オルカンとS&P500の今後はどうなる?リターンやリスク・分散投資の最適解とは

投資信託の中で人気を二分している「オルカン」と「S&P500」。これらの投資信託を保有している人は少なくないのではないでしょうか。多くの人に評価されている投資信託であることは間違いないものの、このまま保有し続けることに不安を覚える人もいるかもしれません。そこで本記事では、オルカンとS&P500の今後の見通しやリスク要因などをご紹介していきます。そのほかの投資の選択肢を知りたい人もぜひ参考にしてみてください。

・目次


「オルカン」と「S&P500」の基本をおさらい

全世界株式「オルカン」と、「S&P500」は、ともに特定の株式指数に連動する「インデックスファンド」です。そもそもファンド(投資信託)とは、投資家から集めたお金を運用のプロであるファンドマネージャーが、さまざまな金融商品に分散して投資運用する商品のことです。ファンドは、運用方法の違いによって大きく2つの種類に分かれます。

インデックスファンド:「日経平均株価」や「TOPIX」などの株式指数に連動するよう設計されている投資信託(ファンド)。

アクティブファンド:株式指数よりも高い運用成績を目指している投資信託(ファンド)。

インデックスファンドは、それぞれの市場の動きに合わせて基準価格が変動するため、専門知識がない初心者でもわかりやすく、投資がしやすいという特徴があります。手数料も比較的低く、長期的な投資に向いています。

一方アクティブファンドは、ファンドマネージャーが銘柄を厳選し、株価指数の成績を上回るように設計されているファンドです。大きなリターンを期待できる代わりに、リスクも相応に高くなります。

インデックスファンドとアクティブファンドの違いについては、こちらの記事も参考にしてみてください。

インデックスファンドVSアクティブファンド!どっちを選ぶ?違いを徹底比較!

オルカンとは全世界株式への分散投資

オルカンの正式名称は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で、全世界の株式に投資するインデックスファンドです。

オルカンが指標にしている指数は「全世界株価指数(MSCI ACWI)」で、先進国23カ国と新興国24カ国の中型株・大型株で構成されています。世界の株式市場の時価総額約85%をカバーしており、世界経済の動向を表していると言えるでしょう。つまりオルカンに投資することは、世界の株式市場全体に投資するということです。

<オルカン 組入上位10カ国(地域)>

 

国(地域)

比率

1

アメリカ

63.9%

2

日本

4.8%

3

イギリス

3.2%

4

カナダ

2.9%

5

フランス

2.3%

6

台湾

2.1%

7

スイス

2.0%

8

ドイツ

2.0%

9

ケイマン諸島

1.8%

10

インド

1.7%

引用:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)月報(2025年11月28日時点)

オルカンは時価総額加重平均方式を取っており、時価総額や株価が高い企業の影響を大きく受けます。その結果、全世界の株式に分散投資しているものの、時価総額の比重が大きい米国株式で6割以上占められています。ただし組入銘柄は定期的に見直されているため、今後は変化していくかもしれません。

S&P500とは米国主要500社への投資

S&P500とは、米国の代表的な企業500社の企業で構成されている指数のことです。米国の金融会社である「S&P(スタンダード&プアーズ)」が作成しており、米国の経済状況を把握する指標として高く評価されています。

そして一般的にS&P500と言えば、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」というファンドを指します。S&P500に投資するということは、アメリカの主要企業に分散投資をするということです。

<S&P500 組入上位10銘柄>

 

銘柄

業種

比率

1

1 NVIDIA CORP

半導体・半導体製造装置

7.5%

2

2 APPLE INC

テクノロジ・ハードウェア・機器

7.0%

3

3 MICROSOFT CORP

ソフトウェア・サービス

6.1%

4

4 AMAZON.COM INC

一般消費財・サービス流通・小売り

3.8%

5

5 BROADCOM INC

半導体・半導体製造装置

3.2%

6

6 ALPHABET INC-CL A

メディア・娯楽

3.2%

7

7 ALPHABET INC-CL C

メディア・娯楽

2.5%

8

8 META PLATFORMS INC-CLASS A

メディア・娯楽

2.3%

9

9 TESLA INC

自動車・自動車部品

2.0%

10

10 BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B

金融サービス

1.6%

引用:eMAXIS Slim米国株式(S&P500)月報(2025年11月28日時点)

