株運用初心者向け完全ガイド|株式投資の始め方と失敗しない運用方法
「株式投資はリスクが大きいのではないか?」「失敗したらどうしよう」などと悩み、なかなか投資に踏み切れないという人もいるのではないでしょうか。確かに株式投資にはリスクがあり、やみくもに始めるのは危険です。そこでこの記事では、株の運用初心者向けに、基本的な知識から株式投資の始め方、できるだけリスクを下げる運用方法などをわかりやすくご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
・目次
株式投資とは?
株式投資は、企業の株式を売買して値上がり益を得たり配当金を得たりして、利益を得る投資手法のことです。必ず利益を得られるというわけではなく、企業の業績が悪化した場合、損失を被ることもあります。
株式とは何か
そもそも株式とは、企業が事業資金を集めるための有価証券のことです。企業がさまざまな活動をするには多額の資金が必要なため、有価証券(株式)を発行して投資家から資金を集めます。
投資家は、企業に資金を投資する代わりに、株主としての権利を得られます。株主の権限はどれだけ株式を保有しているかによって異なりますが、全株主が保有する代表的な権利は以下の3つです。
- 議決権
会社の経営に参加する権利のこと。株主総会に出席し、会社の経営に関する重要な議案に賛成や反対をすることができます。
- 剰余金配当請求権
企業が得た利益の一部を配当金として受け取れる権利のこと。企業によっては分配されないこともあります。
- 残余財産分配請求権
企業が解散するときに、残った財産を受け取れる権利のこと。借金を清算したのち、財産が残っているときに受け取れます。借金の方が多い場合は受け取れません。
株式投資で利益が出る仕組み
株式を保有すると、配当益を得られることはすでにご紹介しました。しかし株式投資で得られる利益はそれだけではありません。株式を売買することで、譲渡益を得られる可能性があります。
株取引では、証券会社を通じて株式を売買します。株式を売るときに買ったときよりも高く売れれば利益になります。これが譲渡益です。値上がり益とも言います。
しかし、売るときに買ったときよりも株式が安くなっている場合は、損失が発生します。必ず利益を得られるとは限らないため、株式投資にはリスクがあるというわけです。
株式投資で利益を得るには、企業業績が安定しており、株価が上昇する見込みがある企業を選ぶ必要があります。株式の種類や選び方については、のちほど詳しくご紹介するのでそちらを参考にしてください。
株運用のメリット
株式運用には、利益を得られるほかにもメリットがあるので詳しくご紹介していきます。
値上がり益を得られる
株式運用で値上がり益を得るには、「安いときに買って高く売る」ことが必要です。できるだけ安いときに購入できるのがベストですが、タイミングを見極めることは難しいでしょう。特に初心者はあまり難しく考えず、「買ったときよりも高くなったら売る」くらいのスタンスがおすすめです。
ただし、株価はさまざまな要因で変化します。短期的な売買では、タイミングを掴めずに利益を得るどころか損失が発生する可能性も高くなります。損失を避けるためには、購入する銘柄を見極めるのも大切ですが、長期的に保有して株価の値上がりを待つことも重要です。
株価は上下を繰り返します。一時的な下落はよくあることなので、一喜一憂せず、売買のタイミングを待つことが値上がり益を得るポイントと言えるでしょう。あらかじめ利益確定の基準や保有方針を決めておくのもおすすめです。
配当金を得られる
配当金とは、企業が得た利益の一部を株主に還元するものです。配当金の額は業績等によって変動するため、どれくらいの配当金を得られるのかは銘柄や保有株数によって異なります。
ただし、配当金は保障された利益ではありません。業績が好調であれば配当金の額も増える可能性がありますが、不調の場合は配当金が減額されたり休止されたりすることがあります。
また、配当金を得るには、権利確定日までに株式を保有していなければなりません。詳しいスケジュール等は、こちらの記事を参考にしてみてください。
株主優待を受けられる
株主優待とは、企業が自社の株式を保有している株主に対して、感謝や還元の一部として提供する優待制度のことです。投資家の中には、株主優待に焦点を当てて投資をしている人もいます。
日本株式独自の優待制度のため、外国株式には株主優待はありません。またすべての日本株式に株主優待があるわけではないので、株主優待が目当ての場合は事前によく調べましょう。
