といった株式とは異なる動きをする商品、もしくはオルカンやS&P500とは違う株式を対象としている投資信託など、異なる値動きをするものを組み合わせてみてはいかがでしょうか。


まとめ

オルカンは、全世界の株式を対象とした投資信託です。世界経済の恩恵を受けられ、世界に分散投資できるためとても人気があります。運用コストも安いため、長期運用にも向いています。

ただし、短期的に見れば下落することもあり、リスクがないとは言えません。できるだけリスクを下げるためにも、長期的な運用やオルカンとは違う値動きをする商品でカバーするなど、対策を取ると安心です。

特に2025年は少し不安定な値動きをすることが予想されています。正しい知識で焦らずに運用していきましょう。