<S&P500 組入上位10業種>

 

業種

比率

1

半導体・半導体製造装置

14.0%

2

ソフトウェア・サービス

11.0%

3

メディア・娯楽

9.8%

4

テクノロジ・ハードウェア・機器

9.0%

5

金融サービス

7.7%

6

医薬品・バイオテクノ・ライフ

5.9%

7

資本財

5.7%

8

一般消費財・サービス流通・小売り

5.5%

9

ヘルスケア機器・サービス

3.8%

10

銀行

3.4%

引用:eMAXIS Slim米国株式 (S&P500)月報(2025年11月28日時点)

S&P500も時価総額加重平均方式で算出されており、時価総額や株価が高い企業の影響を受けやすいです。そのため、エヌビディアやアップル、マイクロソフトといった、半導体やIT企業の影響を受けやすいのは事実ですが、組入上位10業種を見ると、さまざまな業種が組み込まれていることがわかります。

それぞれの特徴と違い

オルカンとS&P500はともに人気のあるインデックスファンドです。どのような違いがあるのか、特徴を以下の表にまとめました。

 

オルカン

(全世界株式)

S&P500

(米国株式)

ベンチマーク指数

MSCI ACWI

(全世界株価指数)

S&P500

主な投資先

全世界

米国主要企業500社

リスク分散性

高い

(全世界に投資)

低い

(米国企業のみ)

手数料(信託報酬)

0.05775% ※

0.0814% ※

メリット

・世界中に分散投資できる

・手数料が低い
・リスクを分散できる

・世界経済成長の恩恵を受けられる

・米国の優良企業に分散投資できる

・長期的に成長傾向

 

デメリット

・米国への依存が高め

・為替リスクがある

・米国経済に左右される

・為替リスクがある

※引用:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 投資信託 | 楽天証券

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 投資信託 | 楽天証券

オルカンはその名の通り、世界中の優良株式に分散投資できるのがメリットです。米国企業に偏ってはいるものの、米国企業100%のS&P500と比べると、リスクの分散はされていると言えます。

一方S&P500は、世界経済を牽引する米国の優良企業にまとめて投資できるのが魅力です。長期的に成長が続いており、特にここ数年はオルカンよりも利回りが高い傾向があります。

どちらも手数料は低めですが、為替ヘッジがないため、為替リスクがあります。いずれにせよ、オルカン・S&P500ともに優良なファンドであることは間違いなさそうです。

どちらを選ぶかについては、明確な回答はありません。あえて言うなら、できるだけリスクを下げるなら「オルカン」、このまま米国経済が安泰だと思うなら「S&P500」というところでしょうか。両方のファンドを保有するという選択肢もあるでしょう。

ただし、オルカンは世界中の優良企業に投資しているとはいえ、60%以上は米国企業に依存しています。つまり、オルカンとS&P500は似た値動きをする傾向にあるということです。

どちらのファンドも保有することを否定するわけではありませんが、分散投資の基本は「性質が異なる資産を持つ」ということです。そのため、違う値動きをする資産を組み合わせる方がよりリスクを下げられるでしょう。


「オルカン」の運用成績とリスク要因

オルカンの特徴を抑えたところで、実際の運用成績はどうなのか、リスク要因と合わせてご紹介していきます。

近年の運用成績

まずは近年の運用成績を確認してみましょう。

<オルカン リターン(年率)>

  • 6カ月:43.74%
  • 1年:20.51%
  • 3年:27.44%
  • 5年:20.48%

引用: eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 投資信託 | 楽天証券

ここ半年のリターンは非常に好成績ですが、過去のリターンを見ても大きな問題がなく安定していると言えます。

長期間での推移も確認しておきましょう。以下のチャートは、オルカンのベンチマークであるMSCI ACWIの推移です。

短期的に見ると、リーマンショックが起こった2008年頃や、新型コロナウイルスの影響が出た2020年頃など、株価が大きく下落している時期もあります。しかし全体的に見ると、世界経済は成長を続けているのがわかるでしょう。2025年も安定したリターンを得られています。