株主優待の内容は、自社製品やサービスの提供(割引)、食品、旅行券、金券などさまざまで、企業によって異なります。株主優待を受けるには、一定数以上の株式を保有する必要があり、また保有期間が定められている場合もあるので注意が必要です。
株主優待については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
資産形成が有利になる可能性がある
資産運用とは、保有する資産(現金、不動産、貴金属など価値のある財産全般のこと)を効率よく運用し、増やしていくことです。資産運用をするには株式投資だけでなく、投資信託や債券、不動産投資、保険などさまざまな方法があります。身近な「貯金」も、資産運用の一つです。
この中で、株式投資はほかの資産運用方法と比べ、比較的高いリターンを期待できるため、効率的に資産を増やせると言われています。しかしその分リスクも高くなるため、注意が必要です。
株式投資は上手に利用することで、資産運用を効率よく行える可能性があります。基本知識を身に付けたうえで、できるだけリスクの低い運用を心がけましょう。資産運用に関してもっと詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。
インフレ対策ができる
インフレとは、物価が上がり続ける現象のことです。近頃の物価高でインフレを実感する人も少なくないのではないでしょうか。
インフレには悪い印象があるかもしれませんが、物価が上がって多額のお金が流通することで「経済が活性化する」というメリットもあります。しかし、一方で貨幣の価値が下がるというデメリットも発生します。
たとえばインフレで物価が上がり、今まで100円で購入できたものが110円になったとします。これは、同じ品物を手に入れるためにより多くのお金を支払う必要があるということであり、つまり「お金の価値」が下がったということです。
この事実は、貯金で資産を形成している場合は非常に大きなリスクになります。貯金で元本が減らなかったとしても、お金の価値が下がれば実質目減りしていることと同じだからです。
しかし株式投資で資産を運用している場合、インフレのリスク対策にもなります。前述したように、インフレが起こると経済が活性化するというメリットがあります。経済が活性化して企業の業績が好調になれば、株価も上昇するため資産も増えるという仕組みです。
たとえば100万円を保有していた場合、年率2%のインフレが起こると10年後には100万円が約82万円になります。しかし100万円を年率4%で株式運用した場合、10年後には148万円にもなります。その差は実に66万円です。もちろん運用がうまくいかない場合のリスクを考える必要はありますが、インフレ対策として有効だということは理解できるのではないでしょうか。
株運用のリスクやデメリット
株式運用をするなら、メリットだけでなくデメリットも理解しておきましょう。デメリットを知ることは、リスクの低い運用にもつながります。
元本割れのリスクがある
まず一番大きなデメリットが元本割れのリスクです。株式運用は元本が保障された運用ではありません。企業の業績が不調になれば株価は下がり、損失を被る可能性があります。
たとえば35年前、日本で起きた「バブル崩壊」時には、多くの投資家が損失を被りました。1991年、それまで絶好調だった日本経済が急速に悪化した出来事です。多くの企業が倒産し、日本経済は長い停滞期に入ることになりました。
そのほか、リーマンショック時には全世界的に株価が急落し、損失を負った人は数え切れません。このように、株式運用には損失を被るリスクがあります。必ずしも利益が発生するわけではないことを覚えておきましょう。
投資の知識が必要
株式運用を行うには、ある程度の知識が必要です。株式を選んだり円滑に運用を行ったりするには、最低限の知識が必要になるでしょう。
これは株式運用だけでなくどのような資産運用を行う際にも共通して言えることで、まったく知識がない状態で行うのは危険です。銀行や証券会社に勧められるがまま投資を始めてしまい、あとで「こんなはずではなかった」「リスクをよく理解していなかった」と後悔する人も少なくありません。
また、無理な投資をして失敗してしまう人もいます。たとえば最初から高額の資金を投資につぎ込んでしまったり、株価の暴落時に狼狽売りをしてしまったりして、損失を被るケースです。
これらの失敗は、知識不足から起こることが少なくありません。株式運用は、メリットだけでなくデメリットも理解し、基本的な知識を身に付けてから行いましょう。株式運用の知識は、インターネットや書籍、新聞、セミナーなどから身に付けられます。一つの情報源だけでなく複数の情報を参考にすると、誤った情報や偏った情報ではなく正確な知識を身に付けられます。
ある程度の手間と時間がかかる
株式運用を行うには、ある程度の知識を身に付けなければなりませんし、実際に証券会社に口座を開いて株式を購入するという手間も必要です。
今はネット証券が充実しており、AI投資なども増えてきているため、だいぶ手間が省けるようになったとはいえ、行動力が必要なことには変わりありません。
また株式を購入した後も、投資が順調にいっているか気を配る必要があります。株価が急落したときや、景気の動向などによっては、調整が必要になるかもしれません。そのためには日ごろから株価だけでなく、景気動向や経済状況などの情報収集が必要になるでしょう。
特に株式運用は、特定の銘柄を購入して運用していくため、知識や手間がかかりがちです。できるだけ手間をかけたくない場合は、自動的にさまざまな株式や資産に分散投資ができる「投資信託」を検討してみてもよいかもしれません。
株価下落時にストレスがかかる
株式を運用していると、株価が下がることは珍しくありません。相場は常に動いており、さまざまな要因で株価は変動します。業績が不調なときはもちろん、ライバル企業に押されて株価が下落することもあるでしょう。またリーマンショックやコロナなど経済に大きな影響を与える出来事があれば、相場は急落するかもしれません。
株式運用を行っていれば、株価が下落する場面には必ずといっていいほど遭遇するでしょう。リスクは理解していても、実際に株価が下落して含み損が発生するとストレスは大きいです。このような心理的なストレスに耐えかねて狼狽売りをしてしまい、大きな損失を確定させてしまう人も少なくありません。
このような事態に陥らないために、特に初心者のうちはできるだけリスクを下げる運用を心がけてみてください。方法は後ほど解説します。
知っておきたい株式の種類
株式は日本の企業だけでなく、世界中の多くの企業が発行しています。それらの種類や株式の性質によって分類される呼び名など、知っておきたい株式の種類についてご紹介していきます。
日本株式
日本株式とは、日本国内に本社を置く企業の株式です。主に東京証券取引所で売買されており、企業規模などによってプライム市場、スタンダード市場、グロース市場などに分かれています。
代表的な株価指数は、「日経平均株価」や「TOPIX」です。最近では新たに「読売333」という日本株価指数も公表されており、注目を集めています。
日本株式の特徴は、株主優待が付いている銘柄があることです。また、国内企業のため親しみがあって応援したくなる企業があったり、情報を集めやすかったりといったメリットがあります。
米国株式
米国株式とは、米国の証券取引所に上場している企業の株式のことです。米国の代表的な証券取引所は「ニューヨーク証券取引所」と「NASDAQ(ナスダック)」で、指数には「NYダウ」「S&P500」「NASDAQ(総合)」があります。
※(補足)
投資運用でよく言われる「S&P500」とは株価指数そのもののことではなく、この株価指数をベンチマークとした投資信託「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のことを指すことが多いです。
米国は世界最大の経済大国であり、米国株式には世界的に有名な企業や成長が著しい企業の銘柄が多く揃っています。取引規模や時価総額の大きな企業の成長を取り込め、大きな利益を期待できます。高配当の企業や1株から購入可能な企業が多く、有名企業の情報は日本でも入手しやすいです。
ただし為替リスクがあるため、円高になると利益が目減りする可能性があります。また配当金には、米国と日本のそれぞれで課税されるため、二重課税となります。手数料が日本株式よりも高くなることもあるので、注意が必要です。
新興国株式・欧州株式
日本株式や米国株式のほか、新興国株式や欧州株式も覚えておきましょう。
- 新興国株式
新興国とは、現時点では先進国と比べて経済水準が低いものの、今後の成長が期待される国のことです。具体的には、中国やインド、タイ、ブラジル、インドネシアなどの国が該当します。
新興国株式の特徴は、ハイリスク・ハイリターンであるということです。新興国では生産年齢人口(15歳~65歳未満)が多く、経済活動の活発化ひいては経済成長を期待できます。一方、先進国と比べて政治や経済情勢が不安定なため、株価や為替の変動リスクが高くなりがちです。そのため、大きなリターンを期待できる代わりにリスクも高くなります。
- 欧州株式
欧州株とは、ヨーロッパに拠点を置く企業の株式です。イギリスやフランス、ドイツ、イタリア、スペインなど多くの主要国が独自の株式市場を持っています。