リスク要因

よくオルカンのリスク要因としてあげられるのは、「米国への依存度が高い」という点です。世界中の企業にも分散投資をしているとはいえ、米国企業の比率は60%以上を超えます。

米国企業ひいては米国経済に衰退が見られる場合は組入銘柄の変更が行われるでしょうが、それでも完全に影響を避けることは難しいかもしれません。

オルカンは時価総額加重平均方式のため、時価総額が大きい銘柄の組み入れが大きくなるのは仕方ありませんが、今後の成長が期待されているインドといった新興国の株式が少ないことも、懸念点としてあげられています。

また「為替リスク」も侮れません。オルカンは日本円で購入できるため勘違いしている人もいるかもしれませんが、為替リスクは存在します。オルカンの資産の多くは外貨、特に米ドルで運用されており、為替ヘッジは行われません。

つまり近年長く続いた円安の状態であれば、好調な運用成績+為替の影響で、パフォーマンスは非常によくなります。しかし今後は円高に振れる可能性があり、そうなると米国株が下がっていなくても日本円にしたときに為替要因でオルカンの基準価額が下がる恐れがあるということです。


「S&P500」の運用成績とリスク要因

続いて、S&P500のパフォーマンスやリスク要因について解説していきます。

近年の運用成績

S&P500のパフォーマンスも好調です。

<S&P500 リターン(年率)>

  • 6カ月:43.06%
  • 1年:15.66%
  • 3年:30.02%
  • 5年:23.77%

引用: eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 投資信託 | 楽天証券

ここ半年及び1年のリターンは、オルカンより多少低い結果が出ていますが、3年~5年で見ると好成績であることがわかります。

長期的な成長も確認しておきましょう。以下はS&P500(株価指数)の推移です。

大まかに見ると、ここ10年ほどの成長率が非常に高いことがわかります。当然下落した時期はありますが、長期的に見ると大きく成長を続けていると言えるでしょう。2025年には過去最高値を更新しています。

リスク要因

S&P500は、米国の主要企業500社に投資をするファンドです。つまり、米国経済の影響をダイレクトに受けます。ここ1年あまりのパフォーマンスがオルカンよりも劣っていたのは、さまざまな要因により米国経済が揺れ動いたからと考えられます。

米国経済が下落した場合、オルカンであれば米国以外の資産で多少カバーできる可能性がありますが、S&P500の場合はそうはいきません。影響の大きさが異なります。米国の金融政策や景気、失業率などが株価に影響を与えると考えられるため、動向を注視する必要があります。

またS&P500を構成する業種はAIやITなどのテクノロジー関連が多く、このセクターのパフォーマンスは指数全体に大きな影響を与えています。実際に近年のパフォーマンスの良さは、ITセクターに支えられている側面が大きいです。現状はITセクターへの依存が高い状況にあると言え、もしこのセクターが不調になれば、大きな影響を受けるでしょう。

またオルカンと同じく、為替リスクも存在します。今後、ドル安・円高の流れになれば、円建てのリターンが減少することになります。長らく円安の状態が続いていたことで、為替リスクを意識することは少なかったかもしれません。2026年1月現在、円安の状態が続いてはいますが、米国の金利は下落傾向の一方、日本の金利は上昇傾向にあり、円高に振れる見通しも出てきました。今後は一層為替リスクを考慮する必要があるでしょう。


今後の見通しは?今購入しても大丈夫?