欧州株式には、世界的に有名なグローバル企業の銘柄も多く、比較的安定していて利回りも高いのが特徴です。さまざまな業種や特徴を持つ企業が揃っており、安定的に長期運用できると言われています。
ただし、ユーロを通貨としているため為替リスクが存在すること、欧州さまざまな国の政治情勢や経済情勢が影響してくることを覚えておきましょう。
高配当株
高配当株とは、株価に対して相対的に高い利回りを期待できる株式のことです。株価の変動にかかわらず、安定した配当金を得られると人気があります。一般的に4%以上の利回りがある場合、高配当株とされることが多いようです。
高配当株は比較的安定した企業が多いため、長期保有にも向いています。現金収入を得ながら、じっくりと投資を行いたい人には特におすすめです。ただし、株価が下落したことで見かけ上の高配当になっている場合や、配当率が下がる(なくなる)こともあるので注意しましょう。また、すでに成熟した企業が多いため、値上がり益はあまり期待できないかもしれません。
バリュー株(割安株)
バリュー株とは、企業の業績や利益、資産などに対して株価が相対的に低く設定されている銘柄のことです。株価はさまざまな要因で変化するため、企業の業績が順調でも株価が好調とは限りません。さまざまな理由により株価が企業価値よりも低く設定されており、割安だと評価される銘柄がバリュー株(割安株)と呼ばれています。
バリュー株のメリットは、株価が安定していて配当や株主優待を期待しやすいことです。リスクが低めのため、長期保有に向いています。ただし株価が回復しない可能性もあるので、大きな値上がり益は期待できないかもしれません。
バリュー株に多いのは、銀行や保険、製造業、商社、小売業などの銘柄です。比較的安定しており、堅実に利益を上げている企業が多い傾向にあります。
グロース株(成長株)
グロース株とは、その名の通り今後の成長(グロース)を期待されている企業の銘柄です。業績や利益の成長率が高く、新しい技術やサービスを提供している企業が多い傾向にあります。
大きな値上がり益を期待でき、短期的にも長期的にも利益を得られる可能性がある一方、値動きが激しく株価が割高な傾向にあります。リスクが比較的高めであることも覚えておきましょう。
グロース株の代表的な銘柄は、ITやAI、エネルギー関連の業界です。新興企業、テック企業などもグロース株に当てはまることが多いでしょう。
バリュー株やグロース株については、こちらの記事で詳しくご紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
ETF
ETFとは、上場している投資信託のことです。株式とは異なりますが、ETFは株式と同じように市場で売買できるため、合わせてご紹介していきます。
そもそも投資信託とは、投資家から集めた資金を使って、投資のプロであるファンドマネージャーが選んだ金融資産(株式や債券、不動産、金など)に分散投資する金融資産です。プロが選んだ「おすすめ金融商品パッケージ」と考えるとわかりやすいかもしれません。
投資信託は一つの商品で分散投資が可能なので、自分で銘柄を選ぶのが難しい人やできるだけ手間を省きたい人に向いています。そしてETFであれば、上場しているため株式市場でいつでも売買が可能です。
株運用初心者の銘柄の選び方
実際に株式を購入するとなったら、どの銘柄を選べばいいのか悩むのではないでしょうか。特に初心者はどのような点に注意して選べばいいのか、ご紹介していきます。
応援したい企業から選ぶ
まずは、普段利用している商品やサービスを提供している企業に注目してみてください。株式を購入するということは、利益を得るためでもありますが、その企業を応援するということでもあります。
もちろん投資である以上、損失を避けるためにも業績の確認は必要です。しかしまずは気になる企業や応援したい企業をピックアップして、その企業の業績や利回りなどを確認するとよいでしょう。
特に初心者の場合、銘柄を選ぶのが難しいと感じる場合も多いはずです。なかなか第一歩が踏み出せない場合は、自分が親しみを覚える企業から選ぶのもひとつの方法ではないでしょうか。
業績が安定している企業を選ぶ
株式を購入するときは、企業の業績を必ず確認しましょう。特にチェックしたいのは以下の項目です。
- 売上高:企業が商品やサービスを提供して得た収入の総額のこと。
- 営業利益:売上高から、原価や人件費などの経費を差し引いた利益のこと。
- 経常利益:営業利益に、預金の利息といった「営業外収益」を加え、借入金の支払い利息といった「営業外費用」を差し引いた利益のこと。企業の総合的な収益力を示しています。
- 純利益(当期純利益):経常利益から、税金などを差し引いて最終的に会社に残る利益のこと。配当の原資となる利益です。
これらの数値は、企業規模や業界などによって大きく異なります。重要なのは数字そのものよりも、同規模の同業他社との比較や、過去3~5年程度の売上及び利益の推移です。
これらの数値が安定しているか、利益は伸びているかなど、わかりやすい点だけでも必ず確認しておきましょう。
配当利回りや株主優待を確認する
配当金や株主優待も銘柄を選ぶ指針のひとつです。配当利回りは以下の式で求められます。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金÷株価×100
先ほどもご紹介しましたが、高配当株とは一般的に4%以上の利回りの銘柄を指します。高配当株から、業績が安定した企業を探すのもおすすめです。
また、気になる株主優待を基準に銘柄を選ぶという方法もあります。株主優待にはさまざまな種類がありますし、選ぶのも楽しいでしょう。ただしこの場合も、優待の内容だけではなく業績の確認は必須です。また、株主優待を得るための条件(保有株数や保有期間など)は事前にしっかり確認しておきましょう。
時価総額が大きい企業や話題になっている業界をチェック
なかなか銘柄を決められないなら、時価総額が大きい企業を選ぶのもいいかもしれません。たとえば、時価総額が大きい日本の企業には、トヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャルグループ、ソフトバンクグループなどがあります。これらの企業の業績や配当利回り、株主優待などほかの要素も調べて、気になる銘柄をピックアップしてみましょう。
また、話題になっている業界の企業をチェックするという方法もあります。今であればAI事業やメタバース業界、SaaS(Software as a Service)業界、サイバーセキュリティ業界、宇宙開発業界などが今後伸びるだろうと期待されています。
バリュー株・グロース株をチェック
あとは、先ほどご紹介したバリュー株やグロース株を選ぶという方法もあります。バリュー株とグロース株を見極めるには、「PER」や「PBR」という指標を利用してみてください。
PER:株価収益率のこと。1株当たりの純利益に対して、株価が何倍になるか示しています。利益に対する株価の倍率で、その株が割安かどうかを判断します。
PBR:株価純資産倍率のこと。企業の資産に対して、どれくらいの株価が付けられているかがわかります。資産面からみて、株価が割安かどうかを判断します。
バリュー株やグロース株の目安は、一般的に以下の通りです。
| バリュー株 | グロース株 |
PER | 15倍未満 | 15倍以上 |
PBR | 1倍未満 | 1倍以上 |
ただし業界によって数値は大きく異なり、明確な基準は存在しません。必ず同業他社の数字と比べてみて判断してください。もっと詳しく知りたい場合は、こちらの記事をおすすめします。
株式投資の始め方
株式投資を始めるにはどう行動したらいいのか、具体的にご紹介していきます。
証券口座を開設する
株式を購入できるのは、証券会社のみです。郵便局や銀行では購入できないので、まずは証券会社の口座を開設しましょう。証券会社には、実店舗がある「対面証券」とオンラインのみの「ネット証券」があります。
実店舗は対面で直接相談ができ、サポートが手厚いというメリットがある一方、手数料が高めなのがデメリットです。ネット証券は、すべてオンラインで手続きが済み、取引も手軽で手数料が安めという特徴があります。ただし、インターネットに不慣れな人は不安があるかもしれません。
人気のネット証券には、楽天証券やSBI証券、松井証券、マネックス証券などがあげられます。証券会社によって手数料やサービス内容が異なるため、ぜひ公式ページなどを確認してみてください。
資金を入金する
証券会社の口座を開設したら、資金を入金します。入金方法は証券会社によってさまざまですが、以下のような方法があります。
- 即時入金(クイック入金)
インターネットバンキングと証券口座を連携させ、即時入金する方法です。手続きが済むと、ほぼリアルタイムで証券会社に資金が反映されます。
- 銀行振込
証券会社が指定する銀行口座に振り込む方法です。手数料は証券会社が負担してくれることもありますが、自己負担の場合も少なくありません。
- ATM入金
提携ATMやコンビニATMから入金します。ネットバンクを利用していない人でも、比較的手軽に入金できる方法です。
そのほかクレジットカードで入金する方法などがあります。証券会社によって利用できる入金方法は異なるので、自分が利用しやすい方法を考えてみましょう。