オルカンやS&P500が今後どのような動きをするのか、断言することはできません。しかしどのような要因に影響を受けるのか、注視しておくべき内容や、できるだけリスクを下げる方法をご紹介していきます。購入するか悩んだ際の参考にしてみてください。

米国経済に大きく左右される

S&P500はもちろん、オルカンも米国企業の割合が高いため、米国経済の動向に大きく影響を受けます。

2025年のリターンにおいて、オルカンの方が若干優れていたのは、トランプ関税の動向により米国経済がマイナスの影響を受けたことが要因の一つだと考えられます。より米国経済の影響を受けるS&P500の方が、パフォーマンスへの余波が大きかったということです。

どちらにせよ、オルカンもS&P500も米国経済の影響を大きく受けます。今後の米国経済を左右する要因は何か、知っておくことが重要です。

金利
米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)により、米国の政策金利は2024年9月から段階的に引き下げられています。金利が下がると、企業の株価は上がる傾向にあります。資金を借りやすくなるため、企業が活発に投資を行い、業績アップにつながるからです。

米国金利と株価については、以下の記事も参考にしてみてください。

利下げすると株価はどうなる?債券との関係や米国が利下げしたときの影響まで徹底解説

米国金利の引き下げは、株価上昇の追い風になる可能性があります。

インフレ率や雇用統計、GDP成長率など
経済の動向を示す指標であるインフレ率や雇用統計、GDP成長率の結果によっても株価は影響を受けます。

インフレ率が高くなると金利は下がりにくくなります。また雇用統計やGDP成長率が低いということは、経済への不安の表れでもあります。これらの不安要素があれば株価はあまり上がらず、逆に好調な兆しがあれば株価上昇への追い風となるでしょう。

そのほか、政治情勢や世界情勢などさまざまな要因によって経済は影響を受け、ひいてはオルカンやS&P500のパフォーマンスにも大きな影響を及ぼします。

AI技術や新興国成長が鍵に?

テック株と呼ばれるAIやIT、半導体業界の躍進が近年のパフォーマンスを牽引していることはすでにお伝えした通りです。勢いはまだまだ衰えていないと言われていますが、一方で株価の割高感やボラティリティ(株価の変動幅)の高さといった懸念材料もあります。

株価が本来の企業の収益力よりも割高になりすぎているため、今後のリターンは今までの10年間よりは下がるだろう、という指摘もあるようです。しかし、今後もAI技術の進歩などにより企業業績は向上するだろうという予測も少なくありません。

どちらにせよ、テック企業の株価がオルカンやS&P500のパフォーマンスにも大きく関わると考えられるので、意識しておくとよいでしょう。

そのほか動向を確認したいのが、新興国企業の株価です。特にインドは労働人口の増加に伴い、急速に経済成長を遂げています。

新興国の経済成長の恩恵を受けるならば、オルカンという選択肢が有利でしょう。ただし、オルカンは新興国の株も含んではいますが、割合としては全体の10%程度です。

もっと積極的に新興国の経済成長を取り込むのであれば、インド株を積極的に組み入れている投資信託を分散投資先の一つとするのもおすすめです。

為替リスクにも注意する

オルカンやS&P500には、為替リスクがあることもすでにご紹介した通りです。円安であればパフォーマンス以上のリターンを得られる可能性がある一方、円高になれば得られるリターンは少なくなります。

S&P500は米ドル建て、オルカンは各国通貨で取引され、米ドルで運用や算出が行われています。それを日本円に換算する場合、為替リスクが発生します。円安が長く続いているためあまり意識することはなかったかもしれませんが、今後の為替の動向には注意が必要です。

相場は上昇・下降を繰り返す

オルカンやS&P500の過去の値動きを見ればよくわかりますが、相場は上昇や下降を繰り返しています。どちらのファンドも優秀なパフォーマンスですが、常に上昇しているわけではありません。

コロナショックのときは大きく下落しましたし、2025年の4月頃には大きく値を下げています。短期間で価格が大幅に下落したことに、ショックを受けた人もいるようです。

回復にかかる時間はそのときどきで違いますが、どちらのファンドも下落前の価格よりも上昇しています。長い期間で見ると、右肩上がりで相場が上昇していることがわかるでしょう。

オルカンやS&P500はある程度長期間保有することで、期待するリターンを得られる可能性が高いということです。下落相場のときに焦って売らないよう、注意してください。