銘柄を選ぶ
銘柄の選びかたは先ほどご紹介した通りです。証券会社に口座を開設すると、詳しい株式情報を確認でき、ツールも利用できるようになるため積極的に活用してみてください。
値上がり益を期待するのか、配当益を得たいのか、それとも株主優待を優先したいのかなど、目的によっても銘柄の選び方は異なります。先ほどご紹介した銘柄の選び方と合わせて、投資目的も明確にしておくと選びやすくなるかもしれません。
株を購入する
株式の購入方法には、主に2つの方法があります。
- 成行(なりゆき)注文
現在の市場価格で即座に取引を行う購入方法です。すぐに注文が成立するというメリットがありますが、約定の瞬間に金額が変わってしまうこともあります。特に値動きが激しい銘柄の場合は、想定していたよりも高値で約定することもあるので、注意が必要です。
- 指値(さしね)注文
指値注文とは、売買する価格を指定して注文する方法です。希望する価格で購入できますが、指定した金額に達しなければ売買は成立しません。
成行注文と指値注文に関しては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
定期的に運用状況を確認
株式を購入したあとは、定期的に運用状況を確認しましょう。株式の売り時を見極めたり、損失を抑えたりする必要があるかもしれません。長期運用を前提としている場合は頻繁に売買を行うべきではありませんが、状況によっては対応が必要になることもあります。
ただし、株価を気にしすぎるのもストレスになります。特に初心者の場合は、一時的な株価の急落に動揺することもあるでしょう。できるだけ長期的な視野を持ちつつ、適度に運用状況を確認するよう心掛けてみてください。
リスクを下げる運用方法
投資にはリスクがあることは否めませんが、運用方法によってできるだけリスクを下げることは可能です。特に初心者の場合は、無理をせずできるだけリスクが低い方法から試してみてください。
長期投資を鉄則とする
資産運用のリスクを下げたいなら、長期投資は鉄則だと心得ましょう。短期的な売買によって大きな利益を得られることもありますが、売買の見極めはとても難しいです。逆に損をしてしまうことも珍しくありません。
また、株価は常に変動しており、上がったり下がったりすることが普通です。一時的に下がっても、その後回復することはよくあります。株価が下がったときに焦って売却すると損失が確定してしまいますが、長期的に保有していれば株価が回復して利益につながるかもしれません。もちろん株価が回復しないケースもあるため、慎重な判断が必要ではありますが、基本的に長期運用の方がリスクを回避しやすいです。
分散投資でリスクを軽減
資産運用を行う場合、一つの金融商品だけではなく、複数に分けて分散投資をするとリスクを下げられます。複数の金融商品に投資をしていれば、そのうちの一つに損失が発生しても、ほかの商品で利益が出れば損失分をカバーできます。
複数の銘柄の株式を持つことも、もちろん分散投資のひとつです。異なる値動きのする株式を保有することは、分散投資になるでしょう。また、株式だけでなく投資信託や債券、不動産など、ほかの金融商品を組み合わせることも分散投資になります。
積み立て投資を利用する
投資を行うときに悩むのが「購入するタイミング」という人は少なくありません。できるだけ有利なタイミングで購入したいと思うのは当然ですが、最善の購入タイミングを図るのはプロでも難しいでしょう。
そこでおすすめなのが「積み立て投資」です。積み立て投資とは、金融商品を毎月一定額ずつ購入していくという方法で、株式投資だけでなく投資信託など多くの金融商品を購入するときに利用できます。
たとえば毎月1万円ずつ積み立てるとすると、対象の金融商品が安いときは多く購入でき、逆に高いときは購入数を抑えられます。自動的に安いときに多く買い、高いときは少なく買えるため、購入のタイミングを図る必要がありません。
この購入方法は「ドルコスト平均法」と呼ばれており、購入単価を平準化して高値買いを避ける効果を期待できます。そのうえ少額から始められ、相場を確認する必要もありません。また、一度積み立ての設定をしてしまえば自動的に買い付けされるため、手間も抑えられます。
NISA口座で運用する
株式運用や投資信託を行うなら、NISA口座を利用することを強くおすすめします。NISAとは少額投資非課税制度のことで、購入した金融商品(株式や投資信託)から得た利益の税金が免除される仕組みのことです。
通常、投資運用で得た利益には約20%の税金が発生します。しかしNISA口座で運用している場合はこの税金が免除されるのです。投資運用を行うなら、NISA口座を利用しない手はありません。