ドル・コスト平均法でリスクを分散

「価格が上がっているときに買うのは損?」「下落相場で買うのは勇気がいる」など、オルカンやS&P500の買い時について、悩む人もいるかもしれません。

しかし、相場を読むのはプロでも難しく、タイミングよく購入するのは非常に難しいです。相場の急変や暴落はなかなか予想できません。ではどのように購入するのが良いのかというと、やはりよく言われるように「ドル・コスト平均法」がよいでしょう。

ドル・コスト平均法とは、一定額を投資し続ける方法です。この方法だと、価格が下がったときはたくさん購入でき、上がったときは購入数を抑えられます。自然と、「価格が低いときに多く購入する」ことが可能です。

購入時のタイミングを狙うより、ドル・コスト平均法でリスク分散をしつつ、できるだけ早めに投資を開始することをおすすめします。

定期的な見直しでバランスを取る

オルカンやS&P500は長期的な保有がおすすめではありますが、万能というわけではありません。定期的にポートフォリオを見直すと、より効率的な投資が可能です。

ポートフォリオとは、投資配分を示すものです。オルカンやS&P500のすべてを売却するというような極端なものではなく、一部をほかの資産に置き換えたり買い増ししたりして、投資の配分を見直すことが有効な場合もあります。

では、オルカンやS&P500の分散投資にはどのような資産が良いのか、ご紹介していきます。


そのほかの選択肢|分散投資に何を選ぶ?

オルカンやS&P500はとても優秀なファンドと言えますが、欠点がないわけではありません。すでにお伝えしている通り、米国株やテック株に偏っていることは明白です。

今後も米国株が順調であれば問題ありませんが、先のことは誰にもわかりません。リスクを軽減するには、違う値動きをする資産を組み入れるとよいでしょう。また、もっと積極的に利益を得たい場合にはどのような選択肢があるのかも気になるところではないでしょうか。

そこで最後に、オルカンやS&P500以外の投資先についてご紹介していきます。

好成績のファンドについて|FANG+

FANG+とは、米国の主要テック企業10社を中心に構成されている株価指数です。Facebook(Meta)、Amazon、Netflix、Google(Alphabet)の頭文字から名付けられており、これにAppleやNVIDIAなど主要な企業が加わり、IT/AIセクターを代表する指数となっています。

この指数に連動する投資信託は、ここ数年の技術の進歩とともに、かなりの好成績を上げています。しかしその分ボラティリティは高めで、大きく値動きすることも少なくありません。ハイリスク・ハイリターンの銘柄だと言えます。

指数は10銘柄に限定されており、四半紀ごとに見直されているため、常に最新のテクノロジー技術を駆使した企業に投資が可能です。オルカンやS&P500もこれらの主要企業の株を多く含んでいますが、FANG+はテック企業に特化しているため、より大きなリターンを期待できます。

ただし、10銘柄に限定されているため分散力が弱いということと、値動きが激しいという点には注意が必要です。

リスクを抑えつつリターンを得るには、安定的な資産に加えてFANG+のような高パフォーマンスの資産を組み入れるという方法もあるでしょう。

FANG+を指標としている商品の中では、「iFreeNEXT FANG+ インデックス」が有名です。NISAでも取り扱い可能なので、気になる場合はチェックしてみてください。

インド株や欧州株、日本株にも注目

米国集中というリスクを避けるため、また現在の急激な経済成長の恩恵を受けるためには、インド株といった新興国株の投資信託も選択肢の一つです。オルカンにはインド株などの新興国株も含まれていますが、あまり比率は多くないため、別途新興国株の投資信託を保有しておくと、バランスがよくなります。

インド株については、下記の記事で詳しくご紹介しています。

インド株おすすめの銘柄や投資信託は?成長の背景やリスク・投資法まで解説

そのほか、欧州株や日本株も見逃せません。欧州株式は堅実なリターンを提供しており、分散投資先として人気があります。日経平均株価も5万円を超え、史上最高額を記録するなど好調です。

オルカンやS&P500のみを保有している場合、どうしても米国株へ偏ってしまうため、分散投資先として、新興国株、欧州株、日本国株などの投資信託にも分散投資を検討するとよいかもしれません。

安全資産としての金投資

分散投資を考える際は、リターンが好調な資産だけでなく安全資産も組み込むようにしましょう。値動きが異なる株式を保有していたとしても、株式全体が落ち込むときに下支えしてくれる資産があると、メンタル的にも安心できます。

預金や現金を除いて、代表的な安全資産といえばやはり金ではないでしょうか。金は万国共通で価値を認められており、現物資産であるためインフレにも強いです。「有事の金」とも言われており、株式や債券などのペーパー資産とは異なる値動きをします。

金は、情勢が不安定なときほど価値が上がる傾向にあります。昨今は世界情勢の不安定さなどから安全資産としての金の人気が高まっており、金価格も上昇し続けています。

分散投資先の一つとして、安全資産である金の保有を考えてみるのもおすすめです。金に投資する場合は現物を所有するという方法でも問題ありませんが、金価格に連動する投資信託や金ETFを購入するという方法もあります。

金に関してもっと詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。

金投資の魅力とは?メリットやデメリット、銀・プラチナとの違いも解説

REIT(不動産投資)という選択もあり

分散投資先として、「REIT」が気になる人もいるかもしれません。REITとは、不動産の投資信託のことです。現物の不動産を所有するのではなく、プロのファンドマネージャーが厳選した複数の不動産への投資口を保有します。

不動産の現物保有のように家賃収入はありませんが、分配金(配当金)を得られます。物件管理の手間がかからず、少額から不動産に投資できるというのもメリットです。

REITは比較的利回りが高く、インフレにも強いと言われていますが、景気や不動産情勢などの影響を受けます。投資する不動産の種類によっても値動きは異なるため、どのような特徴があるのか事前にしっかり確認しておきましょう。

REITは株式とはまた異なる資産のため、オルカンやS&P500の分散投資先の一つとして候補になるかもしれません。

REITについてもっと詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。

REITとは何?仕組みや種類、メリット・デメリット、不動産投資との違いをわかりやすく解説

ポートフォリオのバランスが重要

オルカンやS&P500は、長期で保有するのに適した優秀な投資信託だと言えます。今後すぐに保有するのが危険ということは考えにくいですが、よりリスクを抑えつつリターンを得るためには、ポートフォリオのバランスを取ることが重要です。

今回ご紹介した資産を組み入れる例として、たとえば以下のようなポートフォリオが考えられます。

<ポートフォリオの例①>

  • オルカン 40%
  • S&P500 30%
  • FANG+ 15%
  • 金やREITなど 15%

<ポートフォリオの例②>

  • 米国株 50%
  • 欧州株 15%
  • 日本株 15%
  • 新興国株 10%
  • 金やREITなど 10%

ここまで明確に分散しなくても、たとえば金を少し保有してみる、新興国株・欧州株・日本株などの投資信託も少額から購入してみる、といったことから始めてみてもよいかもしれません。

オルカンやS&P500は優秀なファンドですが、注意点も知った上で、自分に合うリスク回避方法を検討してみてください。


まとめ

オルカンやS&P500は、とても人気がある優秀なファンドです。過去10年間の成績を見るとどちらも高パフォーマンスで、特に近年のリターンは好調だと言えるでしょう。

オルカンは世界全体にまんべんなく分散投資でき、S&P500は米国の主要企業にまとめて投資が可能です。ただしどちらも、米国経済やテック企業への偏りがあるのは否めません。

当面は米国経済やハイテク産業の成長が見込まれると予想しているプロも少なくなく、すぐに暴落の危険があるとは考えにくいですが、未来のことはわかりません。少なくとも、どんなに優秀なファンドであっても相場の上下は必ずあります。

そのような相場に耐えるためにも、ほかの資産に分散投資をすることは有効な手段です。今回ご紹介した内容も参考に、ぜひあなたに合うポートフォリオを検討してみてください。


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