例)投資運用で10万円の利益が出た場合
- 通常口座 → 約2万円の税金が発生するため、手元に残るのは約8万円
- NISA口座 → 非課税になるため、手元に残るのは10万円
NISA口座で運用しているだけで、通常口座よりも手元に残る金額が多いことがわかるでしょう。特に大きなデメリットがない制度なので、まだ口座を持っていない人はこの機会にぜひ開設してみてください。NISA口座は証券会社で作ることができます。
NISAについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
株運用初心者が知っておくべき注意点
続いて、株式運用を行うにあたって、必ず知っておきたい注意点についてご紹介していきます。リスクを下げる運用方法でご紹介した「長期運用」「分散投資」に加え、以下の点にも注意して投資運用を行いましょう。
余剰資金で投資する
投資は「余剰資金」で行うのが基本です。生活に必要な資金を投資してしまうと、無理が出てしまい長く続けるのが難しくなります。生活に必要な資金や、近いうちに使う予定の資金を除き、当面使う予定がない資金を投資にあてるのが理想です。
- 生活防衛資金
生活に必要な資金。病気やケガなど万が一の事態に備えるための費用も含む。家族がいる場合は、少し多めに備えておくとよい。
目安:生活費の3~6カ月程度。
- 近い将来に使う予定の資金
1~5年以内に使う予定があるお金。結婚資金、住宅資金、車の資金、教育費など。教育費の場合、長いスパンで準備しておくとよい。
目安:それぞれに必要な額を算出。
- 余剰資金
上記2つを差し引いた資金で、当面使う予定がないお金のこと。
まずは生活防衛資金を計算して確保し、そこから近い将来使う予定のお金や積立金額を除いて、余った分が余剰資金となる。
生活資金や近い将来使う予定がある資金を投資にあててしまうと、途中で取り崩す必要が出てくるかもしれません。長期運用を目指すためにも、できるだけ取り崩すことがないよう、余剰資金で行いましょう。
少額から始める
余剰資金で始めるのが良いとは言え、「そんなお金などない」という人もいることでしょう。その場合は、負担が少ない少額から始めることをおすすめします。
投資はできるだけ長く続けることが、利益を得るポイントです。そのため、たとえば月1000円といった少額からでもいいので、できるだけ早く始めてみてはいかがでしょうか。始めはなかなか増える実感もわかないでしょうが、コツコツ積み立てていくことで資産は育っていきます。
また、最初から高額を投資して株価が下がった場合、大きな含み損を抱えてしまうかもしれません。いずれ回復するかもしれないと思っても、大きなストレスになることでしょう。少しずつの積み立てであれば含み損も少なく済む可能性があります。そうして運用を続けていくうちに資産も育ち、多少の下落でも耐えられるようになるかもしれません。
特に投資に慣れていない初心者は、最初から高額を投資するのではなく、少額から始めて資産とともにメンタルも育てていきましょう。
SNSの情報を鵜呑みにしない
SNSの情報は有益なものも多く、すべてが間違っているわけではありません。しかし、真偽が不明な情報があるのも事実です。
大切なのは、SNSで見た情報が真実かどうか、自分で確認するということです。特に利益だけを強調しているものには注意しましょう。投資にはメリットもあればデメリットもあります。「必ず儲かる」ということもありません。SNSはとても便利なツールですが、「有益な情報かどうか」を判断するのはほかでもない自分自身だということを覚えておきましょう。
これは例えば金融機関の情報でも同じです。メリットだけでなくデメリットは何か、利益の仕組みを理解できるかどうかなど、確かめる癖をつけてみてください。少しずつ知識を付けていくと、自分で判断できることも増えていきます。
株式投資のよくある質問
最後に、株式運用でよくある質問に回答していきます。
株式投資はいくらから始められる?
株式投資を始めるには、原則として数千円から数万円が目安になります。株式を購入する場合、100株からが基本なので、「株価×100」をすれば必要な金額を算出可能です。たとえば、株価が30円であれば「30円×100=3,000円」が最低資金となります。
ただし、100株以下でも購入可能な「単元未満株」と呼ばれる銘柄なら、もっと少額でも購入できます。単元未満株は1株から購入可能です。
※証券会社によっては単元未満株を扱っていない場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
おすすめの証券会社は?
始めやすいのは、すべてオンラインで口座開設できる「ネット証券」です。大手のネット証券であれば、経営も安定しており取扱い銘柄も多いので安心して始められるのではないでしょうか。
大手のネット証券会社
- SBI証券:国内株式個人取引シェアNo.1の実績を誇る、人気のネット証券会社です。国内株式売買手数料が0円と手数料も抑えられており、Webサポートや問い合わせ窓口にも定評があるため、初心者でも安心して取引できるでしょう。
参考:NISA・確定拠出年金(iDeCo)・株・投資信託・債券・FX | SBI証券
- 楽天証券:国内株式取引の手数料が無料で、そのほかの手数料も低く設定されています。NISA口座数もトップシェアを誇っており、初心者にも人気の証券会社です。楽天ポイントも貯まるため、楽天ユーザーには特におすすめできます。
- 松井証券:銘柄の選び方や取引のタイミングなどを電話で相談できるネット証券会社です。ツールも使いやすいと評判で、手数料も業界最安値水準なので安心して取引できます。サポートを重視している人におすすめです。
参考:投資デビューしたいあなたへ!松井証券からご提案 | 松井証券
- マネックス証券:ポイント還元に定評があり、特にdポイントユーザーにおすすめの証券会社です。手数料は無料や低めに設定されており、単元未満株も扱っています。気軽に投資を始めたい人におすすめです。
参考:始めるならマネックス
- 三菱UFJeスマート証券(旧auカブコム証券):手数料が低く、単元未満株も取り扱っているため、少額から始められます。クレカ積み立てによるポイント還元や、スマホアプリが使いやすいと好評です。
参考:三菱UFJ eスマート証券が選ばれる理由 | 三菱UFJ eスマート証券(旧社名:auカブコム証券)
上記でご紹介したのはすべて大手のネット証券会社です。取り扱い銘柄も豊富で、手数料も低く設定されているので、初心者でも安心して利用できます。サポートの種類やポイント還元など会社によって特徴があるので、どの証券会社が合っているか、ぜひご自身で確認してみてください。
初心者に株は危険?
初心者に株式運用は難しいのでは?と思う人もいることでしょう。確かに、何の知識もなく始めるのはおすすめできません。
しかし、基本的な知識はインターネットや本からでも学べますし、できるだけリスクを下げる運用を行えば、初心者でも挑戦できます。大切なのは、始めから無理な投資をしないということです。高額な投資から始めたり、短期運用を繰り返したりなど、リスクが高い運用は避けましょう。
それでも不安がある場合は、「投資信託」を検討してもいいかもしれません。投資信託は、運用の指針や特徴に沿ってプロが銘柄を選別してくれます。自分で個別銘柄を選ぶ必要がなく、複数の金融商品で構成されているため、リスク分散も可能です。
投資信託との違いは?
前述したように、投資家から集めたお金でプロが選んだ複数の金融商品に投資するのが投資信託です。
株式投資との主な違いを表にまとめました。
| 株式投資 | 投資信託 |
運用する人 | 自分自身 | 運用会社 |
リスクとリターン | ハイリスク・ハイリターンの傾向 | ローリスク・ローリターンの傾向 ※種類による |
手数料 | 売買手数料等 | 取引手数料、信託報酬など |
利益・優待 | 配当金、株主優待 (譲渡益) | 分配金 (譲渡益) |
NISA・iDeCoの利用 | NISA(成長投資枠のみ) | NISA(成長投資枠・つみたて投資枠) iDeCo |
購入できる場所 | 証券会社 | 証券会社、銀行、郵便局など |
最低投資額 | 数千円~数万円 (単元未満株は数百円~) | 100円~ |
投資信託は、最初に商品を選べば基本的に運用は証券会社が行ってくれます。少額から取引を行うことができ、証券会社以外でも取引が可能です。比較的リスクが低いと言われているため、初心者には適した金融商品と言えるでしょう。
一方株式運用は、比較的リスクが高い分、大きなリターンも期待できます。自分で運用する必要があるため、知識や手間を必要としますが、自由度は高いです。
自分で銘柄を選ぶ自信がない、できるだけリスクを抑えたい、少額から始めたいという人は投資信託が、できるだけリターンを得たい、自分で銘柄を選びたい、株主優待が欲しいという人は株式投資が向いています。
詳しくはこちらの記事でご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
株式運用は、株式を売って利益を得たり配当金を得たりして資産を育てていく資産運用の手法です。必ずしも利益を得られるわけではなく、損失が発生するリスクもあります。
株式にはさまざまな種類があり、その銘柄によって得られる配当金の額や株主優待は異なります。株式の銘柄を選ぶときは、その企業の業績を必ず確認し、できるだけ値上がり益を期待できるものを選ぶとよいでしょう。
株式運用に限らず、投資運用の場合は長期運用で分散投資をすることでリスクを抑えられます。特に初心者は、できるだけリスクが少ない運用から始めてみてください